「メンタル強め美女、白川さん」のススメ
気分を上げたくなったらコレ!
日本人は自己肯定力が低い、と言われたことがある。日本人に。何の統計なのかは知らないし、日本人でくくるなよ、とも思うけど、確かに過去の私は自己肯定力が低かった。コロナ禍と厄年が重なった2020年から2021年。私自身たくさんの経験をしていった中で、自己肯定力は上がった
と自覚している。この話はまた後日。
そんな自己肯定力爆上がり真っ最中な私でも、出口の見えない不安の迷路に迷い込み、眠れない夜もある。私なんかがこんなにおしゃれなサングラスをかけていいのかな?誰かに笑われたりしないかな?と考えてしまい、不安になって約束の時間に遅刻しそうになったりもする。
そんなときに開くのが、漫画『メンタル強め美女、白川さん』だ。1話がだいたい4ページから8ページで完結するので読みやすい。そして短いページでありながらも、毎回いただける名言が心をやわらかくしてくれる。くすんでしまった自分の心がつやを取り戻す感じ。明けない夜はないよね!私が着たいものを着ればいいよね!と自分の背中をそっと後押ししてくれる漫画だ。
どんな本かと言いますと
『メンタル強め美女白川さん』の作者は獅子さん。もともとは趣味でtwitterに投稿していたところ、反響を呼び書籍化。さらにはテレビ東京系で2022年4月から6月にドラマ化もされた。ドラマもとても見やすかったのでおすすめ。構成は異なるものの、映像になることで原作の共感性がさらに高まった作品だった。
主人公の白川さんは25歳の営業事務職。タイトルの通り美人さんで、幼いころからそのことでひがみやいじめに合うことも少なくない。職場や親戚からの悪口、無視、マウント、お菓子外し…と、数々の悪意にも、白川さんは【私は私、可愛く強く!】をモットーに、華麗にスルー!メンタル強めに笑顔でかわしていく。
白川さんの素敵なところはそこだけではない。白川さんは戦わないのだ。さまざまな戦いの火種を華麗にスルーしていく。メンタル強めと聞くと、鉄の鎧を着て跳ね返すようなバチバチした戦いを想像するかもしれない。悪口を言った人にスカッとする言い返しを期待するかもしれない。白川さんはそんなことはしない。なぜならば、白川さんのモットーその2は【人にやられていやなことは、自分もしない】なのだ。
正直それってしんどくない?と私は思ってしまう。私は割と、人の悪意のある言葉やマウントをちゃんと受け取ってしまうから。それを見て見ぬふりをするって、やられた側が我慢して苦しい思いをするように感じる。でもなぜかこの漫画を読むと、しんどいとか考えてた自分が、どこかへ飛んでいく。そんなラブ&ピースな漫画なのだ
けれど白川さんだって落ち込むこともある。落ち込んだ時は【必殺♡開き直り】でネガティブおばけを退治する。そのほかにも心の美容ノートや安心カードなど、実生活でも活用できそうな、ストレスへの対処法が優しく可愛く紹介されている。白川さんは完璧に見えてそうじゃない。自分が楽しく生きる具体的な方法を、みんなよりちょっと知っているだけなのだ。
魅力的な登場人物
白川さん以外の登場人物もとても魅力的。体系にコンプレックスを持つ町田さんや、はじめは白川さんにあたりが強かった梅本さん。高身長、くせ毛、そばかすなどの外見コンプレックスが多い林檎ちゃん。SNSで承認欲求を満たす花岡さんに、本社から異動してきた完璧美女の羽柴さんなど、身の回りの誰かに重ねられそうな個性豊かさ。思わず「いるよね~」と声に出しながら読んでしまうこともしばしば。
それぞれのコンプレックスとの向き合い方や、落ち込んでいるときの周りの手の差し伸べ方。それがとてもリアルなのは、獅子さん自身がそれぞれの登場人物に投影されているからかもしれない。私自身、友だちや周りの誰かが悩んでいたら、実践してあげたいなと思う具体例がたくさんあった。
特に印象的だったのは、完璧美女の羽柴さん。容姿も美しく頭脳も明晰な彼女。一見人当りもよく優しそうに見えるのだが、本社でついていたあだ名は【上から猛毒ヘビ女】だった。自分ルールがつよすぎて、それを他人にも押し付けるタイプだったのだ。一気に周りから避けられるようになった羽柴さん。そんな羽柴さんに白川さんが伝えた言葉がとても素敵だった。
そんな羽柴さんを単なる悪役として扱わないところも、この漫画の好きなポイント。羽柴さんが【上から猛毒ヘビ女】になった理由を丁寧に描いている。そして、そんな羽柴さんを筆者は応援している。それぞれの生き方を否定しない漫画、誰にだって人を笑う権利はないって教えてくれる漫画、それが『メンタル強め美女白川さん』だ。
読んでみたいなと思ったら
買うのはちょっとどうしようかな…と悩んでいる方は、LINE漫画で少しだけ無料で読めるのでそちらで試し読みもおすすめ。私も試し読みから購入に至った。twitterでも獅子さんのアカウント@sisi0cccで最新作がみられる。でも、紙で持っているのが個人的には好き。
この漫画をもし読んでいただけたら、実践してもらいたいことがある。心の中に小さい白川さんを作るのだ。それで、外的要因や内的要因でメンタルがやられそうだなと思ったら、召喚する。そして思いっきり自分を褒める!褒めて褒めて、自分のおなかが満腹になるまで褒める!友だちも増えた気持ちになるし、自分も元気になるし、一石二鳥。
そうか、私にとってこの漫画はお守り、なのかもしれない。
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