予期せぬ大金を手にすると不幸か?

年末ジャンボ宝くじが販売されたと人から聞いた。

子供の頃、親が年末ジャンボを買って神棚に上げていたのを覚えている。

神頼み。

「買わなきゃ当たらない」それはその通りだけれど、ほとんどの人が「買っても当たらない」現実を意図的に頭の中から消している。

幼少の私達兄弟は、当選番号が新聞に掲載されると、番号の照合係をやった。遊びの一環だ。

我が家の最高当選金額は1万円だったような気がする。もしかすると他の宝くじで高額当選を果たしていたかもしれないが、子供に内緒にしていたのかもしれない。

大人になってから聞いた話では、父は競馬や株で高額の配当を得ていたというのだ。私達の教育費に消えていったようだったけど。尊敬できる父だ。

賭け事で意図せず大金を手に入れると人生が狂うと聞いたことがある。

自分がある日突然1億円を手にしたらどうするか?そんなシミュレーションを何度も行ったことがある。

そのシミュレーションを行った年齢によって異なるのだけど、若い時は「あれがほしい、これがほしい」と買い物リストができあがるほどだった。

ある歳では「いかに働かなくて済むようにできるか」などを考えていた時もある。

今なら、さしずめ自分と兄弟のローン返済を手伝うかな。残ったお金があるならアルビレックス新潟に課金したい。

現実に存在しないお金の空想だ。

宝くじなどでいきなり大金が手に入るパターンと同じく、予期せぬビジネスで大金が手に入っても似たようなパターンをたどる気がする。

かつて付き合いのあった経営者は、もともと貧しい家の生まれで、家庭内にも多くのトラブルを抱えていたようだった。

それが、経営努力なのかインターネットマーケティングなのか、ある事業が成功して今まで見たこともない大金を手にしたようだった。

マーケティング商材の広告に出てきそうなストーリーを地でいくような人だった。

その時がピークでそこからは下降線だったらしい。

その後、努力をするどころかなんだかんだ理由をつけて事業から逃げて事業はうまくいかず、蓄えを削りながら暮らしていたようだった。

聞いた話では簡素な暮らしどころか散財に近い感じだったらしい。

身につけるもの、乗っている車、住んでいる場所、わかりやすくそこにお金が動いていた。

どのくらいその浪費生活が続いたのかは蓄え次第なのだろうけど、本人は働いていないようだった。

しかし、一度は事業で大金を手に入れた経験のせいか「自分はいつでもビジネスでお金を生み出せる」と思っていたらしい。人から聞いた話だ。

これも商材の広告や、成功者の失敗ストーリーや、「あの人は今」系の話で見聞きする。

人が堕ちていくのはパターンがあるのだ。

真摯かどうかはおいておいて、ビジネスを継続するなり、誰かと協力したり雇うなりして、関係する人に喜んでもらいながら自分にお金が回ってくる仕組みを作らずに手にした大金は宝くじと変わらないのだろう。

今、その人がどうなっているかはわからない。

世の中にはいろんな甘い話がある。

そして、私の耳に届く範囲でも「一時の幸運によって堕ちていくパターン」を実践した人がいる。

全てが嘘だとは言わないけれど、誠実に暮らしていたい。

虚構と現実に線が引けるような大人でいたい。その上で虚構を楽しめる大人でもありたい。


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