Wolfenstein: Enemy Territoryリリース直後のゲームバランスが酷くて絶望した結果、いい感じのサーバーをつくるに至った話

どうも、ClanYrおよびおっさんずVALOのOFFです。
今回は2003年にリリースされた大人気FPS "Wolfenstein: Enemy Territory"についての昔話です。

Wolfenstein: Enemy Territory(以下W:ET)の前作であるReturn to Castle Wolfenstein(以下RtCW)が私のマルチプレイFPSの原点なのですが、このRtCWが非常に面白くて。
思い出補正も入っていると思うんですが、最高のバランスで成り立っていた非常に素晴らしいFPSでした。
今でこそFPSと言えばマルチプレイがメインで、シングルプレイはオマケ的な側面ですが、当時は回線状況もそれほど良くなかったので、まるっきり逆だったのです。
シングルプレイがメインで、マルチはオマケ。
なので、シングルプレイのゲームバランスのままマルチプレイをさせるもんだから武器の強さであったり、キャラクターの硬さであったりが非常に雑。
正直バランスがよろしくない。
マルチの面白さってバランスが命だと思うんですが、余裕で命損なった状態でリリースされていました。特にデスマッチではなくチームプレイをやらせるようなFPSは。

そういう背景もあってMOD文化が発展し、CounterStrikeが生まれ、TeamFortressClassicが生まれ、、という具合なんです。

さて、それで件のRtCWはどうか?
というお話なんですが、マルチプレイはマルチプレイ用にキッチリ調整された状態でリリースされた当時としては非常に珍しいFPSでして、前述の通り非常に面白い。最高に面白い。バランスという命がある状態でリリースされた稀有なFPSでありました。
当時の私はこのゲームに傾倒し、心酔し、本当に寝る間も惜しんで野良鯖で遊び、クラン戦で遊び、遊び倒していたのです。

そして、その大好きな愛していたRtCWの続編がリリースされると聞いた時は凄まじいテンションの上りっぷりだったのは今でも憶えています。
追加される新しい要素とクラス、それに乗り物だってあるらしい。
COというクラスは変装まで出来るらしい!凄い!戦術の幅が広がる!
OBJ破壊以外に仕事が無かったENGにライフルグレネードという新装備が!

えっ!?!しかも無料なの?!
マルチ限定とはいえ無料ってヤバくない?
Quake3エンジンのゲームが無料ってエグイ!!!

そんな期待と夢で胸いっぱいの状態でリリースされたW:ET

これが…



酷くて。
RtCWで良かった所を全部綺麗に擦り潰して、爽快間の欠片もない酷いゲームに成り下がっていたんです(当時の感想)。
何がどう酷かったか具体的に書き始めるとこのnoteを書き上げるのに3ヶ月くらいかかってしまいそうなので割愛しますが、本当に糞だったんです。
マップも糞。
武器のバランスも糞。
クラスのバランスも糞。
畜生ですか!RtCWの皮を被ったクソゲーですか!

ほなRtCWでええやん。
RtCWやろか。

という流れでRtCWに出戻っていったんです。

が、当然そこで人口の分散が発生します。
ただでさえ少ないRtCW人口がW:ETに食われていくという現象が発生してしまったのです。
ゴールデンタイムでも、いつもの野良鯖に人が集まらない状態が続いてしまいます。
そうなると危機感ですよね。
どないしよ。。と
どうしたらRtCWに人が戻ってきてくれるか考えるわけです。
高専のクラスメイトで、同じ大学に進学した、同じクランに所属する盟友XelFiN君とも夜な夜な会議ですよ。
RtCWにどうやったら人が戻ってくるかサミットが豊橋のサイゼリヤで開催されていたわけです当時。
ただ、答えなんて出ません。
だってRtCWは有料の旧作品。
W:ETは無料の新作。
そりゃ皆W:ETやりますわ。
RtCWの人も、野良鯖に人が居ないからW:ETやりますわ。

そして、ついに私とXelFiN君のサイゼリヤ豊橋店サミットの話がシフトします。
RtCWに人を戻すのではなく、W:ETをRtCWに近づけるためにはどうしたら良いかという話に。

W:ETの悪い所を抽出して、
如何にして我々の求めるFPSに近づけていくか、豊橋サイゼリヤ式カイゼン作業を進めていきます。
例えば、RtCWとW:ETの大きな差分として
メイン武器であるSMGのFireレートが大きく違うのです。
W:ETの方が遅いんですね。
ほなMODで調整できるらしいしRtCWと同じFireレートにしてみよか
とか。
で、実際試してみて
いや、Fireレート同じにしてもアカンな。ほなどうしよか。

というような感じで試行錯誤を進めていきます。
あ、私は口を出すだけで主だった作業は基本XelFiN君がやります。

新しい武器(ライフルグレネード、モーター、MMG42)もちゃんと活かしてあげたいし、パンツァーファウストの範囲も狭くなっちゃったけど、いい感じのバランスにしてあげたい。
クラスごとの人数制限は必須だろうし、守り有利すぎるデフォルトマップのリストラは絶対にやった方が良い。むしろ使えるデフォルトマップってあるんか?
レベルアップシステムはどうする?アキンボはロマンではあるけど、レベルありきのゲームバランスなんて糞食らえだから出来るだけマイルドに。
野良鯖だから途中から入ってレベル差で萎えて落ちるなんて論外だし。

そんな感じの議論が交わされ、XelFiN君がW:ETの新しい野良鯖をオープンさせます。
その名もRaspberry Time Bonus(通称RTB)
最大の特徴は、W:ETで最悪の時間といっても過言ではない
「守りが強すぎて20分守りきりで終わる」
これを抑止したタイムボーナスシステムの導入にあります。
特にデフォルトマップは攻め不利守り有利すぎて、攻め(allies)が延々と初期リスポーン地点でリスキルされ続ける地獄の20分間を極力発生しないようにしたシステムです。
初期の時間は5分と短めの時間に設定しておき、そこから中間オブジェクトたとえばリスポーン地点の旗を取る、中間の爆破オブジェクトを爆破する等を達成したときに時間を+2分とか+5分とか追加して、最終的には適正時間+αくらいの時間で終わるというシステムです。
戦力が拮抗している場合は最終オブジェクトの所まで長く遊べますし、
偏りがある場合は長くても5分で終わるという。
非常によく考えられたシステムでした。XelFiN君えらい。
そして1マップが終了したらいい感じでシャッフル(たしかフラグ順)。
そんな感じのサーバーを建てました。

クラスの人数は制限されているし、キル数はどうしても少なくなってしまうので、最初は受け入れられなかったんです(サーバーに中々人が集まらない)。でも、クランメンバーにサクラをお願いして無理矢理動員したり、なんか口コミでうまい事広まっていったりして、徐々に定着していき、最終的にはゴールデンタイムにはサーバーは満員御礼が当たり前の状態に。
むしろ人気サーバーだから待ちが発生するレベルに。

好みのゲームじゃないなら、好みのゲームに改造したら良いじゃない
なんてことが出来たんですよね、昔のFPSは。

以上、Wolfenstein: Enemy Territoryリリース直後のバランスが酷くて絶望。どうにか出来ないかとクラスメイトと議論した結果、良い感じの野良鯖(Raspberry Time Bonus)をつくるに至った話でした。

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