すくっとすんなりご機嫌に

こたつでウトウトしていると
妻が友だちと電話していた

お互いの子供の話
共通の友だちの子供の話
自分の姉妹の子供の話

オチのない話が延々と続く中
狭いスペースの中で僕は
窮屈な寝返りを打って
絶好のポジションを手に入れた

「今ヒマ？」

その前の記憶がないから
少し眠っていたのだろう

眠るのに忙しいと言えば角が立つし
何よりその声で起こされて
目が覚めてしまっている

車に乗せていくから
ちょっと降りて用事をして欲しい

朝から出かけていた妻は
帰って来て部屋着に着替えていて

「車から降りられる服装じゃないから」

なんとも理不尽な願いかと思ったが
すくっとすんなり起き上がれたのは
春が近いせいだろう