本試験の傾向と来年度の対策

大上段に構えたタイトルになりましたが、今年の合格もおぼつかない一受験生の呟きとして流していただければ幸いです。

前回の続きとして過去の勉強履歴を遡ることより先に、本試験を自分なりに総括して感じたことを書いておきたいからです。
ただ、受験予備校について触れることになるのでその意味では話がつながる部分があるかもしれません。

今年の本試験の傾向(民法)

いろんな先生方の分析と併せて自分自身が感じていることとして、近年の司法書士試験は「高まる実務色」「改正には容赦なし」そして「市民感覚への接近」が3大テーマである、と言えると思います(念を押しますが、あくまで個人的イメージです)。
今年はそのカラーが一層強まった年だった。そういうことになるでしょう。うむ、何かカッコいいぞ。

3大テーマの内まず後者2つを象徴するのが、例の民法の「定型約款」商法の「匿名組合」の出題です。
受験界隈では衝撃的な話題としてひとしきり盛り上がった(?)わけですが、私は定型約款に関しては早期から一通り対策をしていました。
それは、当然に出題されるだろうと思っていたわけではなく、後に述べる理由から一応押さえておこうと考えていたからです(しかしいざ出題されると逆に動揺したのと、考えていたよりも細かい出され方をしたのとで解くのにかなり時間がかかってしまいました)。

受講していた中級コースではBもしくはCランク指定されており、模試で出題された際には他校の講師や受験生が鼻でせせら笑ってたぐらいのマニアック分野でしたが、実際には債権4問のうちの1問で多くの受験生の度肝を抜きました(知らんけど)。

前もってお断りしておくと、私は基本的には予備校の先生方の仰ることに乗っかって勉強しているしそうすべきだと考えています。そうじゃないと何のために高い受講料を払っているのか分からないから。
ですが、いわゆる出題予想などは話半分に聴いておくのが良いと思う。

そこが、先ほどのテーマ「市民感覚への接近」に関わってきます。すなわち、従来の出題傾向や予備校のランク指定とは別のところの、「一般国民の生活に最も身近なことは何なのか」という視点も頭の片隅に持っておいた方が良いのではないかということです。

何年か前に民法で「相隣関係」が出題された際に、今回の定型約款と同じような雰囲気があったように記憶しています。隣の木の根はチョン切れる、枝は切れないこんな生活笑百科問題まさか出んやろ、あっ出た嘘やろ笑、みたいな空気。

しかし今思えばこうした感覚は受験界特有のものだったんだろうなと思います。考えてみるに、お隣とのトラブルは日常生活においてはごく当たり前に起こりうる出来事です(実際我が家もお隣に多少の迷惑をかけたりかけられたりしながら生活しています)。
定型約款も然り。書面のみならずネットでも様々な契約をすることは身近なことであり、それが今回の改正で明文化されたわけです。

司法書士試験の出題分野においてはスーパースターである根抵当(根抵当と言えば、私の実家にはかつていつの間にか根抵当が設定されていたという怪談がありますがそれについてはまたいつか)などより、一般市民にとっては相隣関係や定型約款の方がよっぽどメジャー分野なわけですが、真面目な受験生の多くは受験勉強に没頭するうちにそういう感覚が麻痺してくるのではないか。

一方、出題側としてはそうした市民感覚とのズレを近年徐々に修正の方向へ持ってきているのだ、というのが私の勝手な推測です。
民法のみならず他の科目も含めて学説問題が減少してきているというのもその表れではないか。

多くの国民にとって机上の空論よりもネット契約や敷金関係の方がはるかに生活に直結しています。
今年の出題はそうしたことを踏まえ、法律家を目指すなら市民感覚を忘れるな、というメッセージを暗に伝えているのだと私は睨んでいます(まぁ既にもう誰かが同じようなことを言ってるとは思うけど)。

ただ、そうかといって受験範囲として考えたときに全体の中ではやはりマイナー分野であることに変わりなく、さすがに来年も定型約款が出るとは考えにくいでしょうからやはり学習の優先順位としては下がってくることになるでしょう。

あくまで合格に必要なのは多くの受験生が落とさない問題をきちんと取ることで、その選別は予備校なら予備校に任せて乗っかっていけばよろしい。

そして余裕があるなら、いわゆる勝負を分けるような問題対策としてマイナー分野をいくつか押さえておけばいいんじゃないか。
そして中でも何を選ぶかと考える際に、先ほど書いたように一般的な国民生活に直結するような分野をテキストに掲載がある範囲だけでも押さえておく。

そうした分野を自分の「強み」として一つでも二つでも持っておけば、もし出題された際にはそこで他の受験生と差をつけることができる。
自分自身、来年も受験しないといけない場合にはそう考えて学習を続けるつもりです。

長くなってしまったので民法の出題傾向と対策についてだけで力尽きてしまいました。
こんなことしてる場合ではなく今日は「いいにくの日」なので肉を食べに行くか買うかなどいろいろと用事があるのです。

続きはまた後日。

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