風邪ひいたら家でじっとしていられたらいいのに

「COVID-19は風邪みたいなものだ」のような発言に対して怒ったり反論したりする風潮があります。

おそらく、「甘く見るんじゃない」「もっと重い病だ、一緒にするな」と言いたいのではないだろうか?と想像しています。

ICUに入って人工呼吸器をつけたり、死者が出たり、一人の感染者から多くの感染者が出たり、そういう病が「風邪」なわけないだろう、との主張なのでしょう。

つまり、「風邪のような軽い病と一緒にするんじゃない。もっと重くて恐ろしい病なのだ」と。

そういった主張をされる方の「風邪」のイメージは「取るに足らない病」なのでしょうか?

風邪と呼ばれるのは上気道症候群とか感冒症状とか呼ばれて、特異的な所見や症状のある固有の診断名をつけられない時に使われている印象があります。

その風邪に対して医療ができるのは「症状に対した対症療法」です。

原因となるものが明らかにできないので、出ている症状に対してその症状を抑制する薬物の投与が主な対策です。

風邪症状を生み出すウイルスは複数存在して、そのウイルスはちょっとずつ変異?しているそうです。

仮に風邪の原因となるウイルスが特定できたとして、そのウイルスに直接働きかける薬剤を開発するなど言っていると、色々間に合いません。

なので、起きている症状の抑制を行いながら、本人の免疫機能で異物に対して対応してもらう作戦をとるのが通常です。

風邪をひいて、病院を受診した時の対応を思い出してみましょう。

そして、その対処が遅れすぎたり、免疫機能が落ちていたりすると、こじらせてしまいます。

そうすると、風邪がスタートでも肺炎になったり、倦怠感がひどかったり、循環器の問題になったりと難しい状況に発展してしまいます。

COVID-19も同じように思います。

軽い症状に終わる人もいれば、重い肺炎や循環器の問題に発展してしまう人もいれば、倦怠感などが続く人もいます。

季節性のインフルエンザも同じように思います。

若い人でも、インフルエンザをきっかけに肺炎、昏睡、ICUで呼吸管理を経験する人がいます。

本人は自覚していなくても基礎疾患が潜んでいると、体は免疫機能が低下した状態になります。

その結果、長期のベッド上生活を余儀なくされて、年齢が若くても足腰が見事に弱り、歩くのにも介助が必要になります。

疲れやすいらしく、一日中ボーッとしていたそうです。

COVID-19が特別な部分もあるかもしれませんが、世間の持つ「風邪やインフルエンザ」のイメージが軽すぎるとも感じています。

「COVID-19は風邪みたいなもの」の意味を、「風邪のようにどうってことないもの」とうけとるのではなくて、「風邪のように重病に発展するもの」と捉え直した方が良い人たちはいます。

「ただの風邪だから」と、仕事や学校や遊びや部活や性活を休まない人は多いようです。

それは、世間の空気感が「風邪程度で休むなんて何事か」を作り出しているからじゃないですかね?

「風邪は侮れない病だから、風邪症状があるのならまずはゆっくり休もう」を共通認識にできないものでしょうか?

色々難しさはありそうですけど。

対症療法しかできない。
こじらせると命の危険がある病に発展する。
誰でもかかる可能性がある。
重症化するかどうかはその人次第。
どうってことない症状のまま経過する人もいる。

などなど、風邪や季節性インフルエンザとの共通点が多いと感じます。

今回の騒動を機に、風邪に対するイメージ(危機管理)を上げると、今後も安心なのではないでしょうかね。風邪で休める社会になれているかどうか。

風邪を怖がるのがおかしいのではなくて、風邪なのに休めない社会の方がおかしいよね、と皆が言える社会が良いように思います。

風邪は対応が難しい病だと個人的には感じています。。医療職の皆さん、ありがとうございます。

だからこそ、日頃から自分の体を観察して、自分の生活を顧みて、暮らしていないといけないのだろうな、と思います。火事で言うならボヤのうちに消してしまうとか、火の近くに燃えそうなものを置かないとかですね。

風邪を甘く見るな!と怒る人が増えると良いのでしょうかね?

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