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決定版AI 人工知能

樋口 晋也
NTTデータ
株式会社NTTデータ 技術開発本部エボリューショナルITセンタ AIソリューション開発担当 課長。21世紀政策研究所 研究プロジェクト「人工知能の本格的な普及に向けて」委員。

城塚 音也
NTTデータ
株式会社NTTデータ 技術開発本部エボリューショナルITセンタ AIソリューション開発担当 部長。NTTデータ エグゼクティブR&Dスペシャリスト。名古屋大学非常勤講師。


1.AIとは何か?

人工知能(AI)は、今や私たちの生活のあらゆる場面で存在感を増しています。そもそも、AIとは一体何なのでしょうか?AIとは、コンピューターのソフトウェアシステムであり、人間の脳が行う知的作業を模倣するものです。AIの定義は研究者やユーザー、サービス提供者によって異なりますが、著者は「機械により人間の知的活動を再現したもの」としています。

AIの特徴的な役割は3つあります。それが「センシング」「分析」「制御」です。「センシング」とは、インターネットに繋がったモノが情報を収集し、そのデータを分析場所に送ることを指します。「分析」はまさにAIの真骨頂であり、膨大なデータを解析し有益な情報を抽出します。そして「制御」は、分析結果に基づき、ユーザーに対して最適な支援情報を提供することです。

このように、AI単体では限界があるものの、センシングと制御を巧みに組み合わせることで、高度な処理が実現可能となります。AIの進化は、私たちの生活を劇的に変える可能性を秘めています。

2.AI技術発展の背景とは?

未曾有の進化を遂げる人工知能(AI)の驚異的な発展には、3つの要因が絡み合っています。まず、ハードウェアの進歩が挙げられます。チェスの頂点に立ったIBMの「ディープブルー」は、その演算能力の向上によって可能となりました。驚異的な評価関数と2億手先まで予測する探索技術の融合が、新たな次元の性能をもたらしました。

そして、データ量の爆発的な増加も見逃せません。今や30億人とも言われるネットユーザーが生み出す膨大なデータが、AIの精度向上を後押ししています。LINEや動画撮影など、我々の日常が生む情報の海が、AIの力を引き上げる源となっています。

さらに、アルゴリズムの劇的な進化があります。その代表格が「ディープラーニング」です。生物の脳構造を模倣したこの手法は、AIの新たな地平を切り拓いています。ハードウェア、データ、アルゴリズムの三位一体が、近年のAIの飛躍的な進化を支えているのです。

3.AIありきの時代

未来のビジネス展開において、AIが不可欠な存在となる時代がやってきました。しかし、AIをただ導入するだけではなく、その目的を明確にすることが重要です。成功例に惑わされず、自社のビジネスに本当に必要なAI活用を考えることが必要です。AIは手段であり、目的ではありません。したがって、AIを使うべきアイデアがあるかどうかを見極める必要があります。

AIの最大の利点は、人間の関与を減らし、高度な自動化を実現することです。この利点を活かし、高速かつ全自動で付加価値の高いサービスを世界中に展開することが重要です。人の介在がないため、驚異的なスピードでビジネスを成長させることが可能です。

まとめ

人工知能(AI)は、科学技術の進歩において驚異的な進展をもたらしています。AIは、医療診断から自動運転、金融取引まで、あらゆる分野に応用されています。その技術は、人間の知識や経験を超え、新たな洞察や解決策を提供します。しかし、その一方で倫理的な問題や安全性の懸念も浮上しています。AIの利用には慎重な取り組みが求められますが、その可能性は未来の社会を変革し、より良い世界を築く手助けとなるでしょう。

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