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お互い様の存在

野良猫キジトラ三毛猫のモネと日向ぼっこをした。
モネは私が勝手に付けた名前で、彼女はそれをおそらく認識していない。
隣ではチーと呼ばれているらしい。
チビだからチー。あるあるだな。

玄関ドア前に置いている野良猫用の餌箱にカリカリを入れていると
モネが遊びにきた。

私の周りをすりすりしながら歩き回ってた彼女。
朝日が当たる場所に移動して、ブロックに腰をおろした。
私は足を投げ出して座った。
ウロウロする彼女の尻尾の付け根やら首やら頭やらを撫で回していた。

その内彼女は、V字に投げ出した足の間に日差しを避けるように、私の膝あたりを背もたれにして寝そべった。
しかも、おててナイナイのスタイルだ!
おててナイナイスタイルは初めてかも知れない。
心が踊った。
更に半分お腹を見せて、安心しているかの様に目を瞑っていた。
とても穏やかな表情だった。

信用されてるんだなと嬉しかった。
とはいうものの、耳は常にピクピクと動き、周りに危険がないか情報収集に余念はない。
さすが野良猫だ。
いや、私と一緒だな。
自分以外の他人と接触しながら生きるっていうのは
常にアンテナを動かして必要な情報をキャッチする連続だものな。
ただ、帰る場所があるのかないのかで、心持ちは全く異なる。

私の股の間で、ほんのんわずかでも安心して目を閉じていられるのなら
こんな幸福な事はない。

動物ってのは本当に、錆びたりすり減ったり凹んでる気持ちを
そこにいるだけで寄り添い癒す存在だ。
だけど、もしかしたら彼女にとって私もそんな存在なのかも知れない。

そう思ったら、何も

出来なくても、ま、いっか、と思える不思議。

モネ、ありがと
また夕方ね

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