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一生ものの「正しい敬語と上級の気遣い」 先生! ダメダメな私を2時間で仕事デキる風にしてください!

諏内 えみ
株式会社ライビウム代表、マナースクールライビウム代表、親子・お受験作法教室代表。


1.デキるビジネスパーソンへの第一歩:プレゼン上達の秘訣

ビジネスの現場で一目置かれる存在になりたいなら、「プレゼン力」を磨くことが不可欠です。例えば、新規企画のプレゼンテーションを会議で行うときに、つい使ってしまいがちなフレーズに「じゃあ、説明します」や「それでは、ご説明させていただきたいと思います」があります。しかし、こうした表現では相手の関心を引くことは難しいでしょう。

では、どうすれば相手の心をつかむ伝え方ができるのでしょうか?鍵となるのは、「それでは私からご説明いたします」という一言です。プレゼンは、謙虚過ぎると説得力が欠けてしまいます。自信に満ちた毅然とした態度が求められるのです。謙譲語の「させていただきます」を多用すると、低姿勢過ぎる印象を与え、自信の欠如を感じさせます。シンプルに「ご説明いたします」「質問をお受けいたします」と言うことで、堂々としたプレゼンが可能になります。

また、プレゼンの最後に質問を募る際も工夫が必要です。「質問とかどうですか?あ、ないですね」や「ここまでで、ご質問はおありですか?ないようでしたらこれで終了したいと思います」では、関心を引くことはできません。デキる人は、「ご質問などございましたら承ります。例えば、○○についてご不明な点はございませんか?よくある質問は…」と具体的な例を挙げながら質問を促します。最初の問いかけで挙手がなかった場合も、「ではこの辺で…」と終了する前に「○○についてはいかがですか?」と特定のポイントに絞って再度問いかけるのです。具体的なイメージが湧くことで、思いのほか質問が飛び出してきます。

さらに、「よくこの質問を受けるのですが、みなさんはいかがですか?」と過去の質問を引用することで、「実はそれが知りたかった」と相手に気づきを与えることができます。質問の募り方一つで、相手の関心を引き、効果的なコミュニケーションが実現するのです。

2.上司への言葉づかい

言葉の使い方で最も悩ましいのは「上司との会話」ではないでしょうか?特に、言いにくいことを伝えなければならない場面では、その難しさが一層際立ちます。例えば、帰り際に上司から大量の仕事を頼まれた時、どのように返答すれば良いのでしょうか?つい言ってしまいがちなのは「無理です」「できません」「約束があるため本日はいたしかねます」といった言葉です。しかし、これでは上司に与える印象が悪くなってしまうでしょう。

そんな時に使いたいのが、著者が紹介している「申し訳ございません。本日は所用があるのですが、明日の午前でしたら作業できます」という一言です。このフレーズは、代替案を出してやる気を見せることで、好印象を与えることができます。「無理です」「できません」とストレートに拒絶するのではなく、「所用」や簡単な理由を添えて、「この後の時間は難しいのですが…」と柔らかく聞こえる表現を選びます。その上で、「明日の朝一番でしたら対応させていただけますが」と代替案を付け足すことで、相手に誠意ややる気が伝わるのです。

もう一つ、言いにくい場面といえば、上司から終業後の食事に誘われたものの、予定があって行けない時です。この時、「今日は無理です」「あいにく、この後は所用がありまして…」という言葉では、やはり印象が悪くなってしまいます。

そんな時、一目置かれる返答は「残念ながら今日は所用があるのですが、次の機会にお声がけいただけるとうれしいです」です。注意すべきは、「ご一緒したいか、したくないか」で言葉を選ぶことです。もし、上司と食事したくなければ、「あいにく、この後は所用がありまして…」とだけ伝えます。一方で、上司と食事してもいいけれど、その日は都合が悪い場合は「ぜひまた誘ってください」など、次回に繋がる言葉をプラスします。「次回は有りか無しか」を匂わせて断ることで、好印象を保つことができるのです。

3.お客様への言葉づかい

上司への謝罪は緊張しますが、クライアントへの謝罪はさらにハードルが高いです。特に、自分のミスでクライアントに迷惑をかけてしまった時、どうすれば効果的に謝罪できるのでしょうか?つい口にしてしまいがちな「この前は、ミスをしてしまっていろいろとすみませんでした」や「前回は勘違いでご迷惑をおかけしまして、申し訳ありません」といった言葉では、相手に響かないかもしれません。

著者が提案するのは、「先日は私の手違いでご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。信頼を回復できるよう、全力で取り組ませていただく所存です」という表現です。この言葉には、真摯なお詫びと「次こそは」の決意が込められています。

重要なのは、ミスをしたらまず誠心誠意謝罪することです。「信頼を回復できるように精一杯取り組んで参ります」など、次のチャンスをいただきたいという気持ちを率直に伝えることが肝心です。謝罪においてはカッコよくスマートな言い回しよりも、素直で真摯な姿勢で心からお詫びすることが大切なのです。

さらに、クライアントに対して謝罪が必要なもう一つの場面は、「失言してしまった時」でしょう。つい「…(あ、まずいこと言っちゃった)。」「大変失礼いたしました」と言ってしまいがちですが、これでは相手の怒りは収まりません。相手の怒りを最小限にするには、「意図せず失言してしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます」と言いましょう。本心ではなく勘違いからの言葉だったことを伝え、心から謝罪することが重要です。「意図せず」「意に反して」「図らずも」といった言葉を用いて丁寧に失言を謝罪し、不快感を与えてしまったことをお詫びするのです。

まとめ

言葉づかいは、コミュニケーションの基本であり、他者との関係を円滑にするための重要な要素です。適切な言葉づかいは、相手に対する敬意や思いやりを示し、信頼関係を築く手助けとなります。逆に、不適切な言葉づかいは誤解やトラブルの原因となりかねません。場面や相手に応じた適切な言葉を選ぶことで、円滑な対話が可能になります。特にビジネスや公式な場面では、丁寧で正確な言葉づかいが求められ、これがその人の評価にも繋がるのです。

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