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日本語学校は今真価が問われている

 新型コロナウィルスの影響で各業界が大打撃を受けている。
留学生を顧客とする日本語学校も例外ではない。
実際に4月からの入学者は来日できず、
残念ながら、入学辞退、10月以降に延期となった。

 これを受け、オンライン授業が再開されたが、
対面授業ほどうまくクラス運営ができないという教師が大半であろう。
それに加え、インターネット、PCのトラブルなど
インフラ環境からくる学生、教師双方のストレス増大も不可避だ。

一つ確実に言えるのは、
日本の日本語学校で日本語を学ぶ価値が下がったと言うことだ。


まず、日本の日本語学校で日本語を学ぶ価値として、
学生ビザをもらい、日本に住めるというのが大きな価値であった。

そこでアルバイトをするのもいい。
休みの日は観光をするのもいい。
世界中の国から日本語を学びにきた友達にも会える。
日本人の友達もできる。

実際に日本社会に溶け込み、
日本の習慣を肌で感じ、体験的に日本語が学べる。

一歩出れば日本語で会話する機会はいくらでもある。

そこでは全てが新鮮で
学びとなるので、劇的に日本語能力を高めることができるし、
体験が将来の財産となる。


ところが自国からオンラインレッスンを受けるとなると、
上記の価値を享受することはできず、
ただ「情報」として日本語を学ぶに過ぎない。

実体験と結びつかない学びほど身につきにくいものはない。

そういう価値も含めた授業料だ。

したがってオンラインレッスンコースの場合は
大幅値下げが妥当だ。


また自国でも日本語を教えている機関は5万とある。
しかもそこは現地の価格で授業が受けられる上、
日本人の先生もいる。

このような状況で、
わざわざ日本の日本語学校を選ぶ可能性は極めて低いといえよう。


ただ、下を向いていては仕方がない。
これから日本の日本語学校が生き残る方法を検討していきたい。

オンラインプライベートレッスンや他の日本語学校との差別化を図ることは当然だ。


オンラインが前提の日本語学校の強みを挙げてみたい。

・綿密なカリキュラム
・講師陣の組織力
・週5レッスン
・一定レベルの授業の質

これだけでは、高いコストを払う価値を感じないので、
あとは個々の日本語学校がどうやって価値を提供するか真価が問われている。


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