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ムーテレのブレイキングデザインがすごい

前の記事から時間が経ってしまいましたが、諸事情のためこれから少しづつ活動ができるようになったので諸々再開していこうと思っています。私は現在ありがたいことにブランディングからコーディングまで携わる機会を頂いており、ムーテレを何度も見返して得た知識を使って成功に導きたいと思っています。そこで改めてムーテレのブレイキングデザインで感じたことを書こうと思いました。

ムーテレとは

ムーテレは、株式会社クオートワークスさんの代表を務めるムラマツヒデキさんが運営している、業界最前線の目線で主にデザインの考えを発信されているチャンネルです。
以前私が書いたノートで、さらに詳細な解説をしております。

ですが、百聞は一見にしかずなので、未見の方はとにかく動画を見にいっていただだき、高評価とチャンネル登録をお願いいたします!

ブレイキングデザインとは

ブレイキングデザインはムーテレの企画動画の一つで、ムラマツさんの作成したワイヤーフレームから各々がデザインをして勝負するというものです。
ゴール設定からオリエン〜途中経過〜評価と決戦〜さらには裏話など、その過程を追ってデザインが作られていく様を見ることができます。

ブレイキングデザインのここがすごい! 

私が一番すごいと感じたのは、企画全体が実務と遜色ないばかりか、もしかしたらそれ以上に丁寧でめちゃくちゃレベルが高いところです。
この企画ではおそらく課題解決よりスタイリングにフォーカスしたものですが、それでも要件定義やゴール設定・参考サイト選出などかなり実務さながらのものだと圧倒されました。そしてデザインを制作する参加者の方々も実務経験ほぼ三年未満とは思えないような高いレベルで焦燥を覚えました。さらにムラマツさんをはじめ業界最前線の方々からとても細やかなフィードバック(以下FB)をされていて、超有料のFBを動画で無料で見られるなんて…!と感嘆しました。

ブレイキングデザインの動画の感想

ブレイキングデザインのご案内

ブレイキングデザインの概要やアナウンスをされています。
以前にサイトリニューアル課題の企画で、株式会社バケモノさんのコーポレートサイトを、会社の垣根を超えてデザイナーの方々が同じ課題をやっていくという、面白くてとても勉強になるものがありました。今回はそれをさらにエンタメに、そして規模を拡大してやるのかなとワクワクしました。

デザイン作成指示合同説明会

参加されるデザイナーさんのご紹介と、サイトの目的や課題などをオリエンテーションされています。
そして参加される方々は、未経験ネキさん(実務歴0年)・猫ネキさん(実務歴2.5年)・化物ネキさん(実務歴3年)とそれぞれ実務歴がバラけていて、色んな視点を持っていそうだと感じました。未経験ネキさんは実務歴0年にも関わらず応募されていて、勇気と行動力があってすごいなと率直に思いました。とても良い評判をよく目にするデジLIGさんで受講されているみたいで、そういった環境も起因しているのかもと感じました。猫ネキさんは株式会社neccoさん所属、化物ネキさんは株式会社バケモノさん所属で、どちらも有名制作会社さんなのでどんな風にデザインしているのだろうと、すごい楽しみになりました。
今回は株式会社LIGさんの採用サイトが課題です。サイトを制作に至る背景や課題から具体的なゴール設定、訴求する情緒や機能などの説明をお聴きしてその理路整然さから、こんな背景だからこの課題があって、だからこの要素と見せ方が要るのか、と分かるように頭に入ってきました。
そして参考サイトの選出も、ただ見た目の想像と近いものではなく、情緒イメージとUX的利便性に分けて、それぞれに近い/遠いものを課題のサイトと照らし合わせてどこを参考にするかを解説されていて、これは絶対に真似できるようになろうと思いました。

第1話(フィードバック前編)

主に未経験ネキさんへのFB、後半に少し猫ネキさんへのFBをされています。
最初に手をつけてみたのはいいものの、方向性が分からなくなってくるのはあるあると思い共感しました。そこへの指摘が私にも刺さり、確かにイメージが固まらなくて着手してもあまり進まないけど、安心しちゃうからついやってしまうので気をつけなくてはと思いました。そして、参考にしているものと自分が制作したものを並べて、何が足りないんだろうとギャップを埋められるように考えることが大切だと改めて感じました。
スタイリングへのFBも、なぜそうした方が良いのかの言語化をめちゃくちゃ丁寧にムラマツさんがされていて、そこに実例がヴィジュアルとして動画に表示されているのでとても分かりやすく勉強させていただきました。
そして、個人的に一番難しいなと思ったのはサイトのメインビジュアル部分です。クライアントやユーザーがひと目見て、世界観やメッセージが伝わってくるような見た目をどう制作すればいいのか私もよく迷っていました。ムラマツさんの「お客さんは率直な感想をぶつけてくるので、作り手じゃない目線で作っているデザインを多角的にみる」というアドバイスが身に染みました。
未経験ネキさんは実務歴がまだにも関わらず、この時点で少ない時間にここまでデザインを制作されていてすごいと純粋に驚きました。途中経過からさらにどのように変わるのかが楽しみになりました。

第2話(フィードバック後編)

前半に猫ネキさんへのFB、後半に化物ネキさんへのFBをされています。
動画はじめの猫ネキさんのグラデの案では、強い情緒イメージを与える大胆なタイポグラフィに最初目を惹かれました。さらに日本語でのキャッチコピーも追記しており、閲覧するユーザーにもメッセージが頭に残るように施策されているのがすごいと感じました。それらを複数の組み合わせで提案されていて、これ結構いいんじゃないか…?と思いましたら、ムラマツさんからのFBで「基本的になんとでも説明できるコアモチーフは避けた方が良い」「複数の方向性違いで見せると進みやすい」と話されていて、メインビジュアルの制作の考えを学びました。
そして猫ネキさんの途中経過の最新案を見て直感で、いいな!と感じました。そこへのFBで「型破り、アウトロー、既成概念を壊すような表現が入っているといい」「あなたの会社・商材でしか言えない見せれない表現が最強」とあり、やはりその企業が選ばれる所以をどう言葉やヴィジュアルで伝えるかが重要だと思いました。ここからどうブラッシュアップされていくのかワクワクしました。
後半の化物ネキさんは、説明会を振り返って疑問に感じたことをすぐ掴み取り連絡するその早さに驚きました。そしてその後すぐ提出されたデザインを見て、嘘でしょ!?これもう完成やん…!と驚愕しました。そしてそこからFBをもらいアウトローな印象を探りながらブラッシュアップしていく様を見てただただ感嘆でした。その中でのFBの「メッセージを強く伝える部分がまだ弱い」から、さらに完成度が高まっていくのかと期待が膨らみました。

第3話(決戦&評価)

ブラッシュアップを経たデザインでプレゼンテーションをして、それを受けた業界最前線の方々から講評をされています。
今回講評をされる審査員の方々がめちゃくちゃ豪華で、Sunny Inc.の原さん・SHIFTBRAIN Inc.の鎌田さん・M-HAND Inc.の岩松さん・BEES&HONEY Inc.の今村さんです。そんな方々からそれぞれレビューをいただけるなんてこんな機会滅多にないと感じ、それを動画でしかも無料で見れるなんてありがたいと思いました。
デザイナーの各々のプレゼンを見て、デザインがこんな風にブラッシュアップされたのか!とまず感じて、同じ課題でもそれぞれ色んな方向からアプローチされていて興味深かったのと、やはりクオリティの高さに圧倒されました。個人的に、特に未経験ネキさんの途中結果からの変化がすごい!とびっくりしました。そして全員がサイトだけでなく、プレゼンのための資料制作や発表の仕方も練られていて、どんな風に人に伝えていけば良いか勉強になりました。
そして、レビューされる審査員の方々のお話をお聞きして、なるほど!と発見の連続でめちゃくちゃ勉強になりました。個人的に特に制作していく上で注意しなくてはと思ったレビューを自分なりに咀嚼して、いくつかピックアップします(認識違いましたらすみません)。

岩松さんレビューから自己解釈

  • ページ全体を通して世界観やスタイリングの質量を統一していく

  • 写真をコンセプトに合うように奥行きを持たせてアートなものにする

  • セクションの継ぎ目の処理を自然に流れるような処理を施す

鎌田さんレビューから自己解釈

  • ビジュアルの世界観の出し方や細部の作り込みをもっと詰めて考える

  • キャッチコピーとビジュアルの連動性を考えて矛盾がないようにする

  • 自分らしさではなくお客さんらしさを引き出す

原さんレビューから自己解釈

  • 狙ったコンセプトからコピーやビジュアルの表現の整合性を見直す

  • サイトの課題と目的からKPIを意識したコンセプトを割り出してみる

  • キーカラーなどを世界観に寄せるのを意識していくつか試してみる

今村さんレビューから自己解釈

  • アーキタイプを参考にした企業の人格にスタイリングを寄せていく

  • グリッドやレイアウトなど基礎を固めて全体のレベルの底上げをする

  • ブランドに即すことが前提で逸脱しすぎない

このレビューはもちろん今回のサイトに限らず、あらゆるサイトのデザインの時に気をつけることとなるので、この動画を振り返りながら意識して制作していこうと思います。

最終話(結果&裏話)

ここで結果発表と制作での苦労など裏側でのお話がありました。
個人的には、各々違った方向や狙いがあったので本当に誰が優勝するかは見るまで分かりませんでした。
「初稿が実力」「Webデザインの醍醐味だから動きのデザインを想定して作ってほしい」「(ユーザーやお客さんに)"見た目は良いんですけど伝わらない"って言われるのが一番カッコ悪い」などムラマツさんの厳しくも優しいFBが、いまデザインを制作している私にも刺さりました。
そして、これまでの動画で難なくブラッシュアップをしてきたように見えて、作る方ではそこでは見えない苦悩や葛藤があったことを感じました。
また、エンドロールでのデザインのブラッシュアップの変遷を見て思わず、あ、このFBの後にこうしたのかな?とか、ここで一旦迷ってしまったところかなと過去のFBを振り返りながら、おもわず勝手に考察してしまいました。

まとめと所感

ムラマツさん、参加されたデザイナーや審査員の方、そしてこの企画に協力された全ての方、本当に素晴らしい企画を制作してくださいましてありがとうございました!
私は以前少しWebデザイナーを務めていた時期があり、その時はWeb業界全体がどんなものか分かっておらず、ただただ与えられた仕事をやろうとするだけで主体的に動いていませんでした。そこからWebGLを学びサイトの演出をメインにしばらくフロントエンド方面へ舵を切っていましたが、今はデザインからコードまで一貫して制作したいと考えが変わりました。なので、ブレイキングデザインを見てかなりの焦燥を覚え、このレベルに追いつかなきゃいけないんだと感じました。
このブレイキングデザインとムーテレが今の私のデザインの上司であり、制作中に脳内でFBされるのを勝手に想像しております。そしてやはりこの動画のように何かしらの実績を出すことが自分の説得力にもなるので、まずは今の制作しているものに集中して、動画を見返しながら学んだことを活かして制作していこうと思います。


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