マガジンのカバー画像

山行記

12
30年振りに山に目覚めた中年男の登山記録 己と山に問い続ける
運営しているクリエイター

#登山

山行記その11 西穂高岳〜犀の角のように〜

死ぬまで新しい体験を続けていきたい。 そしていつか死んでしまう時、それさえも新しい体験と…

山行記その10 岳沢トレイル〜White & Blue〜

これまで幸運にも大病もせず生きてこられた。ここまできたらなんとか90まで元気でやっていけた…

山行記その9西穂独標〜届きそうで届かない頂

夏のこと。 流行り病に罹患しかなり苦しんだ。外国で生まれた微小なるものが、人から人へと受…

山行記その7 常念岳〜人生の街〜

初めてその名を覚えた北アルプスの山は常念岳だった。この街の西側に連なる山脈のうち、ひとき…

山行記その6焼岳 〜いつか無に還る〜

焼岳は活火山である。 頂に近づくほど、音をたてて噴気が立ちのぼり、強い硫黄のにおいがたち…

山行記その5奥穂高岳〜自分の人生にイエスと言う〜

山頂はこの寒さで雪だそう。次に麓から見上げる時は白を反射して輝いているのだろうか。一瞬の…

山行記その4 前穂高岳 〜It's a wonderful life〜

節目の歳を迎えて思い立ち、幾座かの山行を目標と定めたのであるが、思うに任せぬものはやはり天気だった。 こんなに身近な山なのだから、晴れの日を選んで行けばよいと、伸ばし伸ばしにしていたらもうすっかり秋である。天気がいい時は仕事の都合がままならず、青空に映える晩夏の山並みを、スーツ姿で恨めしく見上げることもしばしば。 いつかも書いた通り、時間と天候、諸々のしがらみが、山行の前に立ちふさがる。こんなふうにもたもたしているうちに、何も為すことのできぬまま年老いてしまう。 山は決して

山行記その2蝶ヶ岳〜そして私は蝶になり、夢の中へ飛んでゆくわ

随分と早い梅雨明け。 短い雨季の間、やまなみは雲に隠れ、雨が降るたびに雪解けが進む。次に…

山行記 その1燕岳〜白き女王は中年男に何を囁いたか〜

つづら折りの急な山道を、ゆっくりと下る。 標高が下がるとともに、沢の音が次第に大きくなる…

山行記 その0〜何故だかまた登ることにした〜

三十年ぶりに登山を再開することにしました。みたいなおじさんが一番遭難する確率が高いのだそ…