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受賞の向こうがわ⑪……無事校了!

7月初旬、再校ゲラが到着しました。

ゲラに入れた修正を反映し、再度印刷し直したものが再校ゲラです。

見た目はほとんど変わっていないものの、よく見ると一部の文章表記(作中に出てくるメモ書きの内容など)が太字になっており、出版時の紙面にさらに近づいていました。

この再校ゲラをもとに、表記の統一漏れ等、前回のゲラで修正しきれなかった箇所を確認していきます。おそらく今回が修正のラストチャンスだと思い、かなり気合を入れて取りかかりました。

まずは普通に頭から読み直して内容を再確認。2回目はすべて声に出して読み、読点の位置をはじめ文章のリズムについて、最終チェックをしました。

すると、さんざん読んできたはずなのに、やはり気になる箇所がちらほら……。ひっかかった部分には付箋を貼り、改めて自分なりに検討したうえで、必要に応じて修正を入れていきました。

再校ゲラを返送後、すぐにNさんから返信がありました。

内容としてはこちらから新たにゲラに入れた修正に関する簡単な確認程度です。この確認作業を経て、『波あとが白く輝いている』、ようやく校了の運びとなりました!

感傷に浸らず、次の作品に向かわねばならないとわかってはいても、2022年の3月に賞に応募してから約1年4か月、受賞が決まってから約8か月……苦しくも楽しかった改稿が終了と思うと、やはり少し寂しい気がしました。

再校ゲラのチェック中、Nさんから表紙カバーのラフも届きました。今作の装画は『受賞の向こうがわ⑧』で紹介したくりたゆきさん、装幀はnext door designの岡本歌織さんです。

ゲラの奥付で初めて岡本さんのお名前を見たとき、おお! と思いました。

岡本さんは、前年度に佳作をとられた東曜太郎さんの『カトリと眠れる石の街』の装幀も担当されています。

その装幀のあまりのカッコよさ(作品も本当に面白いです! おすすめです!)が強烈に印象に残っていて、まさか自分の作品のデザインを担当してくださるとは思わず、本当にびっくりしました。

後日、本好きの知りあいからも、岡本さんはいろんなジャンルの本を広く手掛けておられる大人気のデザイナーだよ! と聞き、改めてうれしくなりました。

さて、くりたさんと岡本さんの奇跡のコラボは、はたしてどうなったのか……。Nさんから届いたPDFファイルを開くと、帯があるバージョンとないバージョン、両方のラフが載っていました。

どちらも、ものすごくいい!

少し前に下書きの段階でイメージを見せて頂いていたものの、今回はさらにイラストがクリアになり、魅力が爆増しています。

まず、くりたさんのイラストが本当にすばらしい! 本文中、主人公・七海の外見についてはあまり細かく描写していない(意図的です)のですが、なのにどうして? と不思議なくらい、くりたさんが描いた七海はわたしのイメージとぴったりでした。

そして、タイトル! 水と光のイメージを感じさせるとても素敵な書体です。斜めに入れたレイアウトも最高で、構図も配色もセンスの良さしか感じません。

さらに、帯! 白と青を基調にしたデザインと、手書き風の書体で入れた「今、少女は走り出す!」の繊細かつ力強い文字……。裏のコピーもよく、くりたさん、岡本さん、編集・Nさんの三人が、最高の仕事をしてくださいました(ありがとうございます!)。

もし、これで売れなかったら……考えたくはないですが、すべて作者の力量不足です。

なので、保護者の方! おじいちゃん、おばあちゃん! YA・児童書好きの大人の皆さま! 全国の図書館、図書室の司書の皆さま! どうかお買い上げ&ご発注の方、なにとぞよろしくお願いいたします(必死)!

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