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そうだ、ヒッチハイク、しよう⑬ 大阪編



さあ大阪観光

午前3時の大阪

ただひたすら真夜中の道を大阪に向かって歩き出す。
このモヤモヤした気持ちを晴らす為に無心で歩き続ける
一時間も経たないうちに後悔してどこか近くのネカフェに泊まり直そうと思ったのだが、検索してももう大阪に到達するまでネカフェは無かった。
ちょっとだけ泣きそうになる。
歩き続けること2時間半、ようやく大阪に到着。疲れ果てた私はすぐにネカフェに入って朝まで眠り続けた。

さて、ここ大阪ではやりたいことが結構ある。
まず第一は黄色さんという友達に会うこと。広島旅行メンツの一人であり、元々は広島の人間なのだが、現在単身赴任で大阪にいる。三月の広島旅行はもちろん、それ以前の福岡オフでも会ってるし、熊本であった友人の結婚式の時にも会っているから遭遇回数は結構多いのだが、ここ大阪で会うのは初めてのことだ。
第二に住之江競艇。ナイター開催の競艇場なので楽しみだ。
最後に、大阪は東京と1、2を争う女装ホットスポットであるからして、それに特化した施設が多い。新世界、通天小町、女装子が大阪に来たからには行くべき場所が沢山あるのだ。

という訳で19日目。
今日は黄色さんに会う約束があったので、仕事の終わる18時までは一人で観光をして過ごす。
因みに大阪は以前にも訪れたことはあって、道頓堀とかあの辺の観光地にはもう行ったことがあるので、今回は趣向を変えてまだ行ったことのないお城を見に行くことに。
朝から大阪駅まで歩いてロッカーに荷物を預け、大阪城に向かうバスに乗車。

錦城の別名に相応しい大阪城

ここは外国か?と思うほど周囲には外国人観光客しかおらず、聞こえてくる様々な言語にちょっと興奮。フランス語なら、聞けば意味は分からなくても発音と調子でなんとなく「あ、これフランス語だ」と分かる。ロシア語も分かりやすい。
因みに、大阪城といえば太閤豊臣秀吉が建てた城という印象が強いが、彼の遺構はほぼ埋没しており現存しているのは江戸時代の徳川大阪城なんだとか。

大阪市港区にある世界最大級の水族館、海遊館

続いては海遊館。流石と言うべきか、出発してから今日まで多くの水族館を訪れて来たが、ちょっと格が違った。タイで見た水族館も遥かに凌ぎ、比較するならドバイで見た巨大水族館だろうか。
入館チケットを買う時に「本日はどちらから来られましたか?」というアンケートをやっていたので、正直に「熊本から」と答えたのだが、こいつは熊本からわざわざ一人で大阪まで観に来るほどの水族館ガチ勢なのかと思われただろうか。

館内の構造がもう既に他所では真似できない

入場したらまず8階まで上がり、そこから館内をぐるりと回りながらゆっくり下まで降りてゆく。生息地ごとにまとめられた展示をじっくり眺めつつ、中心の巨大水槽ではこの水族館の主役のジンベイザメを何度も見る事が出来る。


黄色さんに会う

大阪観光の目玉を二つも見終えてお腹いっぱいになったので、黄色さんの仕事が終わる18時まで大人しく駅付近で待つことに。
小雨が降り出す中、職場の近くで適当に時間を潰していると、山口から岡山までの移動でお世話になった大トラさんから連絡が入った。
なんと今夜、大阪を通ってそのまま最終地点は青森まで行くらしい。それに乗って行かないかというお誘いだった。
突然過ぎる、そして大胆過ぎる提案にその場では返事が出来ず、ちょっと考えるので時間をくれないかと言って電話を切る。
予定ではこのまま往路は太平洋側の各県を西から東へ順番に通って北海道まで行き、往路は日本海側を通って東から西へとぐるり一周するつもりでいた。
だが、ここへ来て一気に北へ大ジャンプするチャンス。さて、どうしたものか。

「…て感じで青森まで行けるらしいんだけど、どう思う?」
「そりゃ、行くべきじゃろ。行った方がええよ」
仕事が終わり合流できた黄色さんも賛成してくれたので、青森ジャンプを決意。確かにこのままじゃ北海道に辿り着く前に力尽きてしまう可能性もあったし、ここ数日のモヤモヤした嫌な感じを一気に払拭するチャンスでもあると思った。
「オッケー、じゃあ今夜大阪を発つことにする」
大阪にいるというのに、何故か沖縄料理屋で黄色さんと乾杯。
いや、奢ってもらうので不満なんて一ミリもないですよ?まだ大阪っぽい食べ物は食べてないけれど、沖縄は今回の旅では行けないので逆に今沖縄料理が食べれたのは良かったのかもしれない。
今夜発ってしまえば、大阪料理も女装スポットも住之江もスルーしてしまうことになるが、また復路で大阪には寄ればいいや。

二軒目は黄色さん行きつけのダーツバーへ。
行きつけのバーがあるという時点でもう黄色さんの大人力に感服する。
結婚もしてるし、ゴルフもやるし、お酒にも詳しい。私が思い描く「ちゃんとした大人」のお手本みたいな人なのに、その真反対にいる私がどうして仲良く出来ているのか今でもちょっと不思議。おまけにイケメンである。
私は正直ダーツはルールもよく知らない初心者どころか門外漢で、投げるつもりなど毛頭無かったのだが、成り行きで【後から来店したカップル】vs【店長と店の女の子ペア】vs【私と黄色さんペア】という三つ巴のダーツ対決をすることに。
これは正直、私というハンデを背負いながら黄色さんがどこまでやれるか、という対決のはずだったのだが、終盤に回って来た私の番に放った偶然の一投が、よくわからないけど会心の一撃だったらしい。
その場の全員が、私自身ですらも予想していなかった、私の一投によって【私と黄色さんペア】の優勝をもたらす結果となった。ビギナーズラックの最たるものだろうが、全員とグータッチし、褒められ、気持ちよいお酒が飲めた。
うーん、幸先や良し


OSAKA BAY BLUES

さて、今夜大阪を発つことになった私は終電に乗って大トラさんとの待ち合わせ場所へ向かう為、黄色さんとは駅でお別れ。
近くには徒歩で高速に入れるウォークインゲートが無かったので待ち合わせ場所に少々困ったのだが、大型トラック用のガソリンスタンドで給油するついでに拾ってくれるという。
とは言え大トラさんがこちらに到着する時間は午前3時だというので、それまでは近くのネカフェで時間を潰す。今回のネカフェは快活ではない。
私はここに来て都会ほど快活以外のネカフェが生き残る余地があり、田舎ほど快活によって他のネカフェが淘汰されているという現状に気付かされるのだった。

いい感じに時間を潰せたので、小雨をホワイトボードで凌ぎながら歩いてガソリンスタンドへ向かう。この時間でも店員は奥にいるようだが、この状況を何と説明したらいいかわからなかったので、ただちょっと雨宿りしてますよ、みたいな雰囲気で軒下で待つことに。
真夜中の3時のガソリンスタンドに、大きな荷物を抱えた長い髪の女(のような男)が徒歩で急に現れてじっと立っていたら、店員からしたら恐怖以外の何物でも無かったろう。
「…どうかしましたか?」と恐る恐る尋ねられたので、「えっと、ここで待ち合わせをしてまして…」と正直に答えたら、特にそれ以上は何も聞かれずに店内に招き入れられた。ガソリンスタンドでの待ち合わせって私が思ってる以上に一般的なんだろうか?

中で待つように促してくれた店員に感謝を述べつつも、さして私に興味があるような感じでも無かったのでお互い無言で待っていると、しばらくして見覚えのある大型トラックがやって来た。大トラさん参上
物語の舞台は関西から突然、北の大地へと移ることになる。



おまけ 各県雑感

大阪府 (府庁所在地 大阪市) 1回目
大阪に来るのは人生で三度目か四度目か。そう考えると、住んでいたことのある東京と身近な福岡を除けば一番知っている県かも知れない。
散々書いているが、明らかにこの大阪滞在は不完全燃焼なので復路で再訪している。そっちの方が密度は高いので乞うご期待。一回目はちょっとした観光と黄色さんに会うためだけの訪問になってしまった。
堪能した名物 大阪城、海遊館

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