人口が減っていく都市に期待している

国勢調査の速報値が出ていた。

日本の人口は確実に減っている。

2015年の調査から86万人くらい減ったようだ。数字の規模感はわかりにくい。

我らが新潟県は10万人ほど減っているようだ。

https://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20210626624953.html


全国の減少数の1割くらいを担っている感じか?

他にも、世帯数は増えているが世帯人数は減っているなど、データが得られた。

単身世帯や夫婦のみの世帯が多いのだろう。

進学や就職などを理由に親元を離れる人は、単身世帯にカウントされるだろう。そうやって離れられた家は世帯人数が減る。当たり前。

夫婦で暮らしていたけど、配偶者が亡くなってしまった。子供世代との同居を選ばず一人で暮らしている。こういう状況なら世帯数を保ちながら世帯人数が減る結果を生む。

他にも高齢者施設に入所したりしているとどうなるのだろう?特養やサ高住(サ高賃?)の場合は??

とにもかくにも人が減っているのは事実。そして、それはわかりきっていたことで、予測通りの未来が訪れた結果になる。

興味深かったのは「人口上位 20 か国の中で減少となっている国は日本のみ」という結果。

日本の人口は世界で11番目。

他の国とは違い、減少している。

日本だけが。

これはとても興味深い。

世界でまだどこも経験していないことを経験しようとしている。いや、経験している真っ最中。

ここで、「人口減少社会」での問題を明確にして、その対処法を見出せて、軟着陸させられたら、その取り組みはこの後続く「人口減少国」の助けになる。

減少している人口をなんとかして増加に向かわせようとか考えないで、この大きな課題に逃げずに向き合わないといけない。向き合った方がいい。繰り返すけど、人口を増やそうとか考えない方がいい。

増えない予想が出ていて、ほぼ予想通りに進んでいるのだから。

もう1つ面白いデータがあった。

人口密度の高さも世界11位なのだ。(338人/㎢)

人口1000万人以上の国の人口密度ランキングで見ている。

日本の国土からしたら、まだ人口は減ってもいいのかもしれない。

インドは人口数13億8000万人で世界第2位、人口密度464人/㎢で世界第5位。

まあ、平均値なのでなんともイメージしにくい。

けれど、「東京都、沖縄県、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、福岡県、滋賀県、大阪府」以外は人口減少していることを考えると、人口の配分にはかなり大きなばらつきがありそうだ。

これは、均一化を目指して国内でバランスをとった方がいいのか、人口が集中する場所に資源を集中させて合理化をめざしたらいいのか、意見が分かれそうな気がする。

インフラ整備やライフライン維持のコストを考えたら、ある程度は人は集まっていた方が効率がいい。

しかし、「密集」と表現されるほどになった時には問題が生じるのではないだろうか?

東京都の人口密度は6410人/㎢で国内では飛び抜けている。

それでも、東京に人が集まるのは何故なのだろう??

東京には「ないものが在る」からじゃないか?って思っている。

何かが既に在るところを人は目指さないのではないだろうか?

東京には何かが「ない」から、人は向かうのかもしれない。

たとえば、田舎のしがらみとか。

あるいは、他の場所に比べて「飲み込む力」が強い場所なのだろう。

シンクに貯めた水を抜くとき、排水口に向かって水は集まっていく。(学問上は違う表現をされていた気がするけど、忘れてしまった)

そんな感じで、東京に吸い込まれていくのかもしれない。力のある街なのだ東京は。

人が減っていき、高齢者は増える。

世界が未だ経験していない問題をすでに突きつけられている日本。

どこにも参考にする例がない。

何か問題があるたびに「他国の動向」を基準にしてきたような節があるけど、この問題は日本が独自に考えて、世界に向けて発信しないといけない。今のところ。

もう1つやりようがあるとすれば、どこかの国が、日本のような問題を抱えて、その問題をクリアして、その解決方法を発表するまで待つ。それを参考に大好きな「ジャパンズウェイ」とか名付けて、二番煎じを狙う。

高度経済成長の時のように。

ただ、当時の状況とは構成員もメンタリティも立ち位置も違う。

こればっかりはリーダーシップを取れる国であって欲しい。二番煎じで生きてきた人には難しいと思う。何か小さなヒントから発見して大きくできる人が世の中を動かすのだろうと予測している。

つまり、政府とか大企業の大きな力じゃなくて、地方の民間企業とか小自治体の規模。

大きな力にはそれが得意な課題を解決してもらおう。人を雇うとか、決まりきったものを量産するとか。

クリエイティブな何かは小さな方から生まれるように思う。その意味で、人口減少している県とか都市は、ちょっと注目しているし期待している。

がんばろう新潟。

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