【32】男性性も女性性も実在する 『ジェンダーと脳』批判(4)
〔前回の続き〕
2つ目の論拠からも、「幻想」だと言えるのは ① の意味での「ジェンダー」のみだろう。「脳は様々な外的要因の影響を受けて変化する」とは言っても、脳にどこまでも無限の可塑性(かそせい)があるとは到底考えられない。変化できる幅には限界があるだろうし、変化しやすい資質もあれば、しにくい資質もあるのではないだろうか。
個人レベルで考えても、人の内面というのは、生まれ持った資質がまずベースとしてあり、それに様々な外的要因が加わって形成されていくもの、というのが一般的