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郷土料理のブランディングに取り組んでいます

この記事に興味を持っていただきありがとうございます。
拓殖大学徳永ゼミナールの安藤智博です。

私たちは「地方創生の新しいカタチづくり」というテーマのもと、まちづくり活動を展開してまいりました。現在は縁あって山梨県富士川町という地域で、町の人々と協力して町を盛り上げる活動をしています。この度「地方と東京圏の大学生対流促進事業」に認定をしていただき、山梨県立大学杉山ゼミナールと連携して郷土料理ブランディングのプロジェクトを立ち上げて活動を行なっています。

私たちのキャンパスは西東京である八王子に位置しており、地理的に山梨県で活動しやすい環境にあります。発足して3年目ということで、まだまだ月日の浅い研究室ではありますが、少しだけ私たちの活動のご紹介と、まちづくりへの思いを綴りたいと思います。

富士川町との出会いは4年前に遡ります。JTB主催の学生まちづくりコンテストに応募して、山梨ステージである富士川町に足を運んだことを皮切りに、私たちの活動は始まりました。1年目は、町の潜在的に抱える課題を理解するための土壌作りの年だったと言えます。町民にヒアリングを重ね、町役場でのインターンシップを通して、町の人々と交流を重ねました。見えてきた課題はどれも地域特有のものであり、よそ者としてできるだけ客観的に課題を見つめたうえで町に提案しました。

地域住民の憩いの場、道の駅ふじかわで住人や町役場の意見を聞いたところ、郷土料理「みみ」を使った地域ブランディング化構想の実現可能性が高まり、実際にチームを作ってプロジェクトとして始動することになりました。

みみは、農耕用具である「み」に似せて作られたと言われており、富士川町では人々が集まる時期に食べられてきた縁起の良い郷土料理です。

しかし、そのみみを食べる文化が少しずつ薄れてきています。そこで、このみみの抱える問題を分析してみたところ、2つの課題が浮き彫りになってきました。

・みみを食べる場所が少ない
・みみを知る機会が少ない

私たちはまず、みみを食べる場所を増やすために町の商工会の方々にコンタクトを取り、飲食店に置いてもらえないか打診しています。また、その際にみみの導入を負担なく行えるように、その飲食店に合わせた味付けやレシピの開発を行ってきました。食生活改善委員会の方々や町役場の職員を招待して、スイーツ風味のしんげんみみや、中華風のたんたんみみ、和風のなめとろみみやゆずポンみみなどの試作を重ねてきました。今後は、実際にお店で取り扱ってもらえるように、費用計算や在庫管理などの課題に着手してお店の人たちと議論していきたいと考えています。

そして二つ目の課題でもあった、みみの存在を多くの人々に知ってもらうためにクラウドファンディングを実施しました。ダイヤモンド富士が見える冬至の時期に、みみを食べて体の芯から暖まってもらおうという試みです。県内外から多くの人々が集まる富士川町のダイヤモンド富士スポットで、みみの試食会を実施することで、ダイヤモンド富士という縁起の良い景色と、みみという縁起の良い郷土料理を知ってもらおうと考えました。結果は大成功。県内外30名以上の方々から、約9万円ものご支援をいただきました。実施した試食会でも30人以上の方にみみを配布し、高評価をいただきました。また、このプロジェクトに全面協力してくださり、コンテンツや文章など細かい面でのアドバイスをたくさん頂きました、山梨県立大学の杉山ゼミナールの皆さんにも感謝します。

今後の活動としては、この二つの課題の解決に向けてアプローチをし続けるとともに、もっとインターネットを使って人々にみみのことを知ってもらい、それをきっかけに富士川町にも興味を持っていただけるように活動を広げていきたいと考えています。地道な活動ではありますが、大学や町にも協力と支援をいただいているので頑張ります。これからも応援よろしくお願いいたします。


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