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腎生検の結果を聞いた日

2021年12月4日

腎生検の結果を聞くため、家族が集められた。夫と母。
ナースステーションの裏側にある医師の部屋っぽいところで、40分にわたる壮大なお話を聞いた。
病名は、ループス腎炎。(型はⅢ+Ⅴ)
ループス腎炎というのは、全身性エリテマトーデス(SLE)という自己免疫性疾患からくる病気。暴走した免疫が自分を攻撃するのだが(全身のどこでもが攻撃対象なので全身性)、腎臓がその標的になってしまったものらしい。
全身性エリテマトーデス(SLE)とは、
・原因不明の
・20代〜40代の女性に多い
・国指定の難病。膠原病の一種。
・完治はせず、寛解と再燃を繰り返す病気
・日本に6万人〜10万人いると推定されている
一般的に出がちな症状は、関節痛や皮疹や蝶形紅斑(蝶の形に顔が赤くなる)だが、わたしには幸いにもそのいずれも出なかった。自覚症状がない。

で、わたしの腎臓はどうなっているのかというと、ネフローゼまでいかないものの尿タンパクが相当出ているとのこと。通常、タンパクは腎臓の糸球体で再吸収されて、尿にはまったく出ないのだが、わたしの暴走した自己免疫によって傷ついた腎臓は、簡単に言うと濾過のあみ目が広がり、粒の大きいタンパクも通してしまっているらしい。病気の種類に関係なく、尿タンパクが出ていること自体が腎臓の機能を落としてしまうので、放っておいていいものではなく、腎臓の機能を守るためにも今すぐ治療をしましょう、とのお話だった。

さらに、尿中にタンパクが漏れ出ていると、腎臓が傷つくだけでなく、血液中のタンパク質の量(※)が減るため低栄養状態になるんですって。傷が治りにくくなったり、むくみが出たりするらしい。
※これをアルブミンというらしく、アルブミンが低いと「低アルブミン血症」というらしい。血液中にタンパク質が少ないって、いかにも筋肉がつきにくそうで嫌なので、わたしはその後このアルブミンという数値を一番に気にし出す。
 
そして、どのような治療をするのかというと、薬を飲むだけとのこと。
もっと注射されたり照射されたり管を入れられたり病院ならではのことをされるのかと思っていたので、肩透かしを食らったと言うか安心した。
1ヶ月ほどの入院になると言われ、薬を飲むだけなら入院している必要なくね?と思ったのだが、
メインの薬の名をプレドニゾロン(商品名プレドニン)(いわゆる副腎皮質ステロイド)といい、それの副作用がよりどりみどり。

▶︎易感染状態・・・免疫が自分を攻撃しているので、攻撃をやめさせるために免疫を低下させるのがこの薬。免疫が下がっているので、普通の人ならかからないようなバイキンでも簡単に肺炎になってしまう。
▶︎大腿骨頭壊死・・・足の付け根の骨がまれに壊死を起こすらしい。MRIを撮るとわかる。
▶︎鬱、躁、不眠・・・精神的症状が出ることがある。
▶︎骨粗鬆症・・・骨が脆くなりやすくなる。
▶︎ムーンフェイス(満月様顔貌)・・・顔が丸くなる。脂肪が異常沈着するらしい。マスク社会でよかった。
▶︎副腎不全・・・副腎皮質ステロイドというのは、人間が副腎という臓器で毎日2.5mg〜5mgくらい生成しているものらしく、それを薬で外部から摂取することで「体内に十分な量のステロイドがあるな」と判断し副腎が働かなくなるらしい。
▶︎胃潰瘍になりやすくなる・・・胃潰瘍が新しくできるというよりは、もともと小さい胃潰瘍があると治りにくくなるようだ。
▶︎などなど(多すぎ)

資料。11の副腎不全が一番こわいらしい

すごく感染しやすくなるので、多量に飲んでいる間は入院していないといけないらしい。全身性エリテマトーデスの死因は、感染症によるものが第1位らしい。(それ自体ではすぐ死ぬ病気ではない模様)

全身性エリテマトーデスを鎮めるためにプレドニゾロンを飲み、プレドニゾロンによる副作用を防ぐためにさらに薬を飲む。
肺炎予防の薬、カビが生えるのを防止する薬、胃薬、骨粗鬆症予防の薬、血液をサラサラにする薬、眠剤。
残念ながらムーンフェイスに対する薬はなかった。

医師「薬盛られてるなと思うかもしれませんが、副作用を抑えるためですので安心してください」

プレドニゾロンは最初こそ量は多いものの、だんだん減らしていくとのこと。減ると副作用もおさまるそう。
予定では、40mgを2週間、30mgを2週間、20mgに減らせたら退院。
退院は年、越しますね


まとめ

家族で医師の話を聞くというシチュエーションがこわかったが、がんばろうと思える内容でよかった!

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