オインクゲームズらしいトリテってなんだろう

突然だが、「オインクゲームズ」、という言葉に聞き覚えはあるだろうか。
このメーカーは「海底探検」や「スタータップス」「藪の中」などを製作し、
昨今では2022年のドイツゲーム大賞を受賞した「SCOUT」の海外版も製作している。
もっと言えば、デジタルゲームでは「とらきちのトラキッチン」というアルゴリズムを考える、
子ども向けのプログラミングゲームを製作したり、「MUJO」といったパズルゲームを開発している。
最近配信者の中でも話題になっているのが「Let's Play! オインクゲームズ」という、
SwitchやPCで遊べる、実際のボードゲームをデジタルのプラットフォームで遊べるソフトが
大きく流行り、特に「この顔どの顔?(旧題:がんめんマン)」や「エセ芸術家、ニューヨークへ行く。」が
よく遊ばれている印象だ。(個人的に「スタータップス」遊ぶために買ったんだけど…)
…さて問題。

「『オインクゲームズ』らしい」とは何だろう?

…これは人の意見にもよるだろうが、「オインクゲームズ」らしい点がいくつかあるはずなのだ。
その前に、「オインクゲームズ」のデベロップについて書き連ねておこう。
なお、この場合は「ボードゲーム」のみに絞って考えることにしよう。
オインクゲームズのゲームはおおよそ3つに分けられる。

A:佐々木氏(オインクゲームズ代表)かオインクゲームズ内のスタッフが自らのゲームデベロップをして、製品にしている
B:他の作者のゲームにリデザインを施し、製品にしている
C:他の作者がゲームデベロップをして、オインクゲームズが製品にしている

Aの場合は、「海底探検」や「藪の中」などがそれに当てはまる。なお、先ほど挙げた「スタータップス」は「ライツ」のリメイクだし、「藪の中」も新版が出ている。この場合も、Aに当てはまるとしよう。
また、サンリオの「スピードウルフ」も、もともとは「ゾーゲン」というゲームのリデザインだし、
「ナインタイル」なんかはもう様々なキャラクターとコラボしていて、いやはやその影響力計り知れず、という感じで。
ついでに、「デュアルクラッシュポーカー」は映画「賭ケグルイ」に登場するゲームとして、監修を行ったものである。
Bの場合は意外と知られていないが、「HEY YO」などがそれに当てはまる。
もともとこれは「ファイブラインズ」というゲームのリメイク・リデザインだし、
もっと言えば「ダンジョンオブマンダム」などは「I Was Game」の同名のゲームのリメイクだし、
「トリックと怪人」なんかもそうで、ケンビルの「バイバイレミング」も「フロッサムファイト」…というように、
意外とリメイク・リデザインを出しているのだ。なんなら、「SCOUT」もこれに当てはまる。
余談だが、ライナー・クニツィアの「モダンアート」や「ツインズ」もリメイクを掛けている。
モダンアートについては2回もリデザインを出している。
Cの場合、他の作者によるゲームだが、その底にはなにもないことが特徴である。
「ドリアン」は先ほど挙げた、「I Was Game」の上杉氏のゲームデザインで、おそらくそのもとは何も無いと思われる。
「ふくろと金貨」もそうだし、「ドコジャン」も「マスクマン」もそうであると思われる。

もっとも、オインクゲームズについてはどちらかと言うと、アートワークだったり、デザインに力を入れていることが多い。
そのデザインはゲームの内容・またはルールに沿って作られることが多い。
例えば、「月面探検」は1本道を進みながら、物資を回収し、一定数以上の物資を集めることが目的の協力型のゲームだ。
ただし、物資は破損しているものと無事なものがあり、1本道の奥に行けば行くほど、無事な物資の可能性が高くなっている。
ではそれは、どのように表示されているか、マスはチップで表され、そしてそのチップは物資でもある。
チップの形は3,4,5角形のいずれかであり7枚ずつある。そのうち、
3角形が7枚中3枚、4角形なら4枚、5角形なら5枚となっており、その形が含有枚数と直結している。
(もっというと、チップの裏面には数字があり、含有枚数を示している)
また、藪の中のチップも、「しくじりチップ」というものがあり、これが5枚たまると、その時点でそのプレイヤーの最下位になり、
ゲームが終了する。
そのしくじりチップも、6面ダイスの「5」を模したようなデザインになっており、サドンデスまでの枚数を表している。
こういうふうに、オインクゲームズはゲームの大事なルール・細かいルールをデザインに落とし込むのがうまい。
これが「オインクゲームズ」らしさといえるのだろう。

もう一つ、そこに「駆け引きの強さ」、あるいは「人間同士の交差」があると思う。
様々なゲームを見てきたが、「海底探検」はプレイヤーの行動によって長短が変化する、「酸素」というタイマーを使うし、
「藪の中」に関しては強烈なインタラクションを持つし、
「ドリアン」や「ふくろと金貨」、「トリックと怪人」はまさにブラフゲームといえる。
このように、心理要素、あるいは人間の打つ手によって行動が左右されるものが多いように思える。
それをよくあらわしたのが、まさに「エセ芸術家、ニューヨークへ行く。」なわけであって、
そのうち1人だけがエセ芸術家となる「ブラフ要素(?)」、や前の人の書き方によって自分の書き込むべきものを変える必要がある。
「ファフニル」なんかもいい例で、プレイヤーがコマを捨てた数によってゲーム終了がかかり、
全プレイヤー間で持っているコマの数が色ごとによって多い順に加点される。

では、本題。

「『オインクゲームズ』らしいトリックテイキング」は作れるだろうか?

上記の、『デザインにルールを含められる』『駆け引きがある』『他人の行動により、自分の打つ手を考える』
の3つが絡むトリテはできるのだろうか?
あ…、いや、最後の3つ目はトリテと相性が悪い。せめて前2つは導入したい。

デザインに関しては、ルールを作ったのち、それがどのようなデザインになるかどうかを考えてみるか。
駆け引き…。トリテにおける駆け引きとは何だろうか。
「負けるが勝ち」という仕組み…?うーむ、それでは説明がつかん。

そうだ、まずは構成から考えてみよう。どんなものがあり、どんなものが必要であるべきなのか。それから逆算してみよう。
オインクゲームズの箱は、過去のものを含めると4サイズある。名称は勝手に自分でつけたものである。
・過去にダンジョンオブマンダムや旧版の藪の中で採用されていた「スリム」
・現在ほぼすべてのサイズかこれにあたる「レギュラー」
・「ナインタイルパニック」や「ふくろと金貨」で採用されている「ラージ」
・間違いさがし開発課やテレクラフトで採用されている「ワイド」
このうち、今回最もスタンダードな「レギュラー」で考える。
そのうち、カードの枚数がある程度多いのは、「マスクメン」「ツインズ」「注文の多すぎるゲーム」と言えよう。
前2つはカード60枚で、注文の多すぎるゲームは大体80枚くらいだ。
また、カードが十分にあり、チップもたくさん入れられるもの、その代表例といえば「スタータップス」や「SCOUT」が
それに当てはまるだろう。
45枚のカードと、合計70枚以上のチップ、そして大きいチップが5,6枚。このどちらかのパターンに当てはめたい。
オインクゲームズの特徴として、「すべての必要なものがパッケージに収まる」ということだ。
となると、カードはもちろんのこと、得点チップも封入せねばならん。
また、そのチップの枚数にもよるが、その得点幅をよく考えねば。

今のところ、2つのパターンが考えられる。
・カード60枚、チップは30~40枚。
・カード45枚、チップは70枚、大きいトークンが5,6枚。
このうち、60という数字はとっても都合がよい。
3,4,5,6のすべてで割り切ることのできる数字であるからだ。
ただ、想定は3,4,5人用なので、正直どっちでもいい。

さて、ルールはどうしよう。オインクゲームズというのは、どちらかと言うとライト層に向けている気がする。
「マストフォロー」はありで、「切り札」はなしの、スタンダードなトリックテイキングにしようか。
…それで?それ以外のルールは?
得点は何?何をすべき?それが定まらねばゲームになりえぬ。
えーっと…。一旦得点の法則を考えよう。
・トリック数準拠。
・カード準拠。
・予想準拠。
の3つか。
トリック数に準拠するというのは、単純に勝った回数を指す。
例えば1回勝てば1点だったり、逆に1減点だったり。
あるいはスリートリックスもこれに当てはまる。つまり、3トリックまでは、勝利数の平方(^2)が加点となるが、
それ以上は1トリックにつき1点減点となる。加えて全く取れなければ5点減点となる。
基本的に加速度であれば面白い。突然、3トリックちょうどでいきなり9点、その直後転げて-4点…となる。いいぞ。

カードに準拠するというのは、プレイヤーの獲得したカードに応じて点数を算出する。
ハーツなんかはまさにそうで、ハートのカードは数字に関係なく-1点、スペードのクイーンは-13点となる。
もっと複雑な例を言えば「トランプ、トリックス、ゲーム!」もこの1つだ。
1~12までの4色のカード中に、5,6,7,8,9には足跡がある。この足跡が点数になるが、
足跡の1つあたりの点数は、「プレイヤーのもつ色の種類数」になる。
例えば、足跡のついたカードを取り出し、合計が10個だったとする。その足跡のカードに赤、青、緑がある場合は、
10x3=30点。もう一色あれば40点であったか。ということ。

予想準拠が最も難しい。というのも、上記2つのルールを踏まえたうえで、
「さて自分は何トリック取れるか?」あるいは「さて自分はこのカードを取れるか?」といった予想をする。
予想が的中できれば見事に加点される。外せば減点を受ける場合もある。
古典的ゲーム2つから「スペード」「ROOK」を挙げよう。
「スペード」はチーム戦だ。お互いのチームが何トリック取れるかを予想する。
基本的には「予想数以上」であればよい。下回れば減点だ。
例えば「チームで5トリック」と予想したなら、5トリック以上であればよい。6でも、何なら13トリックオールでもいい。
ただしオーバー(予想以上に取ったトリック)は「サンドバッグ」として記録される。
このサンドバッグが合計10になると大きな減点を食らう。下方向は即時ペナルティ、
上方向は累積ペナルティとなっている。これも珍しい例だろう。
「ROOK」も同じくチーム戦となる。しかしここで予想するのはトリック数ではない。
「カードに振られた点数」を踏まえたうえで、それを何点取れるかを競うチーム戦だ。
例えば、5~14の4色のカードがあり、ルークと呼ばれる、最強のカードがある。
5は5点、10,14は10点、ルークは20点となる。総合計は120点となる。
その120点のうち、チームで合わせて何点取れるかを予想する。
最も大きい宣言をすれば点数ゲットのチャンスに挑める…。という仕組み。まあ、競りに近い。

このうち、予想準拠は一旦おいておく。特にROOKのような予想かつ競りのタイプはある程度のカンが無ければ
踏み込むことが難しい。
次にカード準拠はどうだろう。そういえば僕が始めたあたりで遊んだトリックテイキングは
「witches」とか「ボトルインプ」とか、そういったカードに点数が振ってあるものが多かった。
witchesはもうぶっちゃけハーツなのだが、若干ややこしい。加点になるカードもあるし、
減点を倍にするカードなんかもある。まあハーツにもダイヤのジャックが加点になるルールもあるけれど。
「ボトルインプ」はとっても面白いトリックテイキングで、切り札にそのゲームの妙があるのだが、
それは別問題なので棚上げで。
「ボトルインプ」の得点は単純明快で、カードに記された1~6枚のコインが点数となる。
枚数を点数としてやればよい。なお、3色で各スートごとに12枚あるが、
数字はすべてのスートを通して1~37(19だけ3色内に存在しない)が振られている。
で、色ごとに分けて大小順に並べると、低い方から順に1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6枚と、2枚区切りになっている。
基本的に大きい数字が強く、点数も高いが、たまに小さい数字が制することも有る。
UIはとてもシンプルで見やすい。数えるのは大変だが、昨今携帯なんて誰でも持っているから電卓で良かろう。
…となると、この仕組みを導入した際に、トリックごとに「損得勘定」が発生する。
ボトルインプの場合を例にとる。例えば君が確実に勝てるカードを持っていたとしよう。
そのカードの価値は6だ。最も大きい。
前もってことわっておくけど、知ってる人に対して言っておくとボトルや切り札は全く考えない。
簡単なボトルインプってことで。
そして他の人を含めて3人いる。出たカードが2,3の価値の時、[6]が最大だと知っているなら
申し越し稼げると考えてもいいだろう。
価値が6,6と出たなら、君がその最強のカードを切って18点を得たらいい。
しかしどうだ。5,1の価値で、それが終盤なら。もう他に高いカードは無いんじゃないか?
次のトリックに任せた方が高いんじゃないか?そういう風に「トリック内の」損得勘定をせねばならん。
手始めにトリックテイキングとして知ってほしいことは「勝ち負け」だ。
別にそのトリックの「価値の重みを得点から考えてほしい」ことではない。
それは慣れてからでいいから。
と、言うことは、今から作ろうとしているゲームは「トリック数」準拠にすべきか。
トリックテイキングは「このカードで勝てるか?負けるか?」を楽しむ、
1つギャンブルゲームのようなところもある。
まずはそこを楽しんでほしい。問題はどのようにして…
かつ、「既存のものと差別化を図るには」どうしたらよいかを考えるべきだ。

トリック数準拠のものは数多くある。
この場合、その1勝の重みは全く関係なくなる。たとえ必ず勝てるカードで1勝しようが、
負けそうなカードで1勝しようが、それは同じ価値の「1勝」となる。
どうしてもこれに差を設けるのであれば、各々のトリックについての点数計算を変えるほかない。
…うまい人はこれを前提として誰に勝たせるか、誰の勝利の権利をつぶすかを考慮する。
これはビギナーに要求していいテクニックだろうか?ちょっと大変な気がする。
得点は1パターンにする。こうすると自分も相手も同じ定規でトリックごとの点数を計算できる。

話は変わらないようで変わるが、よく「運ゲーだね。」といわれることがある。
僕はこれに関して否定しない。確かに運によって大きく左右されるが、
その運によるままならなさを楽しむのも1つの楽しみではある。
ただし、余りにも理不尽が重なればフラストレーションになることは間違いない。
運ゲーが嫌いなら将棋かディプロマシーかシヴィライゼーションでもやっていればいい。
あとチェスでもいいぞ。
その時のラック(luck)の中でどこまでうまくプレーできるかを競うのがトリックテイキングであり、
決して、常に理論上の最高値を狙うことが大事であるとは限らない。
…言ってしまえば、各プレイヤーごとに手札は異なるのだから、各プレイヤーの取れる上限値は
みな異なる。これは仕方のないことなのだろう…

さて、話はそれたが、得点はどうすべきか。改めて考えよう。
トリック数はいつも一定とは限らない。変動でも良いのだ。
「フリップオーバー」というトリックテイキングはまさにそうで、
各トリックごとに1,2,3,4,5,6,…と今行っているトリックをnトリック目とした時のこのnが点数となる。
ただし、+nか-nかはランダムで、ラウンド開始時にそれは決まっている。
この仕組みとなにかを混ぜられないだろうか。
例えば…「ドリアン」とか。これは先ほど挙げたオインクゲームズの製品なのだが、
失点が7たまるとそのプレイヤーの失格でゲームが終了する。
これもやはり、nゲーム目の失点はn点となるようにゲームを繰り返すほどに失点が重くなるタイプである。
つまり、失点が3であるとき、「3ゲーム目は負けてもいい。でも4ゲーム目からはもうだめだ」という、
リミットが変わってくるわけで。

これらを組み合わせて…こんなものはどうだろう。
・12トリック
・nトリック目に勝利すると+n点
・12点を超えるとバーストとなり、その回は0点(減点でもいいけど。)
(減点するとしたら1つ-1点ってところ?)

おおっ、やはりおもろいもの同士くっつくとそれっぽくなる。
序盤はさほどどうでもいいが、終盤になればなるほど、その勝敗がはっきりと見えてくる。
1回も勝利出来ていないのであれば最後に勝てばよい。
1回でも勝利したのなら最後に勝つことは許されない。
そういう仕組みがきっちりできてるんじゃない?

では、12点ってどのくらいなのだろうか。1から12を全部足すと。
1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11+12 = 55+11+12 = 66+12 = 78
12/78 = だいたい15%
うっっっっっっっっっっっっっっす。
全員バーストするわそんなん。
では逆算しよう。
78の20%は?
7.8x2 = 15.6。
お。ということは15点にしてみるか。
一応代入として減点は0で。

・12トリック
・nトリック目に勝利すると+n点
・[15点]を超えるとバーストとなり、その回は0点

いい感じだ。多分。4人でハチャメチャになるし
5人で丁度分けきれるかどうかって感じか。
15点にしたのは、3,4ゲームやったときの満点をキリよくするためで、
4ゲームなら満点が15点になる。

ベースはこれで確定。
…で、またまた本題。
コンポーネントをおさらいしよう。

・カード60枚、チップは30~40枚。
・カード45枚、チップは70枚、大きいトークンが5,6枚。

今回の場合は、上パターンに合わせるべきだろう。
となると1~12の描かれたチップがあるべきだ。あと使えて28枚。
オインク版のスカウトは得点チップが次のように入っている。
1p:10x
2p:5x
5p:5x
10p:5x
20p:5x
5人プレーの時なら1人平均39点まで表現できる。
つまり、全部で195点。足りん…!!

えーい。ならもうこういうのはどうだ。
得点チップのまん丸を列に並べる。でそれを4セット。
48枚。多い…!!!

待て待て待て。なぜ12トリックなのだ。10でもいいだろ。
総合計が1~10で55。20%とって切り捨てて11。でも11は割り切れちゃうので10に減らして…。

・10トリック
・nトリック目に勝利すると+n点
・[10点]を超えるとバーストとなり、その回は0点

うむ。まあよさげ。オイルまみれのよさげ髪。ズンドコ。
それで、10x4セットで40枚だ!枚数としてはサイコー!

…ところでカード構成はどうしようか。
順当に5色x12枚でもいい。ラウンド数は10枚チップの束が無くなるまでやればよい。
うーん…。60枚なら5色あるっていいよね。あと、11っていう変な感じにするのも面白い。
11というのは3,4,5のいずれでも割り切ることが出来ない。となると、あと5枚はどうするか?
サマリーとして入れるもよし。トリックテイキングというのはちょっと細かいルールが多い。
なので、マストフォローのことについて事細かに書いてみるか。それでいいや。

…あー。いや。チップが10なのに数字11までってめちゃくちゃ違和感だな。
どういうこと?カードも10に合わせてみるか。
で、60枚あるから6色x10?うーん読めない。
5人戦の時は配り切れちゃうのが怖いなぁ。あと色が単純に多くてマストフォローしたもん勝ちになりそう。
コントロールしにくそうだぁ…。
_この裏を返すと、勝てそうにないカードでうっかり勝利するということが起こるだろう。
マストフォローしなきゃ切り札無しで勝っちゃうんだから。

とりあえずモック版で1~10に設定してみよう。シュティッヒルンやペッパーがあれば5人まで遊べるよ。
3人なら4色で、4人なら5色で遊べるよ。よかったね。

オインクゲームズらしさ、実は書いてるうちにもう1つ見つけてしまった。
どんな作品にも、どんな見た目でも、とにかくきちんとバックストーリーがあるのだ。
「HEY YO(ヘイヨー)」を例にとる。もとになった「ファイブラインズ」というゲームは、
おそらくノンテーマである。一方でリメイク後の「ヘイヨー」は、
「DJの演奏に合わせて」「ラップをする」というカードゲームになっている。
リズムに合わせてカードを出すということを、ラップに落とし込んだ感じだ。
また、クニツィアの「Twins」も同じように元は何もないはずだが、
オインクゲームズでは「ギャング同士の抗争で」「2人を組み合わせて戦う」ということになっている。
ウームいいアレンジ。
では今回は?1~10を合わせて何とする?
10にまつわれば何でもいいのか…?
と、言うことで10にまつわるものを上げてみよう。

・ボウリングのピンは10本
・両手で10まで数えられる
・「1から10まで」
・タロット10番が「運命の輪」
・サッカーのエースナンバー
・モーセの十戒
・ダビング10(ダビングは10回まで)
・デカスロンは10種競技

多い多い多い多い多い多い多い多い多い多い。
10にまつわる事多いな。7不思議か?7不思議ならぬ10不思議か?
ここに頼った俺が馬鹿だった。とはいえ、指で折って数えられるのは10までというのは良いな。
何かこれを越えてはいけない…。みたいな。

こんなテーマか?

・僕たちはロボット。でもポンコツだから10までしか数えられない。
 越えちゃうと暴走しちゃう。
・ボートに荷物を載せよう。だから重すぎると沈んじゃう。
 10を超えないように載せようね。

上記2つのテーマは「得点テーマとしてはよくあっている」。
ではカードを出し合って点数を奪い合うことは何とする?
なるほど、これか!これが表現しにくいのか!?
オインクゲームズがトリテを出さなかったのはこういうことか!?
「トリックの仕組みをどう表現するか」が難しいのか!

うおおおおおお。ここが最後の壁か。
ここが決まらなければチップのデザインも決まることもない。
ええーい、もっとひねり出せ!俺の脳みそが!

…ぼくらはかいじゅうだ。
_もう町のみんなはどこかに行っちゃったらしい。
…あれれ?あそこにあるのはぼくたちのエサ。
_ビルでもいい。車でもいい。むこうにはもっとおいしいエサがあるんだね。
…じゃあ、だれがこのエサをたべるかたたかわなきゃね!
_あれ…?たべすぎてねむたくなっちゃった…。

_これだ。怪獣、それもゴ○ラみたいな巨大な。
それで車とかビルとか食べるんだけど、食べ過ぎると眠たくなっちゃうってどうだろう。
それでエサの取り合いをトリックとして表現すればいい。
ということは、1~10の得点チップはビル、車の形にするとか。
まあそのあたりは技術的に難しい…。丸にしてその中に絵を描く感じなのかな。

僕はロボットか怪獣のどっちかがいいなと思ってますが、他にもいいアイデアがあれば
ご一報ください。

あ、タイトル何も考えてなかった。
怪獣テーマなら「JUU」なんてどうだろう。「怪獣」の「獣」と「10」をかけてみたりして。

というわけで、テストプレイとしてふるまってみる。
…で、いきなり痛い意見が出た。

「惹かれない、だから抜けさせて」

正直に言ってとてつもなくショックだった。
自分の中ではある程度まとまってた感じだった。
この意見はつまり、「遊ぶ前からつまらない」と言うことが分かりきっている意見だ。
プロモーションの世界では「買わない」ってことだし、
ニコニコ動画でいえばコメントとサムネをみて「見ない」ってこと。
詰まるところ、ルールに大きな欠陥があるということか。
なんかその…。プログラムでいえば、「Hello World!」と出すだけのプログラムに
文字列の機能を変更したはいいが結局「Hello World!」と出すだけのルールなのか。
逆に言えば、ショックでありつつも、とても有益な意見であるとも思っている。
「お前は何をいっているんだ」ということを直に言わずに、態度で示してくれたこと。感謝している。
同時に、ちょっとリベンジへの野心がわいてしまった。「待ってろ、見返してやる」という気持ち。

では、改めて見直してみよう。

問「このゲームの大きな欠陥は何か。」

改めてこのモジュールを見直そう。

・10トリック
・nトリック目に勝利すると+n点
・[10点]を超えるとバーストとなり、その回は0点

この1つ前のモジュールは12までで15を越えたらだった。
一方でこっちは10までで10を越えたら。

この上限に問題があると見た。
そもそも、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10を組み合わせて10という組み合わせはいくつできるだろう?
10
1+9
2+8
3+7
4+6
2+3+5
1+4+5
1+2+7
1+3+6
1+2+3+4
この10パターンしかない。
一方で、1~10のうち、取れる式の合計は2^10で1024パターンだ。
つまり、10になる組み合わせは1%にも満たない。

このチップの並びを変えてみるか。
1,1,1,1,2,2,2,3,3,4
さあどうだ。
1,1,1,1,2,2,2
1,1,1,1,3,3
2,2,3,3
1,2,3,4
1,1,1,2,2,3
3,3,4
逆にできすぎるな。しかも少なくとも3つを組み合わせなければならない。
とはいえ、今までのことを考えるとじわじわ上がりながらぶつかるのもいい。

1,2,2,3,3,4,4,5,5,6
これはどうだろう?
1,2,3,4
1,2,2,5
1,3,6
1,4,5
2,3,5
2,2,6
2,4,4
2,2,3,3
3,3,4
4,6
5,5
少なくとも2つであり、最大は4つである。
同じ4トリックでも、いつ取った4トリックかで話が変わる。

さらに分かりやすくしたいのなら、同じ数字を2つずつにしてみるも良いか。
1,1,2,2,3,3,4,4,5,5
では?

1,1,2,3,3
1,1,3,5
1,1,2,4
1,1,4,4
1,2,3,4
1,4,5
1,2,2,5
2,2,3,3
2,3,5
2,4,4
3,3,4
5,5

まあまあ融通は効くな。
幅は2~5と広いが、3,4トリックが中心という感じか。
それでもなお、終盤の3トリックは厳しい。
この点に関して後で検討すべきなような気がしてきたな。
別のアプローチにしてみよう。

結局のところ、各プレイヤーは0トリックであることと、10を超えたことによるペナルティを受けることには何の差もない。
この手のタイプは取ることに意味がある。ということは、手札が強くなければゲームにならないということだ。
その逆の救済措置は何もない。3ラウンドにすれば、浮いたチップが10枚できる。
このチップに関して何か手を打とう。そうだな…ミゼール(0トリック)宣言なら何とかなるだろ。
0トリック宣言をして、成功出来たら10点とか。ゲーム中すべてのラウンドで宣言できる。
逆に、0トリックなのに取っちゃったらマイナスとかは?やり過ぎか?でも最大値の10がもらえるんだから…。

むしろ逆向きはどうだろう。「10」を越えないと点数にならないとか。
そうすれば0トリック10点の意味が出てくる。そうすると、何も考えずにとれればいいプレイングになる。
ではそれを抑え込むためには?「サドンデス」にすればよい。いつ終わるか分からない。そうすればちょっと変わるか。
そうなると得点化できる人物がほぼ1人しかいなくなる。0トリックの人物を除く1人だ。
それはさすがに痛いので、ボーナスを付けてあげるとか。例えば10以上になったらその時点で終了する。
10が取れたらおまけで+10点とか。
とにかくこの「10」というギミックは譲りたくはないなと思いつつ、現時点でのルールを整理するとこうなる。

・10トリック
・トリックごとに点数が定まり、それらは後半につれて高くなる
・10以上になったプレイヤーが出たらその時点で終了
・10以上のプレイヤーは+10点
・0トリックのプレイヤーは10点

ややこしや。ちょっとよろしくないかも。点数ではなく2本先取にするとか?
そうなるとトリテに初めて触れた人が苦行だと感じた時、最大(人数+1)ラウンドを遊ばねばならなくなる。
長すぎやしないか?
やはりできて3回までな気はするな。
3ラウンド制にして…、残り10枚のチップを何かにしたいな。

ん-。
サドンデスは残して、10超えたらダメにするか。
その状態で、チップの構成を考え直す。1,1,1,1,2,2,2,3,3,4は20。
1,1,1,2,2,2,3,3,4,4=23。
逆算はどうだ。
人数 x 7は? 21,28,35パターン。
1,1,1,2,2,2,3,3,4,4=23
1,1,2,2,2,3,3,4,4,5=27
1,2,2,3,3,4,4,5,5,6=35

ちょっとまとまらんなぁ…。

人数 x 6.5。端数切り捨て or 切り上げ。
6.5 x 3 = 19.5 = 19 or 20
6.5 x 4 = 26 only
6.5 x 5 = 32.5 = 32 or 33

ここからまず、すべてが1の列を作る。
1,1,1,1,1,1,1,1,1,1。
で、3人ならここに+9か+10,4人ならここに+16,5人なら+22,23だ。

[3P]
1,1,1,1,2,2,2,3,3,4 = 20

[4P]
1,1,1,2,2,3,3,4,4,5 = 26

[5P]
1,1,2,2,3,3,4,4,5,6 = 32

1 4x
2 3x
3 2x
4 2x
5 1x
6 1x 計13枚

これで3セット分までは何とかなる。

でもちょっとややこしいな。まあ並べる用カードを入れてもいいけど。
63枚ならセーフな気はする。twinsでプレイカード60枚に対してサマリー6枚入ってるな…。
入れていい気がする。となると、カード用意して、その通りに並べる、にすればいいか。

・10トリック
・1,1,2,2,3,3,4,4,5,5の順に並んでおり、小さい数字順に取っていく
・誰かが合計値を10を超えた瞬間に終了
*得点計算は以下の通り
 A:誰も10を越えなかったら獲得したチップはそのまま数字が得点
 B:誰かが10を越えたらすべてのチップを裏向きにして数字が減点
 どちらの場合も0トリックなら0点
 
これでどうだ。チップを持つものと持たざる者同士で協力関係が発生する。
バーストしないように動き回ったりとかできそうだな…。またどこかでテストプレイしなければ。

では、これで。

…オインクゲームズさん。

ホントに作ってくれちゃっていいのよ?

(これ以降は今回作ったゲームのルールです。遊んでみてね。)

おしまい

「JUU」
3~5人 30min. 10+
(運) Luck □■□□□ Strategy(技) [mL]
(易)Basic ■□□□□ Expert (難) [B]

使うもの
・カード1~10 x (人数分+1)色
(3人なら4色という具合)
・チップ
 ① 12枚
 ② 9枚
 ③ 6枚
 ④ 6枚
 ⑤ 3枚
 ⑥ 3枚
 (チップは表面が+(プラス)、裏面が-(マイナス)になっています。)
 (例えば、③のチップは表が+3、裏が-3になっています。)
あらすじ
(割愛。)

ゲームの準備
0:最近10にまつわることをした人がスタートプレイヤーになります。
1:スタートプレイヤーはカードをすべてシャッフルし、各プレイヤーに10枚ずつ配ります。
 余ったカードは伏せたまま中央あたりに置いておきます。
2:チップを以下の順に並べます。
[3P]
1,1,1,1,2,2,2,3,3,4

[4P]
1,1,1,2,2,3,3,4,4,5

[5P]
1,1,2,2,3,3,4,4,5,6

ゲームの流れ
・トリックを始める前に、各プレイヤーは好きな枚数だけ伏せて捨てることができます。
 全プレイヤーが捨てたら、余ったカードと捨てたカードを混ぜ、各プレイヤーに捨てた枚数だけ配り、
 また手札が10枚になるようにします。
・1トリック目のリードはスタートプレイヤーが、
 2トリック目以降のリードは、直前のトリックの勝者が務めます。
・リードするプレイヤーは手札から任意のカードを1枚出します。
 以降は「マストフォロー」に従い、時計回りに出していきます。
 リードされたカードと同じ色のカードがある場合、その中から選んで出さなければなりません。
・全員が出した後、リードと同じ色の中で最も大きい数字を出した人がトリックの勝者です。
 トリックの勝者は出されたカードを束ね、チップの列の中で最も小さい数字のチップを取り、
 その束の上に置きます。束は裏向きにして置かれます。
・つまり、1トリック目は1のチップ、7トリック目は7のチップを取ることになります。
・10回のトリックが終わるか、誰かが10点を越えて獲得した瞬間に終了し、得点計算をします。
 A:誰も10を越えなかったら獲得したチップはそのまま数字が得点
  きちんと最後まで10トリック行い、その状態で誰も10点を越えなかった場合は、
  チップを表(+)のまま獲得します。1枚もない人は0点です。
  
 B:誰かが10を越えたらすべてのチップを裏向きにして数字が減点
  誰かが10点を越えて取ってしまった場合は、そのラウンドで獲得したチップを全て裏にし、
  マイナス点(-)として獲得します。1枚もない人は0点です。
  
・最後のトリックを取ったプレイヤーが次のラウンドのスタートプレイヤーになります。
 3回ラウンドを行ったらゲーム終了です。
 
・3回のゲームが終了した時点で最も点数が高い人の勝利です。
 同点の場合、最後のラウンドで多くの点数を得た人が上位とします。
 それも同じ場合は同着です

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