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【関西限定?】62年前、曲は3番まで作られたが…「有馬兵衛の向陽閣へ」の有名CMソング秘話。

♪ありっまひょうえのこ~うようかくへ~  

耳に残る軽快なリズムに誘われ、実際に足を運んだことがある方も多いのではないだろうか。

このCMで知られる「兵衛向陽閣」(神戸市北区有馬町)とは、日本三古湯の一つとして知られる有馬温泉にある老舗旅館だ。創業700年と長い歴史を誇り、伝統と歴史を重んじながらも時代のニーズに合わせてリニューアルを繰り返し、現在も広い世代に愛され続けている。  

冒頭のCMソングは“浪花のモーツァルト”ことキダ・タローさんが作曲したものだ。どのようにこのCMが生まれてきたのか、営業部長の岸本宏史氏に話を伺った。

「当館は創業700年としていますが、はっきりとした創業年は分かっておりません。室町時代の文献1466年『蔭涼軒日録』(いんりょうけんにちろく)に『二の湯兵衛』『谷の兵衛』といった記載があり、つまりそれ以前からあったということから、創業は650年~700年位前としているのです。

またその文献から、室町時代は『兵衛』と名乗っていたことが分かっています。

1594年の『湯山由緒記』によると当館は『北の坊』と名乗っていました。
しかし人々は『兵衛、兵衛』と呼んでいたことから、再び『兵衛』と公称するようになりまして、以来、兵衛の名は他の呼び名に変わることなく続いてきたというわけです。

実はその時代、豊臣秀吉公が9回にわたってこの地にこられていて、兵衛と名づけられたという口伝が残っています。

そもそも兵衛とは、天皇を守る御付きの人たちのことを指すので、その人たちが泊まる場所という意味合いがあったのかもしれません」

⚫実は3番まであったCMソング

こうして長らく「兵衛」の名で親しまれてきた中、1957年に「向陽閣」が完成する。 「兵衛は有馬の町中にあったのですが、町から少し外れた川沿いに別館として向陽閣が建てられました。

約18年間は『兵衛旅館』と『別館向陽閣』という形で2棟あり、その後、もともと別館だった向陽閣だけになりまして、これが兵衛向陽閣として今も同じ場所で続いているのです」  

向陽閣が完成した5年後の1962年、CMが放送された。

「テレビ番組で色々な企業のCMソングを作るという企画があり、そこに参加して、キダ・タロー先生に作っていただきました。実は3番まで曲はあったのですが、CMとしてはあのサビの部分だけが使われ、他の部分の楽譜も歌詞も今はまったく残っていない状態なんです」

歌ったのは当時新人歌手の仲宗根美樹さん。その後、レコード大賞や紅白歌合戦にも出場し、人気歌手として成長した。

なんとも豪華な取り合わせのCMソングが現存していないというのは、とても残念だ。

「昭和40年台には関西・関東・中部エリアで頻繁にTVCMを流していたので、今の50代以上の方には間違いなく知っていただけているのではないかと思います」  

その後、キダ・タローさんがこのCMソングをリニューアルしたという。

「これもまたテレビ番組の企画なんです。テレビ大阪の『なにわの名曲 紅白歌合戦』(2018年7月放送)の中で、このCMソングが名曲だということで、キダ・タロー先生に聞きに行かれたそうです。

そこで、サビしか今はわからないことをお知りになった先生が、じゃぁ作りましょうかと言ってくださったので、番組の中で作っていただきました」  


⚫以前の楽曲の情報がない中、どのようにリニューアルされたのだろうか。

「サビ部分だけを使い、まったく新しい曲を作っていただきました。“有馬兵衛の向陽閣へ”という言葉を生かし、そこから思いっきり広げていただいた歌詞を、もず唱平先生に作っていただきました。

1番の歌詞には新婚旅行で、2番では銀婚式で、3番では金婚式で向陽閣を訪れる様子が歌われています。

実際これにピタッと当てはまるお客様もいらっしゃるんですよ」

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