SNSでの交流も捨てたものじゃない

SNSを始めてもう10数年が経とうとしている。

もう退会してしまったものもあるけど、SNSを通じていろいろな人々や考え方に触れることができた。日本全国さらには世界の人々とリアルタイムでつながるなんて子供の頃には全く想像していなかった。芸能人や著名人の生の情報を簡単に入手できるようになったのもありがたい。

もともとは自分が内向的な性格だったので、SNSでは実際の性格とは正反対の自分を演じてみたいという浅はかな動機から始めたのだが、年を重ねるようになって自分の素の部分をみんなに見せたい、自分の本音を伝えたいという目的に変っていった。若い時のフォロワーの人はただの遊び相手や暇を持て余して絡んでくる人が多かった気がするけど、最近は以前よりフォロワー数は減ったものの、一人ひとりとより深いつながりになり、よい事があったら一緒に喜んでくれて、悪い事や困ったことが合ったらアドバイスをくれる関係の人が増えた気がする。

私が今最も利用頻度の高いSNSがFacebookだが、毎日普段の出来事や自分が思っていることを投稿すると「いいね」やコメントが寄せられて、実世界では友達が少ないにもかかわらず、私にはたくさんの味方がいるように感じる。

例えば、「一人飲み」に関するコミュニティに入り、自分が普段飲んでいるお酒やおつまみについて投稿したところ、1投稿あたり数十件、多い時だと3,400件を超える「いいね」がつけられ、たくさんのコメントが寄せられた時には驚きを隠せなかった。高いお酒や豪華なおつまみを用意した訳でもないのにこんなにたくさんの人たちが反応してくれたことがとても嬉しかった。普通の投稿でも多くて10数件にしかならなかったからなおさらだ。個人的に一人で飲むのが好きだったけど、このコミュニティに入ってからは晩酌の度にコミュニティのみなさんと交流したい気持ちが強くなり内容はありきたりな内容でも投稿するのが習慣になってしまったほどだ。コミュニティの人とつながっていると一人で飲んでいても大勢で飲んでいるような気分になる。

県外の人と簡単につながることができるようになったのもありがたいことである。やり取りを重ねていくうちに全く縁もゆかりもない土地の人だったことに気づき、遠くに知り合いができたようでこれまた嬉しい。北海道、沖縄、はたまた海外の人とこんなに簡単につながれるなんて内向的な私にはまたとないツールである。対面だとどうしても警戒してしまうところがあるからね(笑)

子供の頃は近所の人や、学校の子達などコミュニティは狭くて限定的なものだったけど、SNSを始めてコミュニティの幅が広まったとともに自分の考えや価値観が前より格段に広くなった気がする。昔のコミュニティはまさに井の中の蛙状態だった。私はこれがものすごく窮屈でしかたなかった。窮屈さを感じていたところにSNSが誕生して私を解放してくれた!SNSがなければ私はいったいどうなっていただろう?

外交的な人は「もっと生身の人と交流しろ!」というかもしれないけど、私にはSNSで交流してたまに友人と会うくらいの距離感が一番心地よい。親しい人でも丸1日一緒にいるのでは心も体も疲弊してしまうのだ。SNSなら自分の好きな時に好きなだけ交流ができる。疲れたりしんどくなってきたらいつでも離脱が可能である。内向的な私にはこのスタイルがベストのような気がする。

これから年を重ねるにつれて、SNSの利用法や付き合い方が変わっていくかもしれないけど、SNSは死ぬまで一生利用していきたいと今のところは考えている。私にとってSNSは「真の自分を表現してくれるもの」だから。SNSの助けを借りて、不器用な私でも毎日を楽しく有意義に生きていきたいと切に願っている。

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