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再審法改正。台湾に学ぶ。

#再審 法改正実現議連、昨日第4回総会。#台湾 弁護士会のトップで、国会議員時代に台湾の再審法改正に尽力した尤美女弁護士に講演していただきました。配布資料に、台湾の裁判所が、ある判決で述べた至言がありましたのでまず紹介します。

「最高裁判所2017年度台抗字第842号刑事決定。
我々は、国家と各機関、組織を設立する目的は、良好な秩序を有し、公益を追求し、正義を貫く社会を建設することによって、人びとの合法的な権益を保障することにあると、信じている。したがって、

もしある人が無実にも関わらず、罪を着せられ、不当に取り扱われていたら、国家はすべての力を尽くして、救済しなければならないことこそ、現代的文明、法治主義が発達した国家が持つべき基本理念である。

そして裁判所は国家の司法機関として、「民権の保障こそ司法が天から与えられた使命である」という認識に対して畏敬の念を払い、積極的に裁判の職責を担うことで、人びとの権益を保障するという本旨を徹しなければならない」


台湾の刑事訴訟法は日本の大正時代の刑訴法とほぼ同じで、台湾でも、冤罪事件が少なからずあり、弁護士会などが長く法改正運動を続け、日本の法務省にあたる行政機関などが最後まで反対してきたとのこと。2015年と2019年に法改正を実現しましたが、最初の法改正は、再審の門戸が狭すぎるという認識で与野党が一致し、最後まで行政機関は反対したものの、最後は評決・議員立法で実現したとのことでした。

法律の内容、改正の経緯、役所の反対など、日本と随所に重なる部分が多く、大きな希望をいただきました。日本の刑事訴訟法を議員立法で改正したことは聞いたことがありませんが、十分選択肢になり得ると意を強くしました。尤美女弁護士からも、チャンスを掴めば必ず転機は訪れると激励をいただきました。

議連は、おかげさまで各党から286人の国会議員に入会していただき、さらに改正の機運を高めていきたいと思います。

私は、法曹資格がないのに法務委員会に長くいる変わり者ですが、振り返れば、取り調べの義務化や性犯罪の刑法改正など、非常に大きな法改正に多くの方に支えられながら関わってきました。再審法改正も、慎重な法務省も含めて大変素晴らしい方々と議論、意見交換、ご助言を頂いています。改めて皆さまに感謝申し上げますとともに、これまでの課題を解決する大きな一歩となる法改正を、必ず実現したいと思います。

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