令和の牌効率

問1

早速ですが次の画像をご覧ください。

東南戦南2局東家。42800点の暫定トップ。

この局面、皆さんは何を考え、どの牌を切りますか?

「トップ目なのでブクブクにしたくない、他家が和了し親が流れても悪くない、リーチは打ちたくないから中重なりは逃したくない、しかし1s切ると鳴き一通が無くなってしまう、じゃあ2p?いや3p引き痛すぎるか..」

などと思考の迷路にハマった方は要注意です。

この手牌でまず考えるべきことは自身の和了。和了さえすれば放銃しません。実戦は、

普通?に中を切ってツモ2p。なんか突然タンヤオっぽくなりました。

最初の画像を見た瞬間、この手牌はタンヤオ本線だと見抜かなければなりません。

ここで一旦、麻雀の大元である、そもそものルールに立ち戻って、「牌効率」を考え直してみます。

麻雀の牌は全部で34種136枚。

それらを、字牌7種28枚、19牌6種24枚、2〜8牌21種84枚に分類してみるとどうでしょう。

実は麻雀ってタンヤオになりやすいのでは?

と誰でも思うはずです。

一人で山からツモって切ってを繰り返せば自然とタンヤオになります。

いやお前、実際は四人で打つんだし、19字牌は2〜8牌と比べて鳴きやすさ和了しやすさが全然違うだろ..

その通りです。しかし、ここで肝心なことは、

19字牌より2〜8牌のほうがツモりやすいという絶対的事実です。一度積まれた牌山は多井プロでも天鳳位でも操作できません(多分)

実戦続き見ていきます。

ツモ8m。要らんから切る。

でもいいんですが私は9s切りました。とりあえず続きいきます。

結果論っぽいですが8m残しが生きました。

この手牌はツモ7sときても結局つまらない手です。5pにくっつけてマンズ中膨れを伸ばして初めて闘える手牌です。

要するに、シャンテンが進む瞬間の受け入れよりも、手牌の打点が上がる受け入れが重要になるのです。もしくは、麻雀における律速段階とでも言うべきイーシャンテン時の受け入れが広くなる受け入れが重要になるのです。

なのでこの段階でペンチャンを払いました。変化を見るならなるべく早い巡目とは、現麻で有名なネマタさんが繰り返し書かれてきたことです。最近何されてるんでしょうか。実戦続きます。

ドラをツモってきました。5p8pと筋で抱えるの嫌ですね。トップ目なので8pさっさと処理でしょうか。

そういう打ち筋が染み付いてるとしたら、今日を限りに捨て去って下さい。

他家に対する危険牌を先に切るのではなく後に吸収する。

という意識を持ちましょう。麻雀は嫌でもタンヤオ牌を引いてきまくるゲームです。実戦は1m切りました。14枚あれば大丈夫です。オリられます。続き。

8pキラキラしてます。もう8pチーされることもポンされることもロンされることもありません。更に言うと他家が8pツモることも減りました。他家の手牌価値が下がりました。つまり自身の手牌の相対的価値が上がりました。そんな認識を持ちたい。

ここは当然8m切りですが、この8mがずっと必要牌であったことに着目して頂きたいです。手牌の未来の為にペンチャンを払って残した8m。次が最後です。

ついに2pポンできました。危険そうな4sを処理してこの局お疲れ様でしたという感じです。以下はノータイムで威圧しながら(他家の思考時間を減らしながら)ゼンツするのみ。

先に、2〜8牌と分類しましたが、本当は28牌と3〜7牌で区別するのが尚良いです。例えば5をポンすると、345、456、567の三種の面子が非常に作りにくくなります。これが8のポンだと678、789の二種の面子ロスで済みますし、というか789はタンヤオ付きません。

28牌はタンヤオ手における雀頭もしくはポン材、3〜7牌がメンツ。そんなイメージを持ちましょう。最初の画像もっかい貼ります。


この手牌を見た瞬間タンヤオであると見抜かなければなりませんと先に書きました。タンヤオになる為には1m雀頭が要りません。雀頭には28牌が良いので、今局の場合はツモ2pもしくは8sに期待します。なので2pだけは絶対に切ってはいけない牌でした。1sは問題ありません。

25と筋で抱えてる時に2を軽々しく切ってはならないのはツモ3が痛いからだけではないのです。

次に類題です。

問2


東風戦東3局北家。18000点暫定3着。

何を考え、何を切るか。

この手牌も価値に乏しいです。現状のままでは闘えません。よって瞬間のシャンテンが進む受け入れではなく、後のイーシャンテンでの手牌価値の向上を目指します。タンヤオでしょう。

9m1m9pが候補ですが比較は難しいので割愛します。恐らくどれでもいいです。しいて言えば、1mには抵抗ある方が多いはずです。私もそうで実戦では9m切ったんですが、その瞬間に違和感を覚えました。マンズ一通が消えてしまいました。またドラの5mを柔軟には受け入れられなくなってます。実戦続きます。

5779。渋川さんが頻繁に言及する所謂偶数ブロック。これは9pに自然と手が伸びるでしょう。先の画像のような手牌を見るや否やこういったツモの伸びを機械的にイメージしたい。最後は蛇足ですが、

怒涛のように押し寄せたタンヤオ牌を受け入れ切ってのテンパイ。見た目ドラ枚数0なのが引っかかりはしますがリーチでしょう。他家にとって必要な7pや6sなどを吸収してるので他家の手牌構成が困難になっていると考えられます。

問1と問2の手牌は、19牌が全て2〜8牌と入れ換わりました。

繰り返しになりますが、麻雀の手牌はツモって切ってを繰り返せばタンヤオになりやすいのです。

最後に応用問題です。失敗例なので投稿するの躊躇われました。

問3

開局南家。

パッと見はまあまあ闘えそうな手牌ですが既に1pが4枚見え。かといって32p払うのは当然リスクありますしリスクに見合った手牌でもありません。

ここで鳴いてる上家の親を見ますと、なんかよくわかりませんが不気味です。マンズ一色か役牌バックかはともかく4mって危険になりそうです。実戦は頭回らず良いアイデアが浮かばず、手なりのつもりで4m切り。続きます。

親が発を鳴きました。で引いてきた5m。

もうダメだという感じです。4m切ってしまったが為に使いようがありません。この2シャンテンで5m勝負は無謀でしょうし、この手牌は詰んでしまいました。

先の画像では、とりあえず9mでも切っておくのが正着で、以下は親になるべく放銃しないようにしつつ危険牌を吸収できる手組を志向すべきでした。瞬間の受け入れなんてどうでもよかったのです。

いかにも淡白な一局になってしまいました。ここまで読まれた読者の方は今局を悪い見本とし、後手からでも粘り強く押し返して頂ければと思います。

まとめ

  • 手牌に既にある19字牌に囚われてはいけない。常に2〜8牌とチェンジするイメージを持つ。

  • 28牌を粗末にしない。

  • 他家への危険牌を先に処理するのではなく後に吸収できる手組を心がける。



ところで今回のnoteは、まずタイトルで「令和の牌効率」と大見得を切って、以下はタンヤオが如何に偉いかについてばかり書いたわけですが、実は偉くない手段も色々ありそうです。それらについては別の機会で。(終)

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