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早川北小学校を訪問させていただきました

 2020年9月18日に早川北小学校を訪問させていただきました。小林教頭先生のご案内で早川北小の校舎内の見学をさせていただき、校長の丹沢先生にお話を伺うことができました。
 これらの見聞をもとに、以下では早川北小学校の施設や小学校でおこなわれている活動、早川町に位置しているからこその特徴的な取り組みについて紹介していきます。(担当:萩原)

概要

 町内に2つある小学校の1つである早川町立早川北小学校は、2020年9月現在、全校生徒12世帯17名が在校しています。3世帯5名が地元の方で、9世帯12名が早川町外から来た方という割合となっていて、移住者・山村留学者を多く受け入れている学校です。
 通学手段は主にスクールバスで、学区内の一番南の集落から登るバスが1台と、町内最北端に位置する集落から降るバスが1台走っています。山村留学用の住宅から通う2名の児童は徒歩で通学しています。

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施設・クラス

 小学校の設備はたいへん充実しています。階段を上った2階には普段授業を受ける教室があって、壁がない開放型の教室となっています。廊下を挟んだ向かい側には、図書室やプレゼンテーション教室があります。プレゼンテーション教室は、プレゼンテーションの学習や、英語の授業を受けるのに使用されているようです。また、開放型の教室とプレゼンテーション教室の間には、自習スペースや小グループで話し合いができるスペースが設けられています。
 1階には職員室や保健室、和室があったり、家庭科室や音楽の授業を受けるスペース、そしてランチルームもあります。ランチルームでは、全校児童が集まって全学年が同じ空間で給食を食べるそうです。そして体育館は、後述する民話劇の上演のため舞台が低くつくられているなどの工夫がされているそうです。室内プールも設置されています。
 早川北小では、各学年独立して授業ができるように、県で採用している教員のほかに町で採用している教員2名が追加で配属されています。実技教科は複式でおこなっていて、それ以外の教科は各学年独立して授業をおこなっています。

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特徴的な2つの活動と朝の活動

 早川北小では、主に2つの特徴的な活動がおこなわれています。
 1つ目は、地域を題材にした民話劇です。この民話劇は、子供たち主体で物語をつくるところからおこないます。通常は学校外に出て地域の方に取材をおこない、地域で長く続いていた伝統行事などをお話しいただいています。そして、6月から7月にかけて6年生の児童と教員が中心となって大まかなあらすじをつくって、4つ程度の部分に分けます。それらの部分を3年生から6年生まで縦割りでつくったグループで肉付けをしたり登場人物を付け加えたりしながら物語を作ります。最後にひとつの物語にまとめて7月中旬ごろに完成し、そこから実際に配役を決めて台詞の読み合わせをします。夏休み中に自分の台詞を憶えてきて、夏休み明けには台本を見ないで練習して、例年10月におこなわれる「わらべどんぐり祭り」での発表につなげていきます。
 2つ目はBEANSです。BEANSとは”BEcome A Natural Scientists”の略です。自然科学者になろうという名目でおこなう3年生以上の取り組みで、自然科学の専門のスタッフがいる野鳥公園と提携して取り組んでいる活動です。野鳥公園の中に生息している鳥や獣などの生物を月に一回子供たちが観察していき、最終的には学校に地域の方を招いて、2月頃に子供たちが自分の研究成果を発表する場が設けられます。
 通常は、まず5月の終わりにオリエンテーションをして、そのなかで子供自身が今年は何をするか考えます。4年生以上は前年度の研究を引き継いで研究テーマを設定します。テーマを設定した後、月一回で野鳥公園の方に野外観察に行きます。その時に、鳥や獣、植物などそれぞれのテーマごとに野鳥公園のスタッフがつき、子供達はスタッフに教えてもらいながら一緒に観察を続けてデータをとり、学校に戻ってきたらデータとしてまとめて蓄積していきます。そして12月頃から研究のまとめと研究レポートを作成し、完成させて2月に発表するという流れになっています。
 このほかにも、登校後に15分間で朝の活動をおこなっています。活動は曜日や時期ごとに異なっていて、例えば身体づくりということで体操を練習したり、新聞を使って勉強したことを発表するNIEという活動など、児童が様々なことに取り組んでいます。
 これらの活動に対して校長の丹沢先生は、民話劇の活動を通じて、地域に目を向けることや、子供自身が作り上げて発表することができていて、教育的な活動という面で非常に良い取り組みとなっていると話してくださいました。また、BEANSについても、最終的には人前で発表するということが良い勉強になっていたり、観察やレポートづくりを専門のスタッフに見てもらいながらやれることは学校だけではなかなかできないため、科学的なアプローチという面での学びも多くなっていると語ってくださいました。

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おわりに

 以上のことから、早川北小は教育のための設備が工夫されていて、子供達がのびのびと勉強できる環境が整っていると感じました。また、民話劇やBEANSといった取り組みを通して、古き歴史を学んだり自然と触れ合うということをおこない、それを地域内で取り組むという点で、早川北小の教育は地域とのかかわりも大事にされているのだと思いました。これらの特徴的な施設や活動が、子供達の能力を伸ばす手助けとなっていると私は考えました。





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