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YSS月間審査員賞! 2022年7月の発表。

9名のキュレーターが皆さんの投稿からピックアップして毎日紹介、日常写真を愛でるフィーチャープロジェクト「yousawscenes」。おかげさまで多くの投稿をいただいております。今回は7月の審査員賞発表となります。


Ken Tanahashi 選

いまなおさん

https://twitter.com/straight_naonao/status/1545712612650123264

選出理由:撮影者は何気ない日常空間の中にほんのわずかな違和感を見つけることがとても上手い人だと思いました。一見どこにでもありそうな日常のシーンですが、ドアの前に脱ぎ捨てられた靴が想像力を膨らませ、ストーリー性を生み出しています。靴の置き場がないのか、それとも勢い余って玄関前で脱いでしまったのか、いずれにせよクスッと笑える素敵な瞬間です。


MASA 選

無添加Tchaikovskyさん

https://twitter.com/tchaikovsky10/status/1545780582378242049


選出理由:
中洲の青々しさと川の上にふっくりと存在感のある形状にとても惹かれる一枚でした。川の濁りが上流の方での雨のひと降りを思わされるし、奥に少しだけ置かれた夏空も含め、ひと夏の美しさも感じさせられます。何気ない日常のカットですが、夏を感じさせるものが随所に含まれていて、記憶をくすぐられます。


トモコスガ 選

yostanbulさん

https://twitter.com/yostanbul/status/1545915412499808256

選出理由:猫の写真、ということだけでもなく、その耳毛、ということでもなく。その瞳、というだけでもなく。それらすべてをひっくるめて「未分の味わい」があると感じました。これぞ、写真らしい写真。言葉で語るよりも眺めることに味わいがある1枚。眼福です、ありがとうございました。


TOYOKI 選

momoo_photographさん

https://www.instagram.com/p/Cgb7BRmPeJR

選出理由:部屋に飾りたくなる写真とはこのような写真を言うのではないかと思うくらい、心が洗われる感覚を覚えました。雄大な自然を被写体にするとダイナミックな印象になりやすいですが、落ち着いた色使いによってどちらかというと優雅な印象に。また馬が、自然と人間との橋渡し的な存在として鑑賞者を写真の世界に誘ってくれているようでもあります。心地良い写真です。


shimizu_nobu 選

KOHさん

https://twitter.com/jang___photo/status/1548620899816853505

選出理由:今月もとっっっっても悩みました。笑
そしてこの一枚がとても印象に残りました。
宝くじを買う冷静な大人たちと真逆のお子さんの表情が非常に見る側の心をくすぐりました。
そして3人の着ている服の柄の感じも似てて、偶然性と日常性が入り混じる感じがとっても良いですね。
シュールとコミカルが混合しててとても好きな一枚です。


kawamon 選

Fujio Akimotoさん

https://twitter.com/fafb794/status/1549166035202605056

選出理由:とても構図が心地が良くてリズミカルな一枚。そんな率直な感想です。写真は外界を切り取る行為とも言えます。それは撮影者の自由であり、そこには偶然性や感性など様々な要素が掛け合わさりますが、撮影者さまは日頃から「心地の良い構図」を特に意識して撮影をされているのだろうと勝手ながら解釈しました。木と鳩と建物、三つの日常ありふれた被写体ですが、見れば見るほど完成度の高さに魅入ってしまう一枚です。今月もありがとうございました。


いくら・チャーン 選

しましまさん

https://twitter.com/shima_shimmer_/status/1553734463007621121

選出理由:季節感の曖昧さと無機質なビルの側面が、淡々とその時を写しとる写真の性質を表す一枚だと思い選出しました。
都市の建物は見慣れてしまえば視界で意識することも無くなります。目の前の道や標識、スマホなど近くのものしか目に留めていない、いつもの道でふと立ち止まって顔を上げた時、もしかすると知らない土地にいるような不思議な感覚に襲われるのではないでしょうか? 自分がスナップをする時にも感じるその気持ちをこの写真から思い出しました。


Pan_nu 選

nakazono_takafumiさん

https://twitter.com/deepimpacthc/status/1551322950166401024

選出理由:陸橋の濃い影、駐輪場の脇、至って普通の民家の間を抜ける道で立ち漕ぎでペダルに力を込める少年。
自分の学生時代を投影してしまいました。
大人になった今では取るに足らない様々だったかもしれませんが、十代の頃自転車ペダルを強く踏み込む理由が毎日何かしらあってそれが世界の全てだった様に思います。
知り過ぎてしまう前の、戻る事も出来ない日々を思い起こさせてくれるそんな写真です。


川原和之 選

みゆ季さん

https://twitter.com/mywordismyhome/status/1544263058226556929

選出理由:網戸を挟んだ向こうでビニールプールで水遊びをするお子さんでしょうか。日常に現れたモザイクアートのような一瞬を切り取った作品に目が留まりました。
SNSの日常的に投稿される写真を、スマートフォンの場面上でピンチアウトで拡大させて細部を確認する行為は、現在ではあたりまえになった鑑賞の仕方ですが、この作品はピンチアウトすることで、逆に細部が曖昧になっていくというSNS上の写真の感覚特性を逆に利用しているようで、私にはとてもアイロニカルな表現に感じました。言い換えれば、写真(画面)と距離をとることで写されている光景が何なのかを想像させるユーモアが詰まった一枚に感じたのです。
また、網戸の目の水があることで、離れてみる際には西洋絵画の経年劣化のように感じ、近づいていくとデジタルのブロックノイズやピクセルのような質感を感じさせられるなど、遠近両面で面白い効果を与えているように感じました。


以上、2022年7月の月間審査員賞でした。

2021年11月に始動した、ユーザー参加型のフォトプロジェクト「yousawscenes」、おかげさまで多くの方々に参加いただいております。

皆さんの写真をTwitterとInstagramで毎日紹介しています。

yousawscenesのヴィジョンと参加方法
過去に開催したフォトコンの審査結果

今年も様々なイベントを企画していきます。
yousawscenesをどうかよろしくお願いします。


YSSキュレーター紹介

Ken Tanahashi

2016年から本格的に写真を撮り始める。主にストリートフォトや日常写真を中心に撮影している。その他の活動として、WEBメディアへの記事の寄稿、写真系コミュニティ『DopeZineLab』の運営、ストリートフォトにスポットを当てた『StreetPhotographyJapan』の運営として活躍している。

Twitter twitter.com/kentanahashi
Instagram instagram.com/ken_tanahashi
note note.com/kentanahashi/


MASA

東京でプロダクトデザインをしながら、2019年から休日や帰宅時に写真を撮っている。培ってきたデザインの知識をベースに、青基調の特徴を持った多摩川の日常や都内でのスナップ写真作品をTwitter、note等で投稿している。一方で写真作品も作り、PhotoVogueにて数枚の写真がフィーチャーされた。

Twitter twitter.com/masaphoto9
Instagram instagram.com/masaphoto9/
note note.com/masa_design


トモ コスガ

写真表現を考えるYouTubeチャンネル「トモコスガ言葉なき対話」を運営。VICEマガジンの編集を経て独立、現在は写真家の故・深瀬昌久が遺した写真作品の管理団体「深瀬昌久アーカイブス」創設者兼ディレクターを務める。Brutus、Pen、実話ナックルズ、日本カメラ、IMA、サイゾーなどの媒体に寄稿。著書に『MASAHISA FUKASE』がある。写真集の跋文寄稿に、深瀬昌久『RAVENS』『FAMILY』『SASUKE』『Kill the Pig』など。過去に審査員を務めたアワードとして、第7回 EMON AWARD、第1回 News Print Awardなど。オランダはアムステルダム在住。

Twitter twitter.com/tomo_kosuga
YouTube youtube.com/user/tomokaflex
Instagram instagram.com/tomo.kosuga/
note note.com/tomokosuga


TOYOKI

1985年、山形県生まれ、東京都在住。東京を拠点に活動するストリートフォトグラファー。都市と自然の緩衝帯、武蔵野をメインフィールドに何気なくも愛おしい日常を記録する。

Twitter twitter.com/s_toyoki
Instagram instagram.com/s.toyoki/


いくら・チャーン

2002年生まれ、京都北部の田舎育ちで現役大学生。2021年より、SNSのストリートスナップに惹かれ、スナップ写真を始める。自分の身の回りで目にする「ちょっと面白いもの」を撮り続けている。

Twitter twitter.com/71_ikura
Instagram instagram.com/ikura_17/
note https://note.com/ikura_17/


Pan-nu

自転車旅で3年半のテント暮らしをしながら日本全都道府県を行脚した経験を持つ。写真を販売することで旅中の生計を立てた経験から、その後もフォトグラファーを生業として活動を続ける。現在は故郷である岡山県にて購入した中古ビルでフォトスタジオを経営して4年目。

Twitter twitter.com/Pan_nu_photos
Instagram instagram.com/pan_nu_photos/


kawamon

福島在住のフォトグラファー。2017年に本格的に写真を始める。鉄道をモチーフに日常や旅情を表現した写真を得意とし、雑誌などのメディアや鉄道会社への写真の提供なども行ってきた。最近ではSNSでの発信にも力を入れており、twitterでは鉄道写真のほか、地元や旅先でのスナップ写真を投稿している。

Twitter twitter.com/kawamon4649
Instagram instagram.com/kawaminami_hayato
note note.com/kawakawa415


shimizu_nobu

フリーランスフォトグラファーであり、浅草の人力車夫。プロダクトから大型フェスまで。ジャンルレスの撮影業務をこなしつつ。ライフワークとして日々の朝食をSNSにて発信し続け、雑誌や新聞などのメディアから取材を受ける。撮影以外にコラム等の執筆活動や企業SNS運用もしている。

Twitter twitter.com/shimizu_nobu_
Instagram instagram.com/shimizu_nobu_gohan/


川原 和之

1983年生まれ、富山県在住。祖父母の写真を撮り始めたことをきっかけに独学で写真を学び、現在は自身の祖母と娘の日常を記録する中で、世代を超えた家族の関係性を表現した作品を10年以上の歳月をかけて作り続けている。

Twitter:https://twitter.com/kazkawahara
Instagram:https://www.instagram.com/kazuyukikawahara/

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