【30】「男か女か」という二分法の必然 『ジェンダーと脳』批判(2)
〔前回の続き〕
ダフナ・ジョエルの著書『ジェンダーと脳』、前半にあたる第1部と第2部ではこれまでとりあげてきた「モザイク脳」論について詳しく解説されており、ここまではよい。だが後半にあたる第3部と第4部では「ジェンダーというのは幻想であり、だからジェンダーのない世界を目指すべき」というラディカルな主張が展開され、読み進むにつれて「いや、そこまではついていけない… 」という気持ちになってくる。
人は男性も女性も個人ごとに多様な内面を持っているので「男性(女性)はこういう