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「スキップとローファー」で自分のことを思い出す

「スキップとローファー」、私ってこういう人なんだ、あの頃はこうだったなとか、触れると自分を思い出す作品だと思います。

原作は既刊8巻まで購入済み、アニメは最終話まで観ました。作中のセリフとかピックアップするのでネタバレとか気になる方はご了承ください。

東京の進学校へ通う為に石川県の端っこから上京してきた主人公の美津未ちゃんとシティボーイイケメン志摩くんを中心とした群像劇。いやシティボーイイケメンって書き方どうよと思いましたが志摩くんを端的に紹介できる言葉が思いつかない、不透明な男の子。それはさておき、志摩くんとみつみちゃんだけでなく、回を追う毎に各キャラクターの背景描写や視点が積み重なって、お互いがお互いを作り上げていく過程が丁寧に描かれていて面白いです。志摩くんとみつみちゃんの今後が気になるのは勿論、個人的に兼近先輩とゆづちゃん視点のお話がもっと見たいです。

スキローを読む度、キャラクターの誰かの中に自分と似た部分を見つけては、それらを自身に当てはめていく作業をしています。パズルみたいな感覚です。じんわりしたりギュッといたたまれない気持ちになったりしますが不思議と嫌じゃない。だから何回も読み返してしまいます。私が特にこれと思ったセリフは以下の二つ。

砂みたいな・・・

8巻42話

志摩くんが考え事をする時や感情が浮かぶ時の感じを例えた時のセリフ(半分寝言?)。「好き」とか比較的分かりやすいであろう感情が分からないというか、細分化出来てないのはなかなか難儀だな志摩くん。クリスくんの「赤ちゃんみたいな情緒」って言葉が本当秀逸ですね。
私は「好き」とか「やりたいこと」は割とはっきりしてるので全部じゃないですが、砂みたいってのはなんか分かるなあと。不平不満や良いことも、思うことは思うのですが口や行動に出る前に無くなる感じ、人に言うほどの事じゃないよなって考えている内に引いてしまう感覚がしばしばあります。浜辺で描いたらくがきが波で消えちゃう感じが近いかもしれません。これ書いてる途中で志摩くんの言う砂とは種類が違う気がしてきました。まあいいか。

今ある勇気も自信もきっと私がもともと持っていたものではない

8巻44話

八坂さんから「他人の評価なんかどうでもいいって言い切れるくらい愛されて生きてきたんだね」と言われた後のモノローグ。流石に他人の評価はどうでも良いとまでは言い切れませんし、自分の至らなさや気に入らない所はいくつもありますが、トータルしたらいい感じやんと思えるのははきっとこれ。親から始まり、今まで自分に良くしてくれた人たちから貰ったものが多い気がします。親に関しては貰いすぎて逆に悲しくなったことが何度かあったのですが具体的なエピソードが思い出せない(この辺が砂みたいな・・・です)。実家を出て独りで生活出来るのが分かったことや、お金を貯めて電動ろくろとか陶芸窯とか設備を揃えて地味に陶芸続けてることとか、自力で得た自信もありますけどそれはここ数年のことなわけで。小さい頃の自分を思い出すと、もともと持ってはなかったなと思います。

あとはアニメのOP!色彩のセンスが凄く良くて、志摩くんとみつみちゃんのダンスシーンは何回見ても飽きなくて、何回見ても幸せな気分になります。何気に志摩くんのステップのリズムが細かい所がカッコいいのと、二人の膝下だけ映るシーンで一瞬みつみちゃんががに股っぽくなるカットが好きです。私はアニメから入ったのですがOP見た瞬間ハマりました。そこから単行本も大人買いしてアニメも最終回まで視聴して、といった感じです。

Blu-Rayも欲しいなあ、楽天ブックスの予約特典の志摩くんのアクキーがめっちゃ素敵なので欲しいんですよ。夏の賞与で買っちゃおうか?