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珠玉のインディーズ映画

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2020年7月の記事一覧

病気になりたくてなる人はいない… 映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』

病気になりたくてなる人はいない。これは幼いころから母に聞かされてきた言葉です。僕自身が国指定の難病に罹り、状態は安定していながらも通院を続けている身であることもあって、母の言葉は本当に沁みます。 今回紹介する映画『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』は、アルコール依存症となった男の物語。彼もアルコール依存症になりたくてなったわけではありません。作中でも医師が語りますが、「この病気の怖いところは他の病気と違って同情を得にくいこと」なのです。 アルコール依存症と聞くと、 なるべ

42歳の僕は、いまも小学生の夏休みに憧れる――映画『子どものおもちゃ』

小学生に戻って夏休みをもう一度だけ満喫したい。42歳になってもセミが鳴くたびに願っています。夏休みの価値をこれっぽっちも理解していなかった、夏が来るたび何度でも訪れるものだと思っていたあの頃に戻りたいと… 小学生の頃は、鬼ごっこだろうと、ガンマンごっこだろうと、すべての「ごっこ」は真剣勝負であり、あえていうなら命をかけた闘いでした。 捕まったら終わり、撃たれたら終わり。終わりとは死であり、絶対に避けたいことだったのです。 映画『子どものおもちゃ』は、誰もが子どもの頃に持

15歳の女の子の思春期が終わる瞬間を見る映画『胸にTATTOOなんかいれて』

今回は思春期にまつわる短編映画の紹介です。恥ずかしながら、僕にもきっちり思春期はありました。思春期だからこその反抗期の愚行をこれでもかと親にぶつけたことがあります。何をどうかんがえてもただの勘違い野郎のバカ野郎で、穴があったら入りたいし、無いなら自分で掘ってでも入りたいです。 僕は思春期の時に「もう親がいなくても生きていけるな」と思ってしまったのです。恥ずかしい!!! でもきっとみんな大なり小なり思うはずなんですよ。子どもと大人の間に位置する思春期ど真ん中において。身体は