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かくして今ここに在るという奇跡〜祝祭を待ちながら

ftH8の感想と、kpfツアーまでの間、勝手にいろいろ考えてたことです。kpfのレポではないですよ~。ウチとこに来るのはまだ2ヶ月弱先。待ち遠しいです。


  kaleid proud fiestaツアーが始まった。この夏も我が最愛のUNISON SQUARE GARDENは熱く走り続ける模様。参加するライブはまだずいぶん先だけれど、どうか無事に我が町までたどり着き、そのまま東京ガーデンシアターまで駆け抜けていってほしい。

 実は『fun time Holiday8 with Base Ball Bear』に参戦していたので、遅ればせながらその話。
 3月下旬の地震の影響でいったん中止になり、場所と日程を変えての振替公演だった。平日開催となったために諦めた方もいたと思われる。そんな人たちの分も盛り上げていくよ! 誰に頼まれたわけでもないのだが、妙な使命感に燃えてライブに臨んだ。
 初めてエンカウントしたベボベさんは良い人たちで「どうせUNISONさんたちはこのあと喋らないと思うので」とツアーグッズ紹介をしてくれた。ドラムの堀之内さんはTシャツを3枚重ね着して、1枚1枚脱いで紹介するもので、上裸になるんじゃないかとドキドキした(斎藤さんもそう思ってたとMCで言ってた)。そしてライブにグッズ紹介の時間があることを初めて知った。何せUNISON以外のライブに行ったことないもので。そしてUNISONのライブはMCすらもほとんどないもので。
 「最近急接近してますが、一緒の事務所で自分たちの方が少し先輩です」えっそんなに長いことやってらっしゃるんだ! 知らなかった。堀之内さんは10年ぐらい前に貴雄さんと呑んだことがあるそうだ。
 「気軽にふらっとカッコいいバンドの音楽を聴きに来て」という田淵さんのお言葉に乗っかって、ベボベさんの曲は予習しなかったのだが(ファンの皆様すみません)UNISONの『ライドオンタイム』を演奏してくれた。「ムズい、高い、手かず多い! レフ4つぐらい下げました!」と小出さんがおっしゃっていたけれど、ベボベ流にアレンジされた『ライドオンタイム』はやや曲調重め、ハードな感じで新鮮だった。
 ギタボの小出さんはラップも歌ったし、黄色が入った照明の演出もカッコよかった。ラストの『Stainway Generation』は今もWALKMANに残しているくらい好きな曲で、「そうだこの曲ベボベさんだった!」と嬉しくなった。やっぱり知っている曲だと気持ちも上がる。ベボベさんのパートが終了した後、お隣の席のお嬢さんたちが「小出さん可愛かったねえ」と話していて、「そうですねえ」と心の中で相槌を打った。わたしはベースの関根さんもぴょんぴょんはねながら弾いてて可愛かったなぁと思いましたよ。

 かたやUNISON。1曲目からトップスピード、いつも通りの通常運転である。今回は2階席だったので人数は少ないが、フロアに負けない盛り上がりだ。遠いけどステージ全体が視界に入る。2階席もオツなものである(近いとどうしても歌う人と動く人に視線が行きがちなので)。上から見下ろしていたおかげで最前列で縦横無尽にお仕事なさっているViola Kamさんも初めて視認。「あっViolaさんだ! いつも素敵なお写真ありがとうございます!」と心の中で手を振った。
 貴雄さんが最初の『23:25』間奏のベースとギターのソロの入りでもう立ち上がって、スティックで「ハイ田淵!」「ハイ斎藤君!」と振っていて、楽しそうでこちらもニッコリ。久しぶりに聞けた曲も多く(『何かが変わりそう』『メカトル時空探検隊』『MR.アンディ』)ずっと聴きたかった『夢が覚めたら(at that river)』がついに聴けた。照明がとても綺麗だった。光の粒が会場いっぱいに散らばって、まるで川の流れの中にいるよう。もの哀しくも美しい大好きなこの曲との初めての邂逅に花を添えてくれたようで、ガチ勢の私は感涙にむせいだのだった。
 それから照明といえば、『君の瞳に恋してない』なんとピンクの照明が! ピンクなんて初めてかもしれない。でも曲にぴったりで「かーわ―いーい―!」(←オイ)とキュンキュンしてしまった。いつぞやのUSG RADIOで話題になっていた照明の方、グッジョブです! 心の中で親指立てた。

 とても楽しいライブだったのだけれども、感想を書くとなるとどうしてもUNISON成分多めになってしまう。年末カウントダウンライブwith女王蜂の時もそうだった(そして結局書けなかった)。対バン相手やそのファンの方々には申し訳ないが(先方は気にもしてないだろうけど)ただただUNISON SQUARE GARDENが好きなだけのひとなので、どうかご容赦願いたい。
 その後、今回のゲストベボベさんについていろいろ調べたりした。そしてメンバーの変遷があったこと、葛藤しつつもバンドを続けていくために尽力してきたと知った(特にベースの関根さん)。そう言えばスぺシャの『斎遊記』でも、ゲストのフジファブリック山内さんや、フレデリック三原さんとのお話の中で同じような話題が出た。おふたりとももどうしてもバンドを続けていきたくて色々変えてきた、と話されていた。音楽界隈では時折聴こえてくる話である。ヒトは変わってゆくものだ。最初は一緒にスタートしても、時が経つにつれ、見ている方向や歩くスピードが違ってきてしまうのは、仕方のないことなのかもしれない。
 そう思うと改めて、UNISON SQUARE GARDENが結成以来ずっとこのお三方で続けてきてくれたことはすごいことなんだと実感する。今でこそライブをすれば聴衆がこぞって集まるようになったけれど、過去のインタビュー記事によると、順風満帆だとは言い難い時期も葛藤もあったように思う。それでもこの3人で続けていてくれたから、私は彼らの音楽と出逢うことができた。人生も折り返しを過ぎた歳で、こんなに好きになれるバンドに出逢えるなんて、大げさだけど私にとっては《奇跡》だった。
 だから、できればこの奇跡がいつまでも続いてほしいのだ。最近、斎藤さんや田淵さんのUNISON以外での活動の方が多く聞こえてくる時期があって、そんな時はいつも少し不安になる。もしXIIXやTHE KEBABSの方が楽しくなっちゃったらどうしよう。貴雄さんもゲーム関連のあれこれで定期的に動いている。―—わたしはUNISON SQUARE GARDENがいちばん好きなんだけどな。我儘であることは百も承知だ。だけどXIIXやTHE KEBABSまで追いかける余裕がないというか、UNISONで満足できてしまうというか。
 でも先日、ファンクラブの会誌の中で斎藤さんが(UNISONのライブは)音楽でありつつゲームをクリアするような感じ、と話されていた。確かにライブにおける彼らの印象って、田淵さんが投げ込んでくる剛速球を負けず嫌い全開で打ち返す斎藤さん、そしてファーストミットを振りながら「ナイス~」とほほ笑んでいる貴雄さん(どんな送球でも捕ってくれるファースト)、みたいな、高校野球部1000本ノックのようである(あくまで個人の感覚です)。それがUNISONの音楽の楽しみ方だ、と斎藤さんは言っていたけれど、同じ相手だけじゃなく別の相手と対戦してみたくなることもあるだろう。そんな気持ちを満たすために、UNISON以外の活動は必要なのかもしれない。斎藤さんも、田淵さんも、貴雄さんも。
 一方で、遠方なので諦めたLimited(年齢限定ライブ)も、すでに始まっているツアーも、聴きに行った人たちからは絶賛の声が絶えない。ほかのところで活動していても、還る場所としてUNISONが在り、最新で最高を更新し続けている彼らがちゃんと存在しているのだったら、それでいいや。自分の中でうだうだモヤモヤ考えているのは時間の無駄だなーーようやく吹っ切れたような気がした。
(余談ですがXIIXの新曲、いつのまにかラジオから流れてくるとイントロでわかるようになっていた。自分、結構気に入っているようである。UNISONでは聴けないような須藤さんのアレンジ、斎藤さんのスローなボーカル、橋本愛さんとの囁くようなハーモニー。今期ハマりそうな恋愛ドラマがあったら挿入歌いけたかも、という感じ。いつかドラマで流れるXIIX、聴けるかもしれない)

 7月24日、彼らは18回目の記念日をツアーの真っただ中で迎える。kaleid proud fiestaツアー6公演目の会場であるNHKホールは、2年前の配信ライブ『LIVE in the HOUSE 1』と同じ場所だ。あの日空っぽだった客席は、きっと物好きたちでいっぱいになることだろう(超絶競争率の高いプラチナチケットだったようだし)。私はそこに行かないけれど、きっといつも通りの、でもちょっぴり特別なライブになるのだろう。
 かくしてまた、UNISON SQUARE GARDENの新たな1年が始まる。20年目に連なる1年は、どんな景色を見せてくれるだろう。楽しみである。とりあえずは9月のライブに向けて、感染拡大がおさまるのを心から願いつつ、体調を整えてその日を待とう。
 大事なことなのでもう一回。ほんとうに楽しみである。


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