シャバは美しい所 初日
明治通り、此方の状況とは正反対に賑やかすぎる夜の原宿を横目に原宿警察署に到着。こんなポップな街のど真ん中に留置施設があるなんて知らなかった。
両手錠のまま車から降ろされ、中に誘導されるがその時点で察した。
今、自分は
人間 対 人間として扱われて無いなと
持ち物を全て没収された後、着ているものを女警察に全部脱いでと言われる始末。
身体にある小さい傷跡を見つけては一つ一つに
これは何の傷?と質問される。
終始真顔の女警察にこの胸はホンモノ?と聞かれる。
与沢翼が逮捕された時の事を話している中に”全裸にさせられてけつの穴まで見られた”という話を思い出したが、これは本当だった。
身体検査での一番の屈辱は、膣に何か隠していないかと全裸でスクワットを強制させられる行為。
レズっ気もM気質も無い私はまじで久し振りに心がしゅるしゅる…と荒んでいく瞬間を感じた。
私自身ピアスは開けていないが、ピアスを一つでもこの身体検査で見逃すと大問題になる。
ここから先地獄の入口な訳で、中では全てが嫌になって自殺を図ろうとする人も少なくないという。
口内にあったピアスを見逃して、檻の中でそれを使い自傷行為をした例が最近あったらしい。
映画の中の様な事が、ごく近くで起きている。
私の好きな映画には、捕まるような行動を起こす人物が必ずの確率で登場する。
身体検査を終えて、上下グレーのスエットに着替えた。そして裸足に茶色の便所サンダル、それもガムテープが貼ってあるものを履いた。
ビジュアルが底辺過ぎて逆にかっこいいみたいな事は
本当にある。頭の中に浮かんだのは当たり前にドブネズミをも肯定してくれるヒロトの声だった。
あぁ分かり易い歌詞と音楽は素晴らしいな、とこの時思い
私が映画そのものだと自覚した。