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『新宿のルミネ』についてのよもやま話

個人的に最近ちょっと興味深かったのは、世代によって変わる『新宿のルミネ』についての話です。

新宿駅周辺にはファッションビル「ルミネ」が合計3ヶ所存在しているのは、新宿に少しでも馴染みがある方はご存知かと思います。
"『新宿のルミネ』集合ね!"
と約束しても両者は一生落ち合うことはできません。


■新宿には「ルミネ」はひとつしかなかった

会社のバブル入社のおばさま もとい お姉さま曰く、"新宿のルミネ"と言ったらそれは「ルミネ1」のことを指すらしく、そもそも当時「新宿にはルミネはそこしかなかった」とのこと。(ルミネ1は1976年開業、ルミネ2は1987年開業)
一番ファッションにお金を使っていた時代、ルミネ新宿(現在のルミネ1)を利用していた彼女らにとっては、21世紀になっても『新宿のルミネ』はルミネ1なのです。

確かに、実際「ルミネ1」を見渡してみると、なるほど、おおよそティーンや20代が買うとは思えない渋いブランドやテナントが多く見られます。カタカナよりも漢字、よりアッパー層向けのお店ばかりで、自分が思っていたルミネの客層と全然違ってびっくりでした。


■若い世代にとってのルミネとはー?

逆に10代・20代の若い世代の場合、『新宿のルミネ』といえば「ルミネ2」「ルミネエスト」になるそうなのです。
JR系列なのになぜかJRからは行きずらい立地の「ルミネ1」(実際に京王百貨店と小田急系列の新宿ミロードに挟まれた、角っこに立地している)は、アクセス上圧倒的に不利だといえます。

それに対して、南口直結の「ルミネ2」や東口直結の「ルミネエスト」の方がJRからはるかにアクセスしやすく、通勤通学のついでに寄りやすいといえるでしょう。入っているテナントもだいぶ若い人向けで、ルミネ1よりもだいぶ安価な感じです。


■ルミネエストはもともと「ルミネ」じゃなかった

Wikipediaの「ルミネ新宿」に関するページでは「ルミネ1」「ルミネ2」のみが記載されていて、「ルミネエスト」のページは別立てになっています。その理由としては「ルミネ1・2」は運営会社であるルミネが最初から関わっているのに対し、「ルミネエスト」は別の運営会社のビルを取り込む形となっているから。

現在「ルミネエスト」となっている建物は、当初「新宿民衆駅ビル」(1964年)としてオープンし、「新宿ステーションビル」(同年)→「マイシティ」(1978年)と名称が度々変更。2006年になって初めて現在の「ルミネエスト」となりました。

このような変遷のためか、ルミネエストは『新宿のルミネ』の中でも異質な存在といえます。


■全国区の「ルミネ」という名称

もうひとつ興味深いのは、首都圏以外の地方出身者における「新宿のルミネ」というと「吉本の劇場」を指す方が意外と多いことです。実際に「ルミネtheよしもと」が「ルミネ2」のいちテナントとして入っています。
自分の仮説としては、吉本所属のお笑い芸人が全国ネットの番組などで同劇場を単に「ルミネ」と略すおかげで、この名称の認知が広がった?ということがあるのかもしれません。

今回は単にお店の話だけでしたが、街の歴史をたどると、本当に奥深くて楽しいですね。(水野晴郎風)【終わり】

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