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岩手県のアンテナショップで見かけた、僕とは違う世界で生きている人

岩手県のアンテナショップで買い物をしていたとき。僕とは違う世界で生きている人と、その世界に巻き込まれている人を見た。

妻と銀座に出かけて、妻が用事を済ませるまでの間に僕は岩手のアンテナショップで時間を潰すことにした。

時間を潰すと書くと、まるで岩手のアンテナショップがつまらないようにも聞こえるけど、そんなことはない。めちゃくちゃ楽しい。

岩手県に足を運ばなくても岩手県の名産品が買える。最高に楽しい場所だ。僕が行ったその日、店内では南部箒(なんぶほうき)の実演販売が行われていた。

目の前で箒が作られている様子を見ながら、作り手のおじさんからにサイズの相談をしたり、使い方や手入れ方法を聞いたりできる。

店内を一度ぐるっと見てからその実演コーナーに戻ったとき、僕とは違う世界で生きている人がいた。

そのジジイは、作り手のおじさんに一生懸命に話しかけていたのだけど、箒とも掃除とも、岩手県とも何も関係のない話をしていた。

「子どもが熱を出すことを知恵熱って言うでしょ?あれは、子どもに芽生えた自我と、お腹の中のご先祖さまが喧嘩をはじめるから熱が出るんです」

と、何か持論のようなものを力説していた。

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