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♡2♡

現在通っている美容院の話。



このあたりには多いんですが、
マンツーマンで切ってくれるところ。
店内に、
美容師さんと私、
ふたりきり。


ご存知、
人見知りの私なので
ふたりきりなんて
緊張…

…するかとおもいきや、
そうでもない。


この美容師さん、
若い男の人。
キンプリの海人くんに似てる。
誇張でなく、
似ている。


しかし!
そこはどうでもいい笑


若い。
イケメン。
私と共通の話題などない。
ずっと黙っている。


しかし!
それでも大丈夫なのだ。



私は雑誌を読んでいたり、
寝ていたり、
ただ目を閉じていたり、
外を見ていたり。

そんな感じ。

海人くん。
無心に髪を切っている。
雑談はしない。
必要なことだけ
「〇〇しますね~」
とたまにつぶやく。

そんな感じ。



共感してくれる人と、
何言ってんだ?って人と
いると思うのですが、
この海人くんとの関係って、
私にとってはかなり稀有なことだ。


割と美容院は変えるタイプだったけど
今のところに腰を据えているのは、
海人くんだからなのだろう。

恋愛感情とかは一切ない。
それもいい。
なんでもない。
上でも下でもない。
右でも左でもない。
でも、
リラックスできる。

いろいろ話して
分かり合ったとかでもない。
仲良しでもない。
最初から黙っている笑
ふたりとも。
それでも、
私はずっとリラックスしている。

嫌だなって思うこともない。
的確に仕事してくれる。
それもいい。
ただリラックスして、
店にいる間はぼーっとしていて、
外に出たときはなんだか
リフレッシュされている。



彼と出会って思ったのだけど、
自然と一緒に居られるタイプって
いるのかも知れないな。
時間とか経験とかを重ねなくても、
年齢や環境が似ていなくても、
距離が近いというか。

このままで居ていいんだー、
頑張らなくていいんだー、
って思う。

同じことを
別の人がしたとしても
なんか違うのだと思う。
誰でも黙っていればいい
ってもんでもないのだ。

美容院に行くのってなんか、
嫌いだったんだけどね。
疲れると言いますか。
やっぱり緊張してたんだね。
でも今は、
行くのが楽しみ。




その人との距離、
っていうのは、
最初から決まってるんだな。

居心地のいい距離、
っていうのも
あるのかも知れないな。



…大事な人との距離、
思い出してますか笑??




彼氏と初めて会ったとき。
ガチガチに緊張していたわけでもない。
不安と期待が入り混じっていた。
実際に会ってみて、
最初はちょっと怖かった。
だって、
おじさんと話が合うかどうか笑
説教されないかどうか笑

想像していたのとは違い、
実際に話してみると割と
軽い感じではあった。
「マジでー??」
みたいな笑
大学生と話してるみたい、
と思った。
同級生と話してるみたい、
と思った。

「…で、三年後に
 真実を知るわけなんだけど。」
とか、
「モテることしか
 考えてなかったから。」
とか、
「情けない話なんだけどー。」
とか、
短い言葉で
とつとつと面白いこと話す、
そういう喋り方が好きだった。

死ぬかも知れない思いをした、
って話のとき、
まず最初に
「結果、大丈夫だったんだけどー。」
ってところから話し始めたのが
優しい人だなー、って思った。

すぐに話に夢中になった。
気づくと5時間経っていた。

そろそろ帰らないとね、
と店を出た。
並んで歩いても、
手も繋いでこない。
私は思った。

(…やば。
 なんか楽しかったので
 ついうっかり友達みたいに
 話し込んでしまったけど、
 こういうんじゃなかったかな?
 こういうのを求めていたんじゃ
 なかったのかな?
 マッチングした最初って、
 こういうんじゃないのかな?
 もっと
 ラブ味出すものだったのかな?)

ごめんねー、
私はすごく楽しかったんだけど。

忙しかったのに、
せっかく来てくれたのに、
ほんとにごめんねー。

って思っていた。

何事もなく終わるとかと思った、
そのとき笑

急にキスされた。

それもどうかと思うけど。

でも、キスすると分かるよね。

自分がその人を
受け入れているのか、
拒んでいるのか。



あの日のことを思い出すと、
彼の笑顔が浮かぶ。
ふたりとも顔を見合わせ
笑い合った瞬間を覚えてる。

(…あ、私、ずっと、
 この人の目を見て話せてる…)

って思ったのを覚えてる。

5時間が一瞬だったのを覚えてる。


「あのとき、
 カッコつけてた?」
って後日、聞いてみた。
「ん-、いやー、
 カッコつけようとは
 思ってなかったねー。」
って言ってた。



彼との距離って不思議で、
ふと見えなくなったり、
急に隣に現れたり。

それを不安に思うことも、
不満に思うこともあったが、
今は慣れた。

見えないときもあるけれど、
それでも隣に居るのだろう。

そういう、
組み合わせなのだろう。




彼にフラれたら、
海人くんを飲みに誘います!




嘘です。




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