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人生は苦闘だ。でも楽しい。〜Life is a bitch but happy〜

日曜日の夜は憂鬱だ。

明日からまた仕事が始まると思うと視界が暗くなる。

何をしても脳裏に過ぎるのは仕事だ。

考えても意味はない。

だから考えない様にしよう。

そう自分に言い聞かす。

理屈では分かっていても仕事という悪魔が顔を出しては私を苦しめる。

だから私は家族が寝静まったのを確認するとサウナへ行く。

サウナから帰ったら何もしたくないので食器洗い、部屋の掃除を完璧に済ませてから家を出る。

サウナは私の唯一の逃げ場所だ。

サウナの中では妄想族になる。

妄想の中では私は偉大な男だ。

地位も名誉もある。

仕事が楽しくて仕方がない。

時には売れっ子作家、時には売れっ子ラッパー。リーガエスパニューラで得点王になったことだってある。

妄想の中での私は無敵だ。

広瀬すずとのアバンチュールを楽しんだり、高校時代に戻っては小松菜奈似の彼女との青い春を楽しんでみたりもする。

宝くじに当たった時の入念なお金の使い道も予習はバッチリだ。

宝くじに当たって仕事を辞めて、いつも家にいて、車もベンツになったりしたら隣に住む母に気付かれてしまうなっと結構リアルに悩んだりもする。

この答えだけは未だに分からないので、母にだけは事実を告げ毎月10万円の口止め料を支払うというのが結論だ。

それが私のリラックスタイムaka現実逃避であり、私がどうにかまだ息をしている命綱的な役割をしている。


月曜日の朝は憂鬱だ。

朝から気持ちが落ち付かない。

私はこれから大嫌いな仕事に行く。

私は毎朝思う。

「えっ、本当に俺仕事に行くの?」

でも私には妻がいて4才になったばかりの息子がいる。

私は家族が大好きだ。

だから妻を抱きしめ、息子を抱きしめてから家を出る。

大袈裟だと皆は思うだろう。

でもこれは事実だ。

私は毎朝、戦場に向かう兵士の如く涙ながらに仕事へ向かう。

戦地は常に過酷だ。

特段忙しくはないが、つまらない。

私は昼休みになると転職サイトから来るスカウトを見てはこんな私でも求めてくれる人がいる。いつでもこの場所から逃げ出せるっと心を落ち着かせて午後を迎える。

午後になれば目指すはサウナだけ。

無心で営業資料を作り、なるべく人とは関わらぬ様に時を過ごす。

そして定時で上がり一目散に家に帰り妻と息子の顔を見てはホっとする。

そして夕食を食べ食器洗い、部屋の掃除、息子をお風呂に入れれば後ろめたい気持ちは何もなくなりサウナへ行く。

今日は憂鬱な月曜日だが私は月曜日に東名厚木健康センターに行くことをルーティンとしていた。

19時30分から始まるSSKという熱波師による爆風ロウリュを受けることが私の生き甲斐だ。

19時20分にAKCに着き身体を洗いサウナ室から続く長蛇の列に並ぶといつもの仲間達がいる。

心が落ち着く瞬間だ。

そしてサウナ室に入ればSSK氏がマキタのブロワーを用いては私達に無慈悲な熱波を送る。

そんな中、私はサウナ室の窓から見える露天スペースのTVを眺めていた。

どうやらクイズ番組の様だ。

さて問題です。

「品□方□」

□に入る文字は!?

簡単だ。私レベルの人間になれば、こんな問題はお茶の子さいさいだ。

答えは「品川方面」。


そしてCMを跨ぐ。


答えは!?

「品行方正!!」



「アジャパーーーーっ!!」



そしてSSK氏は目の前にいた。

大きなマキタのブロワーを抱え不敵に笑っては私に熱波を送る。


熱い。とてつもなく熱い。


私は一体何をしに来てるのだ。


人生に絶望していたはずだ。


それなのに何故こんなにもエクストリームな拷問を受けているのだ。

そして私は乳首を火傷した。

明日には瘡蓋(かさぶた)になるだろう。

瘡蓋にならなかった場合は恐らく乳首とタンクトップが擦れてジリジリと程よい快感的な痛みを一日中感じ続けることだろう。

私は酩酊としてはサウナ室から出て水風呂に入水した。

いつか死ぬのなら水風呂で死にたいものだと本気で思いながら水風呂を出ては外気浴スペースへ向かう。

休憩椅子は満席だが、目の前の人が休憩椅子に水を掛けているので並ぶことにした。

目の前の人が立ち去り私が座ろうとすると、おじさんが順番を無視して座った。


別にどうでも良かった。


おじさんもワザとやった訳ではない。

もしかしたらサウナから出た後で視野が狭かったのかもしれない。

私は外気浴を諦め浴室にある椅子に座った。

そんな私を見てSSK氏がマキタのブロワーを持って私に近付いては優しい風を送ってくれた。

そしてSSK氏は私に言った。

「つよぽんは優しいねー。」

それ以上は何も言わなかった。

だから私も何も言わないで優しい風を浴びた。


見てくれてる人は見てくれてるものだ。

そんな些細なひと言だったが、私の気持ちは一気に軽くなった。


私が毎週、憂鬱な月曜日にAKCに通う理由はまさにこれだった。

言葉は時に人を救う。

SSKという熱波師はそんな言葉の魔法を唱えてはいつも私達に勇気やら元気やら希望やらをくれる。

正直月曜日にサウナに行くのはめんどくさい。

でも人生のめんどくさいに打ち勝った後には最高のご褒美がいつもあるものだ。

人生は苦闘だ。

でも正直楽しい。

楽し過ぎる

これだけ苦しい日々を過ごしては週末という楽園を最大限楽しんでいる私にはきっと良い事があるはずだ。

大器は時に晩成だ。

私は多分だが、いつか幸せになるだろう。

少しだけ不器用なだけなんだ。

One Love.

P.S

今日は良いことがあった。
退館受付をしている際にいつもの受付のお兄さんは言った。

「つよぽんさんですか?服とか作ってますよね?いつも見てますよ。私も服大好きなんです。カッコ良いの作ってますね。」

見てくれてる人は見てくれているものだ。

それが時に思いもよらぬ人だったりするから人生は楽しい。

しょうがない明日も仕事に行こう。

今は修行期間だ。この先にはきっと沢山のハッピネスが私の元を訪れるであろう。

東名厚木健康センターのジャンボ餃子は美味い。
ぶっ飛ぶぞ。

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