見出し画像

高齢者こそ肉を食え

身体メンテナンスで最後は筋肉をみていきます。
今までのメンテナンスで各臓器を保つ事ができるようになってきました。
最後は筋肉をみていきます。

健康な臓器を持っていてもフレイルになる

私たちは医療環境や栄養環境の改善に長寿を達成できるようになりましたが、一方で体が弱った状態でも長く生きる事を強いられるようになってきました。そこでフレイルという概念が注目されています。フレイルとは「加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態」をさし、つまりは「弱っている状態」のことです。弱っていると好きなことができず、生きている期間が苦痛になり得ますし、さらに弱ると介護の手が必要になってきてしまいます。長寿社会では如何に高齢者の方にフレイルにさせないかということに注目が集まっています。以下の高齢者の大規模調査がありました。60歳以上の約6000人に対して3年ごとに同じ人を追求していく本格的な調査です。そこでは男性の2割は早々に介護が必要な状態まで落ちていき、7割も徐々に弱っていき、1割だけがずっと元気で自立していられた事が報告されています。

スクリーンショット 2020-12-24 0.05.03

女性では全体的には緩やかですが1割くらいの方が早々に介護が必要な状態となり、9割程度の方がやはり徐々に弱っていく様子がみられます。

スクリーンショット 2020-12-24 0.05.38

すでに血管メンテナンスや脳メンテナンスで心臓系の疾患や認知症などをケされている方にとって元気で活動的でいられるかの鍵はずばり筋肉です。筋肉量が少なければそれだけ早くフレイルの状態になりますので、如何に筋力を保ち続けれられるかが、寿命が伸びても好きなことをしていられる期間に直結します。

まずは指輪っかテストでチェック
簡単に筋力量をチェックする方法があります。
まず両手の親指と人差し指で輪っかを作ってください。それが元気でいられるための最低限度の脹脛の筋肉量になります。ご自身の脹脛でその指輪っかを作ってみてください。もし、脹脛と指の間に隙間ができるようなら筋肉量が足りずに、すでにフレイルの状態である可能性が高いです。ぜひ身の回りの

スクリーンショット 2020-12-23 23.49.59

筋肉をつける3つ

・若者よりタンパク質をとる
言わずもがな、筋肉の原料となるのがタンパク質ですが、高齢になって粗食が一番と思いこんでる方も結構いらっしゃいます。逆です。高齢になるとタンパク質から筋肉を作る効率が下がります(タンパク質同化抵抗性)。若い人なら1.0g/kgで大丈夫ですが、高齢の方の目安は1.2g~1.5g/kgでおおよそ体重60kgなら80gほどのタンパク質が必要です。200g程度のステーキで約40gのタンパク質量なので意識的に取らないといけない理由がわかります。

画像4

タンパク質源としてオススメはトリです。安価で食費を圧迫せずに、牛や豚とは違い不飽和脂肪酸が多く含まれるため、脂質異常症のリスクも減りますし大腸がんのリスクも低下します。もちろんトリをベースに置きながら豆腐や魚なども加えていくと良い食事になります。タンパク質が足りないと思ったら市販のプロテイン飲料も補足で使うと良いでしょう。

画像5

ビタミンB6をとる
筋肉を合成する手助けをしてくれるのがビタミンB6になります。多くの動物性タンパク質には一緒に含まれているの肉を食べていればおおよそ大丈夫ですが動物性タンパク質をとる機会が少ない場合はバナナやパプリカなどを積極的にとっていくようにしましょう。

画像8

スクリーンショット 2020-12-24 1.28.14

(足の)負荷をかける
筋肉をつけるには栄養と負荷がセットです。一番ベストなものがスクワットです。体幹を支える大事な足の筋肉を鍛える事ができます。

画像6

ウォーキングも推奨されます、1日5000歩歩く習慣をつけるだけでもフレイルになる確率が半減するは報告されています。それなりに有効です。

スクリーンショット 2020-12-24 0.01.23

またそれでも厳しいという方はまず「とりあえず立つ」ことからだけでも始めましょう。それだけでも死亡率が減少する事が報告されています。1時間に1回でも効果があるので気づいたら立つということを習慣付けましょう。AppleWatchをつけていると1時間座りっぱなしでいると振動アラームで立つことを促してくれますので、そういったことを意識させてくれる機器を身に着ける事も有効です。


(引用)
1)国立長寿医療センター
https://www.ncgg.go.jp/cgss/department/ep/topics/topics_edit40.html
2)長寿時代の科学と社会の構想 『科学』 岩波書店, 2010

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?