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金沢用水歩き①(大野庄用水編)

こんにちは。「用水の街 金沢」です。金沢市には約50本の用水が流れていて、様々な風景を構成しています。その素晴らしい用水の魅力を調査すべく用水沿いを全て歩いて制覇しようと思いました。その記録をnoteで発信して、皆さんが金沢市の用水沿いを一人でも歩きたくなったら嬉しいです。

冨永佐太郎によって完成されたと伝えられている金沢で最も古い用水という事で記念すべき一本目の用水は大野庄用水です!

大野庄用水

(国土地理院より)

今回は金沢駅(下流)の近くから犀川(上流)を歩きました。途中、観光地の武家屋敷を通るのが特徴です。所用時間は80分です。(用水を注意深く観察しながら歩いた時間なので普通に歩くならもっと早く歩けます)

今回は下流から上流の方に向かって歩きました。

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始まりは「三社どんど」という分流地点からです。「どんど」とは水門を意味します。階段があり、降りれるようになっているため、江戸時代にはここで舟から物を受け渡ししていたのだろうか・・・。

そこから大通りを抜けると用水はくねくね折れ曲がりながら住宅街の中に入っていきます。

1.住宅街

大野庄用水3


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残念ながらこの区間は用水沿いを歩く事ができません。なので、住宅街からたまに顔を出す用水を周り道をしながら見失わないように追いかけるのも醍醐味かもしれません。また、用水が折れ曲がる地点が多く、折れ曲がる地点ではどうしても角の水流が遅くなり、ゴミが溜まりやすくなります。このゴミが溜まる問題もどうにか解決したいですね。

水流を見失わないようにいっそのこと、部分的に暗渠にしてみるのはどうだろうか。透明なブロックを用水の上に並べ、用水の上を透明なブロックに乗りながら歩いてみると住宅街の中でも用水を見失わずに歩けて、面白いかもしれませんね。

また、上記の写真では用水が住宅と住宅のプライバシーを確保していて、ブロック塀が転落防止の用途で使用されているように見えます。ブロック塀が「視線防止」の用途で使用されるのではなく、「転落防止」の用途で使用されているのであれば何か物が置ける柵になっていて収納スペースになっていても良さそうですね。「用水=プライベートを分ける存在+柵=新しい住宅にとっての公共用途」。この構図ができると用水沿いにしかできない価値が生み出せるのではないだろうか。

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積極的に用水に設えを近づけていく住宅もありました。網の場所を開けて洗濯物を洗ったりしていたのだろうか・・・。網を開けて用水を見ながら食事なんかも良いですね。

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取水口を設け、自分の庭に引き込んでいる住宅もありました。用水沿いならではの風景ですね~。

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コンクリートブロックが埋められ、用水を4つに分けている場所がありました。これは何だろう・・・。(後で情報を調べ追記できたらと思います。)

さて、住宅街を抜けると、観光地の武家屋敷跡に入っていきます。

2.武家屋敷跡

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土塀と用水の風景が趣のある風景を演出しています。タイムスリップした感じになりますね。用水沿いの柵も完全には整備されておらず、土塀と用水の風景を壊さないように石が転落防止の役割になっています。

この風情ある風景も何百年前には当たり前の日常の風景だったはずです。ですが時が経ち、現在ではその風景が珍しいということで観光地化する。何かこの現象を見て、「時を止める」デザインというのは何もしていないのに何百年後に価値を有する素晴らしいデザインだなと感じました。最も意図的にこの現象を作りだすのは難しいとは思いますけどね。

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武家屋敷跡には取水口が多くあり、お屋敷の池の水に引き込まれています。

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こういう歴史ある風景では、何が先に作られ、その後に何が作られたか「歴史の堆積」を考察しながら歩くのも楽しいと思います。自分は上記の風景は用水→護岸(旧護岸)→土塀→樹木(護岸の隙間から)→護岸(樹木を歴史ある風景として残した)→石(風情ある柵の用途として)の順番ではないかと推測します。違っていたらごめんなさい。

先程、「時を止める」デザインが何もしていないと言いましたが、「個人」として大胆にデザインをしているのではなく、何十年、何百年に誰かが少しずつ手を加え続けることによって「個人がしたデザイン」に見えないから何もしていないように見えるだけなんだとこのnoteを書きながら思いました。

武家屋敷を抜け、お店が建ち並ぶ片町の路地に入っていきます。

3.片町

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片町を流れる用水は主に細い路地を通っていきます。細い路地の周りには様々なお店が建ち並んでいるのでどのお店に入るか決めながら用水沿いを歩くと良いでしょう。

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途中で見つけたレリーフ。大分、年季が入っており、良い雰囲気を出しています。

4.最後

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細い路地を抜けていくと急に開けた場所に出て、犀川と大野庄用水が繋がっていた事を知ります。先程での細い路地との対比で感動すること間違い無いです!

ここまで読んで頂きありがとうございました。他の用水についてもこれから発信していくのでこれからもよろしくお願いします。

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