自分の欲望を書き出してみる
ジェーン・スーさんと中野信子さんの本「女に生まれてモヤってる!」の中に、ジェーン・スーさんのこんな言葉がある。
自分の欲望をなめるな。
普段はひた隠しにしても、その炎が消えることはありません。隠せば隠すほど胸の奥でくすぶり、自由闊達に生きる人を恨めしく思い続ける燃料になってしまう。それはあまりにも悲しい。
まったくもって無責任なことを言いますが、欲望を口に出してみてはいかがでしょう。紙に書き出してみるのもいいかもしれません。すべてから自由になれたら、何がしたい?来年から2年間だけ違う場所で生活するとしたら、どこに住みたい?年齢や容姿に囚われなければ、どんな服が着てみたい?
私は自分の欲望を見つめてこなかった。だから今、ここにこっそり書き出してみようと思う。
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すべてから自由になれたら、何がしたい?
●家庭
・子どもを2、3人産んでゆとりのある広さの家で夫と一緒に賑やかに生活したい。
・毎日栄養のある美味しいごはんを食べてたっぷり眠りたい。
●仕事
・優しく尊敬できる人たちと仕事をして自分のお金を稼ぎたい。
・あらゆる年齢、国籍の人たちと仕事をしたい。
・自分の能力に自信を持ちながら働きたい。
・自分の仕事でメディアに取材されたい。
来年から2年間だけ違う場所で生活するとしたら、どこに住みたい?
東南アジアに住みたい。
気温が高くて、食べ物が美味しくて、若者が多い国がいい。国全体が急成長していく活気に溢れた場所で生活したい。
年齢や容姿に囚われなければ、どんな服が着てみたい?
身体に沿う女っぽいワンピースが着たい。
自分のシンボルになりそうなダイヤモンドのピアスを毎日つけたい。
仕事をするときは、クリスティーヌ・ラガルドのような知的でスマートなファッションがいい。
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「私の欲望の1日」
子どものはしゃぎ声で起きる。朝日が入って気持ちいい。夫がキッチンでコーヒーをいれている香りがする。
この国は常夏だが、暑すぎず寒すぎず一年中過ごしやすい気候が気に入っている。
朝食に市場で買った新鮮なフルーツを食べる。コーヒーを飲んで頭をすっきりさせてから、子どもたちと一緒にラジオ体操をする。夫と私と子どもの毎朝の習慣になっている。
コットンのTシャツにストレッチ素材のデニムに着替え、リネンのジャケットを羽織る。大切にしているダイヤモンドのピアスを両耳につけ、薄くメイクをする。といってもすぐに汗をかくから、リップぐらいしか必要ない。
家族揃って家を出る。子どもを学校まで送ったあと、夫と一緒に歩きながら次の家族旅行はどこに行こうか話す。私は湖の近くでキャンプがしてみたい。
オフィス街に着いた。夫と別れて自分のオフィスビルに向かう。
同僚と挨拶を交わしながら、自分のデスクにつく。ここは多国籍企業で英語以外の言語も飛び交う。賑やかで活気があってみんな仲が良い。さて今日も仕事がんばろう。
ランチタイム、ボスに誘われて食事に行く。「あなたの国の食事にしましょう」と言われ、天ぷらを食べに行く。ここのオフィス街には驚くほど美味しい日本食のレストランがいくつもある。
ボスから、「あなたの繊細で優しい眼差しが仕事に活かされている」と言われ嬉しくなる。ここでの仕事は緊張感はあるけれどとても楽しい。
ランチから戻って自分の仕事を片付ける。資料を作り、ミーティングに出席する。
夕方、ウェブメディアの取材を受ける。私が担当したプロジェクトが大きく成功したからだ。来月記事になったら一番に家族に見せよう。
18時に会社を出て子どもを迎えに行く。今日はなにをしたの、と話しながら家に着く。体に沿う赤色のワンピースに着替える。この国にいると、鮮やかな色を着たくなる。
夕食の支度をしていると夫が帰ってきた。今日はカレー。みんなで食卓を囲んでおしゃべりしながら食べる。煮込んだチキンがとろとろに柔らかくて美味しい。
食事のあと、子どもと一緒に日本にいる両親にテレビ電話をする。元気にやってるよと報告する。シャワーを浴びて、パジャマに着替える。
子どもが寝たあと夫と二人でベランダに出る。
今日はリンゴのお酒、シードルにする。瑞々しくて甘い香りが沁みる。お酒を飲みながら夜風に当たって今日あったことをおしゃべりをする。
夜、ベッドに入って日記に自分の気持ちを丁寧につづる。夫と子どもの寝顔を見ながら、ガーゼの柔らかな寝具に包まれて眠りにつく。
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これが私の欲望。
叶うかもしれないし、叶わないかもしれない。でも想像することは自由だ。
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