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【オススメ書籍】社会と人間の関わり方の変遷と構造変化 経営リーダーのための社会システム論 構造的問題と僕らの未来
最近、あまり読んでいなかった仕事関係とは少し異なる領域の書籍を読んだので、メモ。
読んだのは、以下の宮台 真司さんという社会学者の方と野田智義さんという経営学者の方が書かれた書籍。
社会としては、安全・便利・快適の方向に進んでいるのに、なぜ生きづらいのか?というシンプルな問いが面白そうで手に取った。
■この本を読むと良い人
・社会と人間の関わり方に興味・関心がある方
・共同体の意味や価値に興味・関心がある方
■この本で学べること
・安全・便利・快適になる際に失われていること
・日本社会の構造の変遷について
■メモ
①利己的な利他と利他的な利他という話
以下のような趣旨の話があり、面白かった。
・利己的な利他:人のためにと思っていると見せかけて、
自分のためにやっている、見返りを期待し、打算的。
・利他的な利他:人のためになればなんでも良い、見返りは期待しない。
同じ行動であっても配下の思考が、どのモードかは異なると意味合いが異なる。
利他的利他である行動をするには、他者から利他的な利他を与えられることで自分もできるようになるとのこと。
無償の愛的なものを受け取ると、他者にも無償の愛的な行動をできるのかもしれない。
科学的に立証された話ではないのかもしれないが、直感的に納得感のある話。
②相互扶助とアメリカですでに起こっている分断の兆し
国民国家は、国の外に敵がいること(戦争)によって、自分たちの共同体意識が高まるもの。
国民一人一人が、”自分たちさえ良ければという良い”という思想の割合が高まると、成り立たない。
その分断の兆しがアメリカでている。
富裕層が集まって州から独立した地域があるという。
そこでは、富裕層が必要だと思う行政サービス(主に治安管理強化)に税金が投下され、富裕層の満足度も高いという。
一方で、富裕層がいなくなった周辺の地域は税収が下がり、行政サービスレベルに影響が出ている。
社会全体の相互扶助機能が抜け落ちているように感じつつ、日本でも保育料金についてなぜ所得が高いほど保育料が高いのか、納得がいかないという主張もちらほらきく。
全体最適でみんなで平等に負担するための仕組みであるということへの納得度が、社会構成メンバーの考え方の変容によって変わりつつあるのかもなと感じた。
③企業とは毛色の違うリーダーシップ
自治体におけるリーダーシップで大事なのは、
「自分がメンバーを知り、メンバー同士をつなげ、メンバーから知恵を絞る」
企業組織のように、組織の目的があり、組織としての何かをやるか、報酬による推進の力学が働きづらいため、より上記のようなリーダーシッププロセスが求められるとのこと。
自分、自分たちのためにやる、自分たちが決めたというプロセスを設計することが求められる。
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