見出し画像

発達障害のある同僚にどう告げるか

お盆休みも本日1日で終了というこの日。久々に書いてみようと思います。

昨年5月に転職した今の会社は、びっくりするほど従業員のレベルが低い。
生産性生産性って叫んでる割には、なんでこの人を採用したの?と思うような向上心が全くない人がいたり、言われたことだけせっせとする部長がいたりと、30年前の企業を見ているかのよう。

私はというと、このお盆はお正月以来の連休が取れて、2日目の今夜、ようやく人間の生活に戻りました(笑)

なぜならば・・・昨年の秋から私が利用していたシステムの改修が行われていたのですが、社内システム担当者に任せていても、3ヶ月経ってもスケジュールさえ決まらず、仕方がないので年末から自分がjoinし、PMとして進めることになったからです。

そしてわかったことは、進めていたシステム担当者が発達障害を抱えていたこと。そして本人がその事実に気づいていなかったこと。もちろん、本人の上司も気づいておらず、不得意な部分を押し付けていたこと。
そのおかげで、どんなことも中途半端なまま放置で、やり遂げることをせずにどれもクロージングできていなかったことがわかりました。

彼はなまじプログラムが書けるだけに、できる人として認識されていました。一応一流と言われる大学も出ています。
そう、勉強はできるアスペルガーと、ADHDをミックスした人。

実は私はその道に少し詳しいので、同じプロジェクトに入った途端見抜いてしまい、彼に一度診断を受けるように進言したのです。
最初の2ヶ月は否定、そのうち自分でも不安になってきたのか、自ら3つの病院で受診。結果はどこも同じだったため、ようやく本人も認めました。

・・・と、簡単に書きましたが、彼に告げるのはかなり迷いました。
だって学歴は高いし50歳近い年齢だし、プライド高いし(笑)
どうすれば受け入れてくれるのか?それが最大の課題でした。

まずは「子どもの頃ってどんな遊びしていた?」から始まり、誰と遊んでいたのか、どんな授業が好きで、何が苦手だったのか。
部活は何をしていたのか、お母さんはどんな人だったのか、これまでの社会人生活で叱られたことはあるか、本を読むのが好きだというけど、今まで読んだ本の中で何が一番好きか、どういうところが好きなのか。

遠回しにそんなことを聞いていくうちに、
・物事の表面しか受け止められていない
・相手の立場に立つという概念がない
・空気を読むことができない
・これから先に起こりそうなことを予測することができない
など、形のないもの・比喩されたもの・未経験のものは理解や想像することができないのだということがわかりました。

あと、仕事上何よりもハードルになったのは、相手の質問に対して答えることができないこと。
質問されたことへの回答がほぼできないという状態でした。
これは、質問されていることの意味がわからないことや、わかっている答えでも自分が怒られそうなことは誤魔化した回答をするためです。

そう、自分が不利になるというか「怒られる」ことに対しては敏感で、答えをはぐらかそうとするのです。そう聞くと、先を読む力があるじゃないかと思うかもしれませんが、実はそうではなくて、これも過去の経験からきていること。
プライドは高いけど、昔から怒られることや友達に馬鹿にされることが多かった彼は、言い訳から始めたり、わざと答えをはぐらかして自分の知ってることに話を変えたりして、他者の怒りを回避しようとする癖がついていました。

画像1

だけど残念ながら、それはとても幼稚な行為。
本人は気づいていませんが、とても幼稚な言い訳の仕方をしているため、周りの同僚や先輩・後輩から反感をかいます。

そしてだんだん孤立する彼。だけど本人は自分が孤立していることにも気づいていない・・・
気づいていなければいいじゃないって思うかもしれませんが、そうなると業務上にもかなりの支障が出てきます。
業務の頭数には入るけど、誰も彼には仕事を任せませんからね…
周りの人々がそのフォローをするのに通常業務の1.5〜2倍程度の業務量になりますから。

私もその一人。
というか、部長が匙を投げたせいで私が彼の面倒を見る羽目に陥ってしまったため、私の業務量は彼の分と合わせて2倍+彼の指導で休日もなく毎日残業を抱える毎日。
もうこれ以上は誰もハッピーにならないと判断し、彼に告げることにしました。

「ねぇねぇ、このままだとあなたも私も、そして周りの誰にとっても良くないよね。だからなんとかしてこの状況を変えないといけないよね。」
そう告げた私に、彼も自分がどうして良いかわからない状態だったのか、涙ながらに「どうにかしたい」と呟きました。

「あのね、落ち着いて聞いてね。大人の発達障害って言葉聞いたことある?これは私の勝手な想像だけど、あなたはもしかしたらそれかもしれない。今それを聞いて、私に対して何を言い出すんだ!と怒りしかないかもしれないけど、あなた自身のせいじゃなくて、先天的にハンディがあるのだとしたら、それとうまく付き合うことで今困っている状況を抜け出すことができるんじゃない?」

この言葉以降、彼は少しずつ考え方を変えてくれて、2ヶ月後に病院を受診、診断はやはりアスペルガー&ADHDということでした。
診断から4ヶ月。彼も自身で受け入れ、少しずつでも暮らしやすくしていきたいと頑張ってはいますが、やはり周りのサポートは必要な状態。

彼が受け入れるまでの葛藤や、その間の出来事はまた次の機会に…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?