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山村の子どもたちのくらし

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2021年度の2年生ゼミでは山梨県早川町における子どもたちの暮らしをテーマとして調査プロジェクトを実施します。このマガジンにはゼミ活動を通じて学生が書いた記事を掲載します。
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2022年3月の記事一覧

早川町の自然教育 “BEANS”

はじめに 前回の記事では、早川町の自然環境とその活用について述べてみた。本記事では、前回記事でも取り上げた自然教育“BEANS”について、主に南アルプス生態邑所長大西信正さん、早川町立早川北小学校卒業生・在校生の方へのインタビューをもとに、詳しく述べていきたい。 1. 南アルプス生態邑×早川北小学校=“BEANS”「日本一人口の少ない町」早川町に、早川町立早川北小学校という、全校児童20名に満たない小さな学校がある。そんな早川北小学校で、豊かな自然環境と少人数という特徴を活

早川町の自然環境とその活用

はじめに 山梨県南西部に位置する早川町は、南アルプスの自然とそれによって育まれてきた文化の息づく町である。そんな早川町に住む“早川の子どもたち”を全体のテーマとした今年度ゼミでは、これまで日本上流文化圏研究所・南アルプス生態邑の職員さんや町内の子どもたちへのインタビュー、早川子どもクラブのイベント参加などの調査を重ねてきた。  個人テーマを“早川町における自然教育”としてゼミ活動に参加してきた私は、調査を通して、早川町を囲む豊かな自然とそれを活用する人々の営みについてより詳し

早川町の子供たちの学校生活

1. はじめに  早川町には早川北小学校、早川南小学校の二つの小学校と早川中学校の三つの学校があります。子どもたちは主にスクールバスを利用して通学しています。  今年度のゼミの活動では早川子どもクラブの手伝いをさせてもらったり、早川の学校に通っている子供たちへのインタビューを行ったりしました。  早川の学校は、どの学校も複式学級を解消した学年ごとの少人数学級による教育や、早川という環境を活かした教育が特徴的です。この記事では、子供たちへのインタビューを元に、早川の学校生活に

早川町での子供たちの暮らし

はじめに 私たち箕浦ゼミは、前期の授業と夏休みを通して早川町について調べてきました。具体的には、早川町に住み早川子どもクラブの運営に携わってきた上原さんや、早川町の自然に詳しい大西さんにオンラインでインタビューを行いました。また、実際に早川町を訪ね、散策を行ったり、早川子どもクラブの活動を手伝いながら早川町で暮らす子供たちの様子を観察しました。後期も前期に引き続きインタビューを行いながら早川町についてさらに調査を行いました。この記事では特に小中学生のインタビューをもとに書いて

早川子どもクラブについて

はじめに 早川子どもクラブは早川町内の小中学生たちが参加している活動プログラムです。月に1~2回、野外活動や自由遊びなどの活動を休日に実施しています。私はこのクラブを運営している日本上流文化圏研究所の上原さんにインタビューをさせていただきました。また、活動にも参加をさせていただきました。この記事では、お聞きしたお話と活動への参加体験に基づいて、早川子どもクラブについて書いていきます。 1. 早川子どもクラブの考え方について  早川子どもクラブは、早川町教育員会から委託を受