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その21 君に対する決別宣言!

2018年 (平成30年) 41歳 5月上旬 

「何事もなくて良かったですね!」

かかりつけの皮膚科への定期受診時、診察室に入るなり僕にそう言われる先生…

「あっ…(もう大きな病院からお返事が届いていたのか…)えっと…先月は大変ご迷惑をおかけしました…」 

前回(先月)診てもらって問題ないと言われたにも関わらず、半ば無理やり紹介状を書いてもらったのに、結果として何も問題がなかったわけで…

先生を信用していないと捉えられてもおかしくない行為をした僕には、先生の目を見て話すことができない…

「いえいえ、構いませんよ。自分が納得行くのが1番ですから!」

そんな感じで気策に受け答えしてくださるのを横目に、先生の意見を耳にしなかった自分が情けなくて涙が出そうな気分だ。

「先生、これからもどうかよろしくお願いします…」

「わかりました、これからも不安な点があればいつでも教えてくださいね」

自分のふがいなさを感じ、うなだれながら帰宅すると、頭の方から悪臭がすることに気がづいた僕。

たまらず、洗面所に駆け込んで、目の前の大きな鏡を見ながら黒の医療用帽子(手術直後から毎日欠かすことなく被ってきた)を脱いでみると、前髪はベチャベチャで全体から湯気が出ているようにも見える

(そういえば…四六時中こいつを被ったままだからな~)

もう患部(移植した皮膚)が完全に繋がった状態なので、被り続ける必要性はないのでは?

以前の外来受診時に、女医先生から上記したことを言われていたにも関わらず、その後も黒の医療用帽子を欠かさず被ってきた理由は、「患部を隠すため」

恥ずかしいわけなんですわ…

学生のころに受けた開頭手術後に、放射線治療によって日に日に抜け落ちていく髪の毛と眉毛を隠す意味合いから、看護師さんが帽子を手作りしてくれていた当時を思い出して参考にしていたんよね!

始めてそれをを被ったのは、まだ寒さが本番だった昨年の12月末で、何も困ることはなかったんだけど、今はもう春から梅雨に向かっている…

(ムワ~~~~~~)

ムレムレ~~~
ムレムレ~~~

(何度この臭い…それにメチャクチャ痒いし、ボ~として気分がわる~い…)

段々気温も湿度も上昇してきている今、帽子の内側は汗まみれ!

悪臭がするし、蒸れてボーとしてくるんだけど、それ以上に、全体的に痒くて仕方がない。

このままじゃ~皮膚癌はもちろん、いろんな病気にかかりそうだ…手術跡を見られるのは恥ずかしいけど…そんなこと言ってられないぞ!) 

というわけで…

僕は被り続ける限界を感じ、黒の医療用帽子と決別したのでありました! 

帽子さん、さよ~なら~
帽子さん、さよ~なら~

あのさ~突然で悪いんだけど、明日からもう来ないでくれるかな?
えっ、なんでかって?
そんなの自分の胸に手を当てて考えてみればわかるよ…
これはね~
君に対する決別宣言でもあるんだよ!
じゃ~達者で…

(お~これでずいぶんマシになったぞ!)

これからは、恥ずかしいとか気にしていたら生きていけないぞい!

そんな感情は今の僕にはないんだよ~ん!

ー つづく ー


いかがでしたか?

今回送った「僕からの手紙」が、何らかの形で、みなさんのプラスになれたら、とても光栄です!

読んだよ〜ってことで、スキを押してもらえたら、今後書いていく励みになりそうな気がします。

できましたら、これからもたくさん手紙を送りますので、どうか目を通してほしいです。

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