ムジカ

あなたが私の隣にいたとき
砂は一瞬で消えていた
誰もいない教室が
あなたと私の秘密の場所

私があなたをなぞる
あなたが私を食べる
赤い空が見てる
音の欠けたオルガンの蓋をバタンと閉じる

あの時は子どもだったね
誰かと比べてばかりで
私の世界から
あなたは消えた
跡形もなく忘れた

私はひとりになった
代わりのモノで補った
白い月が笑っている
ネジの外れた喉の奥が嘘をスラリと吐き出す


あなたは時々隣にいる
昔よりあなたが遠く感じる
私ではない誰かのために
あなたが歌うのを聴いてる

私があなたをなぞる
あなたが私を食べる
赤い空はここにもあって
音の欠けたオルガンの蓋をバタンと閉じる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?