見出し画像

2019/10/06 舞台「どうしようもなくて、衝動。」観劇

画像2

画像2

画像3

公演タイトル:「どうしようもなくて、衝動。」
劇団:good morning N°5
劇場:浅草九劇
演出:澤田育子
個人評価:★★★★★★★☆☆☆

【総評】
まず澤田先生の本来の一面が見られたことは大満足。また、客入れであそこまでお客さんをいじって良いんだ、トイレやスマホOKなんだ、というなんとも自由度の高い舞台だった。こんな舞台がもっとたくさん出て来て欲しいと感じた。少々演劇はお堅いイメージがあるのでそれを取っ払ってくれる爽やかさ?も感じた。そしてなんとなく「短距離弾道ミサイル」と近しい演出があり、久しぶりにぶっ飛んだ芝居が見れて良かった。キャストの年齢層(特に主要メンバー)は高めだが、年齢に負けないエネルギッシュさを感じて社会人引退後の演劇もこれを見たら不可能じゃないと思えた。そして浅草は最高。

【鑑賞動機】
演出の澤田育子さんがAbemaTVの恋愛リアリティーショー「恋愛なドラマな恋がしたい」で演出されているのを見ており、一度は生の舞台での芝居と演出を見たかったので鑑賞。

【世界観・演出】
まずは舞台装置について。浅草九劇には初めて入ったが、最初の設定では舞台上は何重もの幕が後ろに下がっていたため、当初は舞台が非常に狭く見えた。幕がどんどんめくられて場転していく演出はとても古風で、浅草らしさがあって非常に良かった。全体的な演出として浅草という会場であるせいか、沢庵や芸者姿の澤田さんなど江戸っぽさを感じる世界観となっていて非常に雰囲気にあっていて良かった。100円で客入れ時に沢庵を売る仕組みは斬新で面白かった(購入しなくても全然楽しめたが笑)。ミュージカルチックな音楽や照明も良かったが、やはり小道具や装置といったギミックの手作り感に注目したい。ETの人形や澤田さんを宙づりにする演出や、入江さんが客席側に物を投げる際に緑のネットが貼られる演出はとても手作り感満載でこの舞台の醍醐味だった。

【内容・ストーリー】
ストーリーは、修学旅行シーン、スリラー、澤田芸者のシーン、姉さんの部屋でのシーン、カフェシーン、英語の喋れない社員の集うオフィス、万引きシーンがあった記憶。所々でシーンは繋がっているがストーリーの内容はさほど重要ではない。とにかく2時間笑いっぱなしの芝居で、老若男女誰にでも笑える作品になっていた。

【キャスト・キャラクター】
やはり一番インパクトあった俳優さんは澤田さん。客入れ時からひたすら沢庵を売り込む所から芝居は始まっているような気がし、そこから芸者さんやカラーボールを被った宇宙人のような役まで幅広く演じていて素晴らしかった。「ドラ恋」で見られる厳しげなコーチとは違った側面が見れてとても良かった。また、おじさん3人衆の英語の喋れない社員のシーンはとても面白かった。特に入山さんの「oh, pardon. Paper driver」はツボだった。またハゲをネタにして歌うシーンも最高だった。そしてかなり印象あったのは、オナラおばさん。乳首を沢庵で隠しながらほぼ全裸でとんでもない熱量で演じる怪演技は澤田さんより強烈なものがあった。他のキャストさんもみんな個性的で魅力があった。

【舞台の深み】
ここまでやるかって思わせる怪演出と、手作り感満載の装置と小道具たちだと思う。沢庵を売り込んだり、ほぼ全裸で演技したり、役者の平均年齢は高いはず笑なのにものすごく熱量に満ちた空間を作り出していて元気をもらえた。非常に演出に工夫が凝らされている点がすごく、宙づり演技や緑ネットなど今まで見たことないような演出を手作りでやってのけていてとても良かった。大きな会場では味わえない演劇の良さを感じた。

【印象に残ったシーン】
印象に残ったシーンは最後のET と宙づりシーン、一番面白かったのはおやじ3人衆。

この記事が参加している募集

舞台感想

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?