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USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

森岡 毅
1972年生まれ、兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。96年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させる。12年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、執行役員、マーケティング本部長。


1.マーケティングって何?

「商品を売れるようにする仕事」―これがマーケティングです。営業が商品を売ることに集中する一方で、マーケティングは商品が自然に売れるような状態を作り出します。顧客が自ら進んで商品を選ぶような環境を整えることがマーケティングの基本となります。

マーケティングには大きく分けて2つの種類があります。それは「B to Bマーケティング」と「B to Cマーケティング」です。「B to Bマーケティング」とは企業間取引のためのマーケティング技法で、一方「B to Cマーケティング」は個人(消費者)に商品を売るためのものです。方法やアプローチは異なるものの、その根底には共通の原則があります。

成功するマーケティングとは、商品が自己主張せずとも顧客にとって自然な選択肢となるように仕向けることです。マーケティングの本質を理解し、適切な戦略を実行することで、商品が自然に売れる状態にすることができます。

2.売れる仕組みづくり

マーケティングの本質は、ただ商品を売ることではありません。著者が述べるように、「売れるしくみをつくること」こそが本質となります。そのしくみは、消費者と商品の接点をコントロールすることによって創り出されるのです。そして、その接点は以下の3つ。

①消費者の頭の中を制する
認知率を高めることが、マーケティングの第一歩です。消費者は知らない商品には関心を持ちません。どれだけ多くの人に商品を認知させられるかが、成功へのカギとなります。

②店頭を制する
消費者のブランドエクイティー、つまり頭の中にあるブランドイメージを意図的に構築することが重要です。店頭でのディスプレイやプロモーション活動を通じて、消費者に強い印象を残すことが求められます。

③商品の使用体験を制する
一度購入された商品をリピートしてもらうためには、商品の価値を最大限に引き出すことが不可欠です。消費者が満足する使用体験を提供することで、リピート率を向上させ、ブランドの信頼性を高めることができます。

これら3つの接点を制することで、マーケティングの本質である「売れるしくみ」を構築することができます。この戦略を取り入れることで、確実に次のレベルへと進化させることができるでしょう。

3.「ヒト」を重視する

マーケティングにおいて深い関係にある戦略。戦略とは、「目的を達成するために資源を配分する選択」。つまり、目的を実現するために資源をどう使うか、その選択が戦略なのです。資源とは何か?それは経営資源であり、「カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産」などが含まれます。

しかし、すべての資源に同じ重みを置くことはできません。全てを手がけようとする考えは、無駄に資源を使うことになります。戦略的に選択し、集中することが重要です。そして、重要なのは資源の中でも特に「ヒト」です。なぜなら、人的資源には無限の可能性があります。だからこそ、人材の有効活用が会社の成長にとって極めて重要なのです。

戦略は、何をするかだけでなく、何をしないかも決定することです。そして、その中でヒトの力を最大限に引き出すことが、成功への鍵を握ります。

まとめ

マーケティングの本質は、顧客の心を掴むことにあります。それは、製品やサービスの単なる販売ではなく、顧客との強い絆を築くことです。顧客のニーズを理解し、彼らの期待を超える価値を提供することで、真の成功が得られます。そのためには、創造性と洞察力が不可欠です。マーケティングは、単なる交換の場ではなく、人々の生活や感情に深く関わる存在なのです。

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