パン屋にセミセルフレジの導入を検討している話

お店を移転してそろそろ3ヶ月となりました。
予想を上回る反響でびっくりしていると同時に、通常オープン1ヶ月くらい経つと徐々に減り始める来客数が、現状ずっと上がり続けています。ありがたい限りです。

土曜日は来客数が200人を超える状態となり、営業時間の大半はレジにスタッフが最低2名居ないと全く捌けず、セミセルフレジの導入を検討する事になりました。

セミセルフレジとは、自動釣銭機をお客さん側に向け、スタッフを介さずに現金会計を完結してしまう方法です。(商品の打ち込みなどはスタッフが行います)

セミセルフレジ導入のメリット

現金のやり取りだけならそんなに大した時間じゃない。と思う方も多いと思いますが、平日でも150人以上の来客があるので、例えば1人につき10秒の短縮になると仮定しても1日1500秒(25分)の短縮になります。

これは人件費節約と同時に、余ったリソースを製造の方に回せるので、少人数で沢山の商品を用意するには効果があります。

また、基本的に現金の数え間違いというヒューマンエラーが起こらないので、レジ締め作業の時間が圧倒的に短くなるというメリットがあります。

パン屋さんでのレジの仕事は、主に現金のやり取りとパンの袋詰めになります。現金のやり取りを自動化出来ると、その時間はずっと袋詰めが出来るので、一人でもある程度のスピードでレジを回すことが可能になります。

現金会計で時間がかかるのが、お客さんが現金を探している時です。そういう場合は、10秒どころではない時間のロスになります。(あと10円あるはずだからちょっと待ってて!のまま、1分くらい探して出てこない人とかいますよね)

自動釣銭機メーカーは主に2社

自動釣銭機はそもそも作っている会社が少なく、主にグローリーと富士電機の2社です。それを各社が自社のアプリに対応させるという方法になります。

グローリーに対応している会社が多いのですが、セブンイレブンが導入しているのが富士電機の自動釣銭機です。(セブンイレブンが導入した事によって、各事業者が導入する心理的なハードルが下がったように感じます。)

個人的にはお札を入れる向きが富士電機の方が良さそうではありますが、本体の表示パネルはグローリーの方が見やすいと感じました。

比較した3社

セミセルフレジで調べて検討した結果、スマレジ、ビジコム、CASHIERの3社のショールームでお話を伺う事になりました。今回はこの3社を比較した内容となっております。

スマレジ
https://smaregi.jp/hardware/autochangemachine.php
会社・株式会社スマレジ
対応機種・グローリーのみ
OS・iOS
セミセルフレジ導入時の月額利用料・¥7700〜
一度に表示出来る商品パネル・16

ビジコム
https://www.busicom.co.jp/lp/semiself/
会社・株式会社ビジコム
対応機種・グローリー、富士電機
OS・Windows
セミセルフレジ導入時の月額利用料・¥0〜
一度に表示出来る商品パネル・30

CASHIER
https://cashier-pos.com/
会社・株式会社ユニエイム
対応機種・グローリーのみ
OS・Android
セミセルフレジ導入時の月額利用料・¥6400〜
一度に表示出来る商品パネル・12

どこをどう比較して見るか

まず、多くのPOSレジ会社は「自動釣銭機機能は月額利用料がかかる」という場合が多いようで、その他メーカーも似たような料金体系ではありました。

そんな中、ビジコムさんだけは自動釣銭機に月額利用料がかかりません。ただし、POSレジとしての機能もある程度制限されるので、POSレジとしての機能を十分に発揮したい場合は月額利用料¥5000のプランにする必要もあります。

月額利用料は、例えば5年使うことを考慮すると、CASHIERさんで¥6400×12ヶ月×5年となり、¥384000です。この金額は長く使えば使うほど高額になります。

なので、長期的に利用する場合、金額面を考慮すると多少の不便は考慮してもビジコムさんに軍配が上がります。

仮に運用を5年としているのは、当店がカシオのレジ(¥20000)からエアレジ(端末と周辺機器で¥100000)に乗り換えたのが大体5年スパンだったので、5年すると世間の状況(キャッシュレスの普及など)も変わるかなという見解です。

セミセルフレジはランニングコスト込みで少なくとも¥1000000以上かかる計算で、レジとして見ると高額ですが、人件費として考えると決して大きい金額ではないと感じています。

なるべく忖度のない感想

公開出来る範囲で率直な感想を書きます。(公開出来ない感想や情報もありますが、正直に書き過ぎると各所に迷惑をかけそうなので程々にしておきます)

まずスマレジさんですが、月額利用料は比較的高く、僕のような小規模店舗には向いていないように感じました。

ユーザーインターフェイス(UI)は良く、機能も充実していますが、オーナー兼職人として常に現場にいる身としては、そんなに商品分析をする必要がなく、どちらかといえばスムーズな現金会計機能を求めているだけなので、月額利用料が大きいのは非常にネックになります。

また、スマレジさんの説明では自動釣銭機自体に有線LANのインターネット環境が必要との説明でしたが、こちらは他社では「必要ない」との回答でした。(各社レジアプリ用にWi-Fi環境は必要)

ビジコムさんは月額利用料がかからないのは非常に魅力的な反面、UIが非常に悪く、売上データの書き出しもcsvではなくtxtで出力されるという状態で、現状は使用している会計ソフト(会計freee)とも連動していないので、切り替えるとここを手動での入力にする必要があるのが現状です。

また、無料での運用だと売上データはクラウド管理ではなく端末に残るタイプで、これをどう捉えるかは使用者次第だと思います。

売上分析やデータの書き出し、クラウド保存に関しては月額¥5000の有料のサービスにすると解決するっぽいですが、そうするとビジコムさんの強みが薄れてしまうので、今回の比較では優位性が下がります。

CASHIERさんは他の2社と比べると比較的若い世代の人がサービスを作っている印象でした。問い合わせの翌日にはZOOMで商談をするという流れで、デジタルに慣れているなという安心感がありました。

UIもスタイリッシュで非常に良いのですが、一度に表示出来る商品点数が12個というのが、商品登録のタッチ数が増えてしまう点でマイナスの印象です。

この3社の中では一番バランスがよく、尚且つ個人店規模でも導入可能な価格帯でのお見積りを頂きました。

まとめ

という訳で3社を比較させていただきましたが、問屋さんから紹介された別の業者さんや、また新たに見つけた業者さんもあり、まだどこにするかは決めていない状態です。

もし同じ境遇で導入を検討されている方がいらっしゃいまいしたら、参考にしてみていただければ幸いです。お問合せ頂ければZOOMなどでお話も出来ます。

また、小規模のパン屋さんは基本的にはエアレジで十分だと思っているので、この辺もまた時間があれば書こうと思います。

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