貴方とならどこへでも

朝、
じわりと温まる指先を頼りにバスを待つ。
100円のコーンポタージュはとうに無くなっていて、まだ生温い缶だけが手元に残っている。
霧の濃い今に似合う様な緩やかな音楽を片耳に携えてうとうとと微睡めば、目の前をスピードをぐんと上げた車が走り去った。
…ふと、日光へ行ったことを思い出した。こっちとは天気気温共に大分違い、紅葉の名所になっていた。赤、黄色、オレンジ、黄土色。どれも私には可愛いすぎる色だと思った。

もう、秋…か。今年も貴方に会いに行けなかった。嗚呼、嗚呼。愛しい貴方はきっと。
何時か、秋を纏ってでェとに行きましょうね。

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