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JSTQB Advanced Level Test Manager に合格しました

なんとびっくり、noteで最後に記事を公開してから2年近くの月日が流れていたようです。お久しぶりです。
2023年はちょこちょこ人前でお話する機会をいただけたのですが、参加レポなどを書く余裕が全く持てず、さらに2024年に入ってからコミュニティ活動はほぼ休業状態でいました。とりあえず元気にしています。

先日、ようやっと JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level テストマネージャ認定試験 (通称 JSTQB ALTM) に合格しました。

JSTQB ALTM 認定証
紙でいただく認定証、なんだかんだで嬉しいよね

IT系の資格の中では比較的ニッチな試験なので、試験対策について書かれている方もそう多くはありません。自分も身の回りの人が合格するまで受験に踏み切れませんでしたし、試験前日も色んな方の受験体験記をネットで探して読んでいました。
自分はあまりしっかり勉強しなかった方に入るかもしれません。ただ、こういう n=1 の体験記が増えることで誰かの背中を押すきっかけになれたら幸いです。


経歴審査申請、そして受験日の決定

次の1と2の条件をすべて満たす必要があります。

1. JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level資格の合格者
 またはJSTQB以外のBoardのFoundation Level資格の合格者
2. 申し込み時点で業務経験3年以上(業務経歴申請書の提出が必要です)

JSTQB 公式サイトFAQ 「AL受験資格について」

ということで、試験予約をする前に申し込みサイトで 経歴審査申請 を行う必要があります。
転職活動で作成するようなしっかりした業務経歴書を出さなきゃいけないんだろうか? 審査に落ちるようなことってあるんだろうか? うわーん! という感じで初っ端から気が滅入っていました。

結果から言うと、そんなに気負わなくて大丈夫でした。
自分の場合は現職の経歴だけで3年以上経過していたので、その期間の業務内容を箇条書きで簡潔に記載し、それで承認をいただきました。

さて、受験資格を得たら次は いつ受験するのか? を決めなくてはなりません。
私が Foundation Level を受験した2020年当時は PBT(ペーパーベースドテスト) が主流であり、ALTM は大体8月に開催されるものというイメージがありました。しかし今や CBT(コンピューターベースドテスト) の時代。何日後、どの時間帯に受けるのかは各人に委ねられているのです。ありがたいけど悩ましい……!

そもそも ALTM ってどれくらいの学習期間が必要なんだろうか。
その謎を解明すべく我々はアマゾンの奥地へ……は向かわず、身近な合格者の記事を読んでみました。

(申込時から受験当日の過ごし方まで、本当にこの記事にはお世話になりました。亀井さんありがとう)

どうやら目安は約100時間、1日1時間とすると3ヶ月ちょっと。
長期間モチベーションを維持しながら学習を続けられるタイプではないので、それより短めの2ヶ月後にしようと決めました。その時 5月上旬だったので、7月最終週が受験日となります。

学習の進め方

シラバスの通読

なにはなくとも、です。
わからない用語は都度調べつつ、でもあまり深追いはせずに一旦最後まで読み切る。全体像を把握するのが目的です。

相棒とともに

この際、秋山さんの記事が自分にとって理解の助けになりました。この場を借りてお礼申し上げます。

さて手帳のメモを見ると、これだけで半月くらいかかっていたようです。かなりのゆっくりペース。大丈夫か。

非公式問題集を解く

AL受験体験記でほぼ必ず見かけるこちらのテキスト。
実は2019年の WACATE 参加時、たまたま他の参加者が手売りしていたものを購入していたのです。やっと活用できる日が来ましたよ……!

ぬい撮りでまず気分をアゲる

問題集は以下の流れで使用しました。
1. 2〜3問ずつ解く
2. シラバスと比較しながら、正答と解説を読む
全問通しで解くということはしません。回答中の思考が残っているうちに誤解している箇所の軌道修正がしたかったのと、本番相当のまとまった時間がとれなかったからです。
実際、このやり方でも1時間くらいあっという間に経ってしまいます。

ISTQB のサンプル問題を解く

(2024年7月時点の試験は 2012年のシラバスからの出題だったため、そちらのバージョンのリンクを貼っています)

現在は生成AIツールも発展してきたので、それらで翻訳して利用するということも簡単になったのではと思います。
自分の場合は英語の学習も兼ねて極力原文で読むように心がけていたのですが、そこまで複雑な文章ではなかったという印象があります。非公式問題集で出題のスタイルが掴めていたからかもしれませんが。
ちなみに解説は非公式問題集の方が丁寧でした。

本当はいずれの問題集も周回できれば良かったのですが、サンプル問題集を解き終えたのは試験前日。ギリギリの闘いでした。

その他参考にしたもの、できなかったもの

机に向かえない時間、例えば通勤電車の中や寝床では FL と ALTA (Advanced Level Test Analyst) のシラバスを読んでいました。
異なる立場から見える TM の在り方がそこに描かれているので、これは思考の補強になります。

これは実務で痛感したことですが、テストマネジメントはプロジェクトマネジメントと切っても切れない関係にあります。
そういった意味でも PMBOK を把握しておく必要があったのですが、解説本を流し読みするのが精一杯。公式本 は途中までしか読めませんでした。

テストセンターという特殊環境

人生初のテストセンター利用ということで、試験内容以上にこの受験方法自体にナーバスになっていました。
まずこの動画を見てほしい。

受付を済ませてしまうとそれ以降、参考書どころか飲み物すら手元に置けません
この動画を試験日の数日前に見たので本当に焦りました。余裕を持って会場入りして、水分補給しながら息を整えて試験に臨む想定だったのです。しかも試験当日は7月という夏真っ只中。最高気温は36℃。近くにカフェがあったとしても、そこから会場までの移動中に苦しくなるのではないか(もともと、常に水分を口に含んでいないと呼吸困難を起こす体質なのです)。

それ以上に不安だったのが トイレ問題
自分はもともとトイレが近い方で、情報処理技術者試験 のときはいつも中座するタイプでした。あれより長い195分、耐えられるだろうか。

ひとまずの対策として、尿意を抑えられる食べ物。先述の亀井さんの記事では大福を挙げていたけれど、あんこが得意ではないのでカステラを選びました (観劇の際に良いのだそうです)。気休めにしかならないけれど、無いよりはまあマシでしょう。

あとはひたすら自分を信じるしかありませんでした。過去に参加した技術イベントを思い出せ、あのとき基調講演を最後まで聴けたじゃないか、みたいに。

試験本番、そして合格へ

前述の不安はどこへやら、落ち着いて回答できました。
時間に余裕を持って終わらせたわけではなかったのですが、全く自信がないという問題は1問くらいでした。
仮にいくつか間違えていても、そんなに大きな失点にはならないだろうとは思っていました。(ISTQBのサンプル問題に配点が書かれていたので、その辺りの感覚も掴めていました)

結果が出るまでの数日間、終わった終わったとはしゃぐわけにもいかずかといって何か次の学習に手をつけていいものかわからず、変にふわふわと漂っていました。

受験のきっかけとこれから 〜おわりに代えて〜

ここ1年の間、劣等感と強い自己否定でかなり苦しい日々を送っていました。
ハイスキルの QA エンジニアが周囲に増えたことで、自分のレベルの低さを痛感しました。

この数年間、私は何も成長していないのではないか。QAリーダーとして必死で頑張ってきたつもりだったけど、全て間違っていたのではないか。自分がこの立場にしがみついていることで、この先プロダクトの品質も、チームの質も悪くなってしまうのではないか。
(みんな優しい人たちなので、そんなことないよとは言ってくれます)

そうこうしているうちに、深い思考を必要とする場面で何もできなくなっていきました。
リーダーを他の人に引き継いだり、業務の負担を減らしたりして徐々に回復してきましたが、まだかつてのように人前で何かを発表できる状態ではないかなという状況です。

ALTM に合格すれば少しは自信が持てるようになるのではと受験しましたが、結局のところまだまだ彼らの足元にも及ばないと感じるばかりです。
これからはまずキャリアの積み直し、学び直しからの再出発です。

アウトプットの練習として note の更新頻度も上げていきたいと思っていたところですが、この記事ですらかなり時間をかけてしまっているのでそう簡単にはいかなそうです。

では、またどこかでお会いしましょう。

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