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たうってどういう意味?広島県民がよく使う広島弁5選(サンプル記事)

はじめまして。Webライターのあだちゆりなです。
こちらの記事は、ポートフォリオにサンプル記事として掲載しています。
ポートフォリオのリンクからいらっしゃった方も、そうでない方も最後までご覧いただけると光栄です。


「今、なんしょーるん?」
「あれ、たわんけぇ、取ってや」

こちらは広島県で使われている広島弁の一例です。
「女性が使うとかわいい」「怖い」という両極端な印象のある広島弁。
広島県民にとっては聞きなれた言葉でも、他県出身の人からすると「一体どういう意味だろう?」と感じることもあるでしょう。

こちらの記事では、広島弁の特徴よく使われている広島弁について、例文もあわせて紹介していきます。

広島弁に興味がある人や、進学や転勤で広島に引っ越してきた人はぜひ参考にしてくださいね。


広島県の方言 広島弁とは?

広島県で使われる方言は、西部で使われている「安芸弁」と、東部で使われている「備後弁」の2種類に分類されています。

それぞれについて詳しく解説していきましょう。


安芸弁

広島県の西側、広島市や呉市などで多く使われている方言が安芸弁です。
テレビやラジオなどでよく耳にする、いわゆる広島弁と呼ばれている方言は、基本的には安芸弁のことを指しています。

安芸弁を使う広島県西部は山口県と隣接しているため、山口弁の語尾「~しちょる」を使う地域もあります。

お笑いコンビ・アンガールズのおふたりや、シンガーソングライター・奥田民生さんが、テレビやラジオなどで話しているのが安芸弁です。


備後弁

広島県の東側、尾道市や福山市などで多く使われている方言を備後弁と呼びます。福山弁と呼ばれることも多いです。

備後弁を使う広島県東部は岡山県と隣接しているため、備後弁は安芸弁より岡山県の方言に近いという特徴があります。

お笑いコンビ・千鳥のおふたりは岡山県出身なので、備後弁に近い方言を使って話していますよ。



広島弁の特徴

広島県で使われている広島弁の特徴についてまとめました。

  • 語尾が独特

  • 語頭が独特

  • 3文字以上の単語は真ん中にアクセントがつく

  • 男性と女性で使う言葉が異なる


語尾が独特

広島弁は、語尾が独特だという特徴があります。

独特な語尾
・~じゃけぇ、~じゃけん(~だから)
・~けぇ、~けん(~から)
・~がんす(~でございます)
・~んよ、~のぉ(~よ、~ね)
・~とる(~ている)
・~しんさい、しんちゃい(~しなさい。命令形だけど優しいニュアンス)
・~せぇ(~しなさい。)

使用例
「明日早いんじゃけぇ、もう寝んちゃいよ」(明日早いんだから、もう寝なさいよ)
「じゃけぇ言うたのに……」(だから言ったのに)

標準語の語尾は、「~だ」「~です」「~ます」などが一般的です。比較すると、広島弁の語尾は種類も多く独特であることが分かります。


語頭が独特

広島弁は、言葉の最初につく語頭も独特です。

独特な語頭
・ぶち、ぶり、ばり、ばち(とても)
・たちまち(とりあえず)

使用例
「ぶち暑いね」(とても暑いね)
「たちまち、ビールください!」(とりあえず、ビールください!)

広島弁ではこのように使用します。夏になると本当によく聞くフレーズです。


3文字以上の単語は真ん中にアクセントがつく

広島弁は単語につくアクセントが標準語とは異なります。
3文字以上の単語は真ん中にアクセントがつくことが多いのが特徴的です。


・緑→み
・産毛→う
・甘酒→あまざ
・ゆみこ→ゆ
・たけし→た


男性と女性で使う言葉が異なる

広島弁は男性と女性で使う言葉が異なるという特徴があります。

例えば広島弁では、男性の一人称は「わし」、女性の一人称は「うち」が使われています。さらに、男性は語尾に「~の(のぉ)」を使うことがありますが、女性はあまり使いません。

若者の間では「わし」「~の(のぉ)」はあまり聞かなくなっています。
50代60代の方やご年配の方などが使っていることが多いです。

使用例
「わしは今からカープを見にゃいけん」(僕は今からカープを見ないといけない)
「じゃあの」(じゃあね)



広島県民がよく使う広島弁!例文も紹介

広島県民がよく使っている広島弁を5つ例文とあわせて紹介します。

  1. じゃけぇ(じゃけん)

  2. たう・たわん

  3. たいぎい

  4. しんさい(しんちゃい)

  5. あおじ


じゃけぇ(じゃけん)

使用例
「今日は雨じゃけぇカープの試合が中止になったんよ」
(今日は雨だからカープの試合が中止になったよ)

広島弁といえば「じゃけぇ(じゃけん)」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
じゃけぇは「だから」という意味の広島弁で、老若男女問わず使われています。語尾だけではなく、語頭につく場合も多いです。

語頭の場合は、「じゃけぇ傘持って行きんちゃいって言ったのに……」のように使います。


たう・たわん

使用例
「ちょっとたうかやってみて」(ちょっと届くかやってみて)
「背が低くて、たわんかった」(背が低くて、届かなかった)

広島県民からすると、これって方言だったの!?と思うレベルで使用頻度が高いのが「たう」「たわん」です。
「たう」は届く、「たわん」は届かないという意味で使います。

2012年に広島のアンテナショップ「TAU」が東京にオープンしたことで、「たう」という言葉は年代問わず多くの人が知っている広島弁になったといっても過言ではないでしょう。


たいぎい

使用例
「朝から学校行くのたいぎいわ~」(朝から学校行くのめんどくさいわ)

広島弁の中でも、若者が使っているイメージがあるのが「たいぎい」です。「めんどくさい」「だるい」などネガティブな気持ちを表すときに使います。

体調が悪いときも「たいぎい」、何かをしたくないときにも「たいぎい」。
恥ずかしいとき、照れたときなどの誤魔化しにも「たいぎい」。

ネガティブな気持ちのはずですが、どこか柔らかい雰囲気で使える万能な広島弁です。


しんさい(しんちゃい)

使用例
「そうしんさい」(そうしなさい)
「早く帰ってきんちゃいよ」(早く帰ってきなさいよ)
「無理しんちゃんなよ」(無理したらダメよ)

子どもに何か注意するときや、友達同士での会話など、さまざまな場面で使われるのが「~しんさい」「~しんちゃい」という表現です。

「~しなさい」という意味ですが、「~したらどう?」のように優しくお願いするニュアンスで使われています。

「動詞+んさい(んちゃい)」という形で使用できるので、「行きんさい」「きんちゃい」「やりんさい」「歌いんさい」など使い方はさまざまです。

また、「~したらダメ」という意味の「~しんさんな」「~しんちゃんな」もよく使われています。


あおじ

使用例
「痛いなぁと思ったら、あおじになっとった」
(痛いなぁと思ったら、青あざになっていた)

転んだり、体をぶつけたりしたときにできる青い内出血(青あざ)のことを、広島弁ではあおじと呼びます。

標準語では「青あざ・青たん」が一般的ですが、地域により呼び方が異なり、さまざまな呼び方があります。
広島県ではほとんどの人があおじと呼んでおり、広島弁だと思っていない人も多い単語です。



まとめ

広島弁の特徴や例文を紹介しましたが、いかがでしたか?

はじめて広島弁を聞くと、「どういう意味か分からない」「怒られた気がする……」と感じてしまうこともあるようです。
実際に少しキツく感じるような言葉もありますが、そこも広島弁の良さだともいえるでしょう。

広島弁に興味を持った人は、ぜひ現地で本物の広島弁に触れてみてくださいね。