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夏休みの自由研究:サツガイ=サンの口調の特ちょうについて

!※!
ニンジャスレイヤー最新話あたりまでのネタバレがあります。

夏休みの宿題
■■小学校 ■■年■組
八上 理りゅう

調べたきっかけ

ふだんから小説「ニンジャスレイヤー」をよく読んでいます。その登場人物の中でも特にサツガイ=サンに興味があって、特に悪気はなさそうなのに人類にとってかなり迷わくな所と、無せき任でのんきな口調の組み合わせがすごく好きだなあと思っています。サツガイ=サンの口調には明らかに特ちょうがある気がするし、途中でかなり特ちょうが変わっている気もしていて、でも、具体的にどこが特ちょうでどこが変わっているのかがふつうに読んでいるだけだと分かりにくいので、サツガイ=サンのしゃべり方のくせがどのように変わっていったのかを調べました。

仮説

サツガイ=サンの出てくるシーンを読んだ時に感じた特ちょうは、

・笑い方は「BWAHAHA!」と「MWAHAHA!」の2種類
・「知らない」という意味の台詞が多い
・ほとんど同じ意味の文や動きを何回かくり返すことが多い
・シーズン1では昔の人のような言い回しが多い
・シーズン2からは台詞の終わりに「?」がつくことが多い
・シーズン2からは首をかしげる動きが多い
・シーズン2からはやわらかい語尾をつける(例:「だ」→「だよ」)ことが多い

ということです。ただ、動きについて調べるのは台詞だけ調べるよりはるかに大変だったので、今回の宿題では、台詞だけについて、読んでいて感じた特ちょうが本当にそうなのかを調べました。

調べ方

1. まず、サツガイ=サンの台詞を1文ずつ全部googleスプレッドシートに書いて数を数えました。語尾について調べたかったので、かぎかっこ1つずつではなく1文ずつにしました。

文章の区切りは、
・かぎかっこの末尾の言い切り [」]
・句点 [。]
・びっくりマーク [!]
・クエスチョンマーク [?]
・三点リーダ […]
の5種類を文の終わりということにして区切りました。

ただ、「 ヤ!ラ!レ!タ……!」だけは「!」で区切らずに、全部で1文ということにして数えました。

あと、サツガイ=サンを乗っ取った直後のブラスハート=サンがしゃべっているような台詞と、ナラクがねつ造していたマスラダ=サンの記おくの中での台詞は、げん密にはサツガイ=サンではないので外しました。

あと、アナイアレイター=サンの台詞として扱われているけど全然そう見えない台詞は、サツガイ=サンの台詞としてカウントしました。

あと、「イヤーッ!」「グワーッ!」「アバーッ!」「AAAAGH……!」なども、どちらかと言えば台詞と言うよりは声なので外しました。

2. 次に、笑い声の種類と文末の種類を調べました。笑い声は頭文字のアルファベットごとに分けて数えました。文末は、かぎかっこの末尾で終わる文と句点で終わる文を同じということにして、
・言い切り
・びっくりマーク
・クエスチョンマーク
・三点リーダ
の4種類に分けて数えました。

ただ、笑い声はほとんど「!」で終わるので、文末を数えるときは外しました。

3. その後、
・「知らない」という意味の台詞
・意味が近い台詞のくり返し
・昔の人のような言い回し
・語尾をやわらかくしている台詞
の数を調べました。

「知らない」という意味の台詞としては、「知らない」とか以外にも、「まあいい」とかの、分からないことを分からないまま放ったらかす意味の台詞を数えました。くり返しについては、n回同じことを言っている時にはn-1回くり返しが発生したということにして数えました。昔の人のような言い回しについては、Weblio古語辞典(べんりでした。作っている人ありがとうございます。)で調べたときに、サツガイ=サンの台詞と同じ使い方の品詞が出てきたものだけを数えました。

あと、語尾をやわらかくしている台詞については、なくても文章の意味が全く変わらない終助詞(「ね」とか)が付いている文章を数えました。「のに」とかの、文の意味に関わる終助詞は数えませんでした。

使ったスプレッドシートはこんな感じになりました。だいたい関数でやりましたが、自分で打った方が早そうな部分は自分で打ちました。あと小学生なので、IF関数の使い方がとても汚いです。もうちょっといい関数の使い方を勉強したいなあと思いました。

結果

1. まず、サツガイ=サンの台詞は全部で501文(総文数)あって、そのうちイヤグワを外した台詞の数(実文数)は422文でした。また、イヤグワと笑い声以外の台詞の数は367文ありました。セト=サンちに遊びに行って派手にピラミッドの玄関を開けた時の「イヤーッ!」1回をのぞいて、イヤグワは全部だれかに攻げきされて以降に発しているので、サツガイ=サンは自分からはカラテしたくないほうなんだなあと思いました。「アルター……」以外ではほとんど戦とうに関わっていないのが、総文数と実文数の差に出ていると思いました。

文の数

2. 次に、笑い声の種類についてです。笑い声の種類は「BWAHAHA!」と「MWAHAHA!」以外に、「GWAHAHA!」と笑っている場合や、ただ単に「HAHAHA!」と笑っている時もありました。気付いていなかったので、びっくりしました。

笑い方 (2)

笑い方は、シーズン1とシーズン2では「BWAHAHA!」が一番多くて、「MWAHAHA!」がその半分くらい、ほかの2種類はまれに出てくるだけでした。シーズン3でだけは「MWAHAHA!」が一番多くなっていました。あと、例外だったのでこのデータには入ってないですが、「アルター……」のセクション10で、ナラクがねつ造したマスラダ=サンの記おくの中に「GWAHAHA!」が1回だけ出てきました。昔は無かったのに最近はたまにこの笑い方が出るようになってて、しかもげん密には本人の台詞じゃない所でも出てるので、サツガイ=サンの性格が最近ごう快になったというよりは、台詞を書いてる人の手くせがこなれてきた結果なのかなあと思いました。

あと、文末のわり合は、下のグラフのようになりました。

文末

意外と「?」が飛びぬけて多いわけではなかったです。ただ、はじめに立てた仮説の通り、シーズン1よりもシーズン2からの「?」のわり合の方が多かったです。サツガイ=サンはシーズン1の最後で受肉しているので、そこから変わった部分が多いかなあと思っていましたが、やっぱりそうでした。

ただ不思議と、シーズン3の「カレイドスコープ・オブ・ケオス」に出てきたサツガイ=サンらしき影は、もうブラスハート=サンからははなれているのに「!」より「?」の方が多い受肉後寄りのしゃべり方をしていました。単に書いてる人がこなれてきたのか、それともシーズン2からの新しい台詞回しの方がいい感じだったから今後はこれで行くのか、またはだれに受肉しても口調が変わらないのか(アナイアレイター=サンに受肉していた扱いなのか)はよく分かりませんでした。

特に、シーズン2前半の落ち着いて長話できるかん境では「?」が多いです。「!」も使いどころが多くてたくさん出てくるイメージだったので、全体を通しても「!」より「?」の方が多いのにはびっくりしました。

3. 最後に、言い回しの特ちょうについてです。数をまとめると下のグラフのようになりました。

特徴 (1)

くり返しとやわらかい語尾がシーズン2からとても増えています。ただこれだけだと、シーズンごとの台詞の数に対してどれくらいのわり合でくせが出ているのか分からないので、全体の台詞の数でわってわり合を出しました。ただし、

たとえば上にはったみたいな感じの台詞だと、サツガイ=サンは1文の中で同じことを3回言っていて、くり返しの数は2回(n回同じことを言った場合n-1回のくり返し発生としてカウント)なので、文の数でわるのはちょっと正しくないですが、この宿題では細かい所は気にせずにそのままわりました。わったら下のグラフのようになりました。

特徴(哄笑除文数との比)

「知らない」という台詞のわり合がシーズン1で一番多かったのでびっくりしました。古い言い方については思った通りでしたが、サツガイ=サンの場合、くだけたしゃべり方をしている時でもふざけて古い言い回しを使ったりするので、ひとくくりにしづらいことが分かりました。あと、くり返しとやわらかい語尾は全部の台詞の15%以上に入っていることが分かり、多いなあと思いましたが、他のキャラがどうなのか調べないと多いとか少ないとかは言えないことに気づいて、表計算は難しいなあと思いました。

まとめ

はじめに立てた仮説が合っていたかどうか確認すると、下のようになりました。

・笑い方は「BWAHAHA!」と「MWAHAHA!」の2種類
 →✕:4種類ある(ほか2種類はかなり少ない)

・「知らない」という意味の台詞が多い
 →△:何度も出てくるけど他のキャラと比べないと「多い」とはっきり言い切れない、他の特ちょうと違ってシーズン1で特に多いことが分かった

・ほとんど同じ意味の文や動きを何回かくり返すことが多い
 →△:上と同じ理由

・シーズン1では昔の人のような言い回しが多い
 →〇:ただしシーズン2からもたまに古い言い方をする

・シーズン2からは台詞の終わりに「?」がつくことが多い
 →〇:細かく言うと受肉後から

・シーズン2からはやわらかい語尾をつけることが多い
 →〇:かなり当てはまる

いろんなことが分かりました。ちなみに△をつけた所についていとこに相談したら、「他のキャラの台詞拾ってコントロール群作ってp値出して5パーの神に祈れ」と言っていましたが、小学生なのでよく分かりませんでした。あと、ながめるのが楽しいサツガイ=サンの台詞でさえ集めるのはかなり疲れたので、サツガイ=サン以外のキャラの台詞を全部集めるのは気もち的に無理だと思いました。

最後に、この宿題を通して、サツガイ=サンの口調がどのようにしてあのどく特な感じになっているのかがちょっと分かり、とてもためになりました。あと、最近の本ぺんはサツガイ=サンがいつ出てきてもおかしくないというか、ステージのはしに砂色の服がちらちら見えかくれして気になって仕方がないくらいの状きょうが続いているので、ニンジャスレイヤーの世界にはとても悪いと思うものの、今後もっとたくさんサツガイ=サンの台詞が読めたらうれしいなあと思いました。

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