[若手研究者関連]700万円10年間支援、してください。

環境も変われば、気になるニュースも変わってきました。サラリーマンとしてはなかなか意識に上がらないニュースでしたが、若手研究者ということになると、仕入れる「時事ネタ」も変わってきます。「時事ネタ」というか、非常に当事者意識を持って考えるべきトピックそのものです。海外の大学に身を置いて活動すると、日本の大学や、大学の中心的な使命の一つである研究についてもどうしても意識することが多くなります。

全然知らなかったのですが、欧州では、かなり若手研究者育成が手厚いのですね。

ドイツ:マックス・プランク研究協会のグループリーダー制度

『1969年に創設され現在まで50年も続くこの制度では、博士号取得後7年以内の若手研究者を毎年10人程度採用し、途中、中間評価はあるが最長9年間、毎年35万ユーロ(約4200万円)を研究資金として支給する』

ドイツすげーな。こんなのを50年も続けているって。やはり強い国家には、秘密がありますね。

欧州:2007年に新設された欧州連合(EU)の欧州研究会議

『若手助成金制度は、博士号取得後2~7年の研究者に5年間で150万ユーロ(約1億8000万円)、7年から12年の研究者に200万ユーロ(2億4000万円)を提供するというもの』
『日本国籍の若手研究者も何人もがこの資金を得て欧州で活動中』

マジか。すごいな。そんな制度があるのか!日本人も活動中って、そんなことができるんですね。

中国:国家自然科学基金委員会

『2012年より「俊秀青年科学基金」を発足させ、38歳以下の海外経験者を対象に毎年400人を採用し、3年間で130万元(約2000万円)を支援』

中国は対応が早いですね。

そういえば、自分のいるミラノ工科大学でも、びっくりしたことがありました。中国人の先輩3年生と話をしていたときのこと。

「奨学金はイタリア政府のものなの?」
「中国政府からの奨学金よ。中国では、大学とかなり深い提携をしていて、手続きも含めて支援される仕組みがあるの。これを最大限活かして研究者としてのキャリアを築いていきたいわ。

博士課程向けの政府からの奨学金があるのは、日本も少なからずあるのでしょう。ですが、中国では、中国側のwebサイトにあるならまだ分かるんだけど、大学のウェブサイトから中国奨学金を受ける学生向けの入学フローまで親切に書かれているのです。戦略的に、各分野の世界のトップ大学に中国人留学生を増やすための取り組みをやっているように見えます。

そして日本は?

そして、日本は、どうなんですか?何もないんですか?そりゃ、厳しくないっすか?研究が将来の国家の競争力や人材育成を担うなら、しっかりと若手研究者を育てていきましょうよ。こういう話が出てきていることは非常に励みになりますね。

Ciao Grazie!


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